刀術部門の予選 圧倒的な強さ......そして放送事故
正月の
記念ガチャを
引こうかな
開いてみると
終わるイベント
ゆずあめ
予選が始まった。
他の対戦プレイヤー全員が俺を見ている。
「フー、背後だけ教えろ」
『はい』
そして棒立ちでいること5秒。
まだこいつらは来ないのかな?
なら、こちらから行こう。迅速に片付ける。
「酷いチーミングだ。動かないぞこいつら」
『そうですね。やる気あるんでしょうか?』
「さぁな。じゃあ、殺るぞ」
『はい!』
俺は棒立ち状態から一気に走り出す。
すると敵は声を上げる。
「来たぞ! やれぇ!!」
「「「おぉぉ!!!」」」
うるさい。なんで俺が動いてから動き出すんだ。
黙って全員で殺しに来ればいいものを......
「『斬』」
ズッバァァァン!!
「「「は?」」」
うわぁ、布都御魂剣の効果の『斬』、やべぇな。今ので6人はポリゴンになったぞ。
「次」
「「「ヒッ!!」」」
おいおい、敵さん。どうして動きを止めるんだ? そんな事FSでやってみろ、速攻で広場送りだぞ?
「っぐわぁ!!」
「え、ちょま......」
「や、やめ」
「次」
3人ポリゴンに変えた。あと90人、どんどんやっていこう。
『背後、1人来てます』
「ほい」
体を半回転させ、真後ろ目掛けて斬る。
「んなっ......」
背後にいたプレイヤーもポリゴンに変えた。
「次......あれ?」
『皆、引いちゃってますねぇ』
「はぁ?」
み〜んな俺の周りから離れて行っていた。
「......はぁ、しょうもないな」
『ですね。どうします? 走り回って斬りますか?』
「あぁ。それしかない。こいつら同士で殺り合う前に俺が殺る」
『おぉ、普段と違いますねぇ〜』
「当たり前だ。この大会には家がかかってる。総合部門じゃなくても手は抜かない」
『まぁ、当然っちゃ当然ですね。さぁ、ガンガン行きましょう!』
刀術だからって手を抜いて負けたら、ただの笑いものだ。
「......さぁ、全力ダッシュのお時間だ。『透明化』」
俺は布都御魂剣を透明化させる。これなら相手に間合いを悟られずに斬れる。
ザンッ! ザシュッ!!
「2。次」
『後ろ、3人です』
走って追いかけ、2人を斬ったところでフーから報告が入る。
「知ってる」
足音が丸聞こえだ。走ってくるならまだしも、歩いてくるなら人数は数えやすい。
「『斬』」
位置さえ分かれば簡単に斬れる。それに刀を透明化させてるから、こいつらは間合いを把握出来ていなかったな。
作戦通りだ。
「「「嘘......」」」
いいね、楽しい。目指せ99人斬りだ。
「3。次行くぞ」
『は〜い!』
ザンッ!
「次」
ザシュッ!
「次」
キン! ガキン! ザシュッ!
「温い。次」
今、初めて打ち合ったが、初太刀と二の太刀は対応出来ても三の太刀に対応しきれていなかったな。
足りない。師匠はもっと強かった。打ち合っても、二の太刀を打てたら御の字。そう言える程に強かった。
それから20分、敵を斬りまくった。
「......ふぅ。あと何人だろ?」
そう思い、上のモニターを見る。
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残り人数12/100
生存プレイヤー
・・・
・・・
『ルナ』
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と書いてあった。敵は11人だな。
「なぁフー、『魔力刃』試してもいいか?」
『大丈夫ですよ』
「ならあいつに向けて。『魔力刃』!」
初めて使う付与効果、『魔力刃』を使ってみた。
本当は武術大会が終わってから使おうと思ったが、予選があまりにも酷かったので使う。
「っはぁ!」
ブンッ! 刀を振ると、刀の青い軌道を飛ばした。
そして飛ばした先にいたプレイヤーはポリゴンとなり、散った。
「つっよ。ってか消費MPは300か。多用できねぇな」
『それ、狙ったところに当たるまで魔力を消費するので、あんまり長距離は狙わない方がいいですよ』
「そういうのは最初に言ってくれませんかねぇ?」
『てへ☆』
降臨していないせいで見えもしないのに、テヘペロをしたのが分かる。
「ウザイな。まぁいいや。中距離までは使っていこう」
『あ、背後以外の敵の位置も報告しましょうか?』
「頼む」
『はい。ではまず、右前方120メートルですね。2人で打ち合ってます』
「了解」
速度重視で片付けよう。
ガン! キン!
刀を打ち合っている音がする。俺はそっとその2人に近づく。
「その打ち方は刀がダメになるぞ?『斬』」
「「あっ」」
「フー、次」
『真後ろに50メートルです。こっちも打ち合ってますね。っていうか全員打ち合ってます』
「報告ありがとう」
『いえいえ〜、役に立てて嬉しいです』
そう言ってくれるのは助かるな。さぁ、倒しに行こう。
カン! カカカン!
打ち合ってる音が軽いな、木刀か?
「『魔力刃』」
こいつで倒そう。
「「ぐっ!」」
「お? 死んでない。VIT高いのか」
打ち合っていた2人は魔力刃を耐えた。驚きだ。
「っ! こいつルナだ! やるぞ!」
「おう!」
「『斬』」
「「......」」
2人は音もなくポリゴンになった。
「あと6人、教えてくれ」
『はい!......あ、今1人死にました。その向きで左に150メートル先です』
「あいよ」
ここまで生き残ってると言う事は、相当長い時間打ち合ったいたんだろう。
なら、疲弊したところを狙う。
「少し遠いな。『魔力刃』!」
ブンッ!
「ガハッ!」
敵に魔力刃が命中し、ポリゴンになって散る。
「次は?」
『あ、2組とも決着着いたようです。正面、90メートル先で2人は打ち合いそうです』
「了解。これで最後か」
ラスト2人、両方貰おう。
キン! キン! カン! キン!
「やべぇ始まってる! 急げ!」
『頑張ってくださ〜い』
うおおお!! 間に合えぇ!!!
「おらぁ!『斬』!」
「「ぐわぁぁ!!」」
「っしゃあ!!!」
決着が着く前に間に合った!
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『刀術部門』予選第1ブロックが終了しました。
予選通過者
『ルナ』
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「よしっ!!」
以外にも簡単に勝てた試合だった。いや、皆の武器が弱すぎたのかもしれない。
刀術部門の予選で、より楽しめるのは次回からだろうな。
『おめでとうございます〜』
「あぁ、勝ったぞ!!」
勝利を喜んでいたら、ウィンドウが出てきた。
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会場へ転移します。
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今回は強制転移のようだ。目の前に魔法陣が現れ、転移された。
「やぁ! ルナさん! 予選通過おめでとう!」
「......え? レイジさん? あれ? なんでここに?」
転移で飛ばされたところは、モニターに映っていたレイジさんがいた所だった。
「あれ? ルーレット前に『予選通過者はここに転移される』って言ってたんですけど......」
「あ、すみません。人に酔ってて聞いてませんでした」
「「あぁ〜......」」
多分、マサキ達と話してる時に言ってたんだろうな。
俺、聞いてなかったよ。
「ま、まぁ。それで、予選通過した訳ですけど、少しいいですか?」
「はい、いいですよ」
「強すぎないですか? ルナさん」
「はい?」
いきなり何を言ってんだ、レイジさん。
「いや、刀の扱いが上手いんですよ! 上手すぎるんです! どうやって練習したんですか?」
「あ〜、それはただのPSですよ。リアルで練習しました」
「......凄い」
アイドル衣装の人の声が聞こえた。
「ん? あ......えっと......誰でしたっけ?」
「「えぇぇ!?」」
やばい、名前を思い出せない。
「あ、待って、今思い出します......えっと確かア、ア......アリスさん?」
「......アリアです」
「アリアさんでしたか、すみません」
「い、いえ。お気になさらず」
すると突然、フーが小声で話しかけてきた。
『ルナさん、人の名前を間違えるとはやっちまいましたね〜』
「いや、仕方ないだろ?」
「「ん?」」
あ、しまった。声を出してしまった。
フーが小声で話しかけてきたのって、周りに聞こえないようにするためだったのか。
「いえ、独り言です。それで、これって配信されてるんですか?」
「ばっちり」
「......マジですか。これって軽く放送事故では?」
「ガッツリ」
終わった......俺の人生、こんな所で終わるのか......
「......首、斬った方がいいですか?」
「「やめて! そっちの方が放送事故だから!」」
「そうですか......」
死んで詫びることすら許されないらしい。
「あ〜じゃあ最後に、本戦への抱負はありますか?」
「抱負ですか?......そうですね。全力で殺る、ってくらいですかね」
「今、『やる』の文字が違って聞こえましたけど、多分大丈夫でしょう」
「私も同じように感じました」
何を言ってんですかね? お2人は。
「ではでは『刀術部門』第1ブロックの予選通過者から、ルナさんでした〜!!」
「おめでとうございます!」
「ありがとうございます」
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観戦席に転移します。
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また強制転移か。それも観戦席ってどこ?
目の前が光り、再び目を開けると転移していた。
「いや、普通に魔法陣出せよ」
なんでこんな時だけ転移系の魔法じゃなくて、運営権限なんだよ。
「あ! おかえりルナ君!」
「ん?......ソル?」
なんと、飛ばされた場所はソルの居る、見知らぬ部屋だった。
「うん! リルちゃんもいるよ!」
「おかえりなさい父様、見てましたよ」
「ただいま。それとここは?」
「ここは観戦席だね。席っていうか部屋だけど」
いや、マジで部屋なんだよな。どうやって観戦してたんだ?
「どうやって見てたんだ?」
「えっとね、試合が始まったらモニターが出てきてね、それを操作して観るんだよ。
それでね、幾つか機能があって、プレイヤー追従モードとかあるから、それでルナ君だけを見てたんだよ!」
「そうなのか」
それ、観戦のレベル高いな。座席という、定点から観る概念をぶっ壊してる。
「じゃあ俺も一緒に観ていいか?」
「もちろん!」
「一緒に観ましょう! 父様」
「あぁ、この大会を楽しもう」
さて、第2ブロックは誰が勝つのかな? 楽しみだ。
初っ端クソみたいな短歌(?)失礼します。
.....あ、書くことありません。
え〜っと.....た、楽しめましたか?楽しんでくれたら、幸いです。
次回は、ゲーマーにとって大切なお話.....になります?
よし、敢えて予告しましょう。
次回、『ゲーマーの信念』です!お楽しみに!
はい。きっと予告通りにはいかないでしょう。それが運命です。