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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第4章 第1回イベント:武術大会
100/492

武術大会予選前 中編 旧友との挨拶

記念すべき100話に、ユアストと9割方関係ない話を持ってくる作者がいるらしいです。


 



 ユアストで宿屋に戻り、ログアウトした俺はVRヘッドセットのゲームソフトを入れ替える。



「久しぶりだな。FS(ファイアーシュート)



 俺の数少ないゲームでのフレンド、『4thenA(アテナ)』『Piggy(ピギー)』『翔タイム』は元気だろうか。



「よし、水分取ったしトイレも行った。ゲームスタート!」



 やる事はやったので、FSを起動させる。



『Fire Shootへようこそ! こちらのデータでログインしますか?』



 機械音声が流れ、『アルテミス』の文字が点滅している。


 文字をタップすると、アバターが出てきた。


 身長はリアルと同じで、金髪に紅い目のアバターだ。



「そうそう、これこれ」



 このアバター、アイツらには吸血鬼スタイルとか言われたっけな。



『アルテミスさん、おかえりなさい! 私達はあなたの帰りを待っていました!』



 ん? 俺、このゲームは陽菜にバレないようにしながら3年ほどやっていたけど、初めて聞くセリフだ。



「あ、はい。ただいま?」


『では広場に転送する前に、感覚をお確かめください』



 俺の返事は虚空に消え、今までによく聞いたセリフが帰ってきた。



「......よし、問題ない」


『では広場へ転送します。Let's enjoy!』



 視界が光で埋め尽くされ、目を閉じる。




 そして再び目を開けると、現代都市風のエリアの大きな公園に立っていた。



「......ここも久しぶりに感じるなぁ。ユアストが時間経過8倍とか頭おかしい設定のせいで、こっちの感覚が薄れるところだ」



 っと、感傷に浸るのは後にしよう。とりあえずフレンドリストの確認だ。



「フレンドリスト、オープン」



 そう口に出すと、空中にタブレット端末が出現し、画面が映る。



「お......いるねぇ」


「え、アル? アルなのか!?」


「ん?」



 フレンドリストを確認してたら、後ろから声が掛けられた。



「ふんふん、その身長、青い髪に青い目は『4thenA(アテナ)』か?」


「そうだぞ! ひっさしぶりだなぁ! 元気にしてたか?」



 うわぁ、俺泣きそう。久しぶりに会う友達ってこんな感じなのかな。



「元気よ元気、超元気」


「それは良かった。お前、急に『面白そうなゲーム見つけたからいんた〜い』って言って、マジで引退したから驚いてたんだぞ?」


「ははっ、そう言えばそんな事言ってたなぁ。ほらアテナ、知らないか? ユアストってゲームをさ。アレにどハマりしたんよ」



 何気なしにユアストの事を聞いてみた。



「勿論知ってるぞ。ってか明日大会あるんだろ? cmでやってたぞ」


「マジ? cmやってんの? 最近テレビ見ないでずっとユアストやってるから知らなかったわ」


「相変わらずぶっ続けでやってんのな」


「いや〜、これでも徹夜はしなくなったんだぞ?」



 昔は陽菜といる時は別のゲームをやってたからな。夜中しかFSはやれなかったんだ。



「あ〜あれか、幼馴染のやつか。そういえば引っ越したんだろ?」


「......そうだな。引っ越した先で、その幼馴染に出会ったがな」


「は? マジ? お前の運どうなってんの?」


「いや〜それがさ、なんとその子、俺についてきちゃってたらしくてな。俺とその子、両想いでして.....今は付き合ってんだよね」


「えぇぇぇ!? あ、あのアルに彼女!?」


「うっさ」



 確かにFS時代の俺は女っ気どころか、友達が1人もいなかったからな。



「これは......天変地異来る感じ?」


「こねぇよ。それよりさ、久しぶりにこっち来たんだから、アレやろうぜ」


「お、殺るか?」


「殺る殺る〜♪」


「勿論あっちだよな?」




「「ワールドマッチスクワッド」」




「だよな! アルは分かってくれて嬉しいぞ!」


「逆に分からないやつがいるのか? それとアテナ、お前のランク幾つ?」


「上から2番目、オリハルコン」


「ナイス。そっちリーダーで行くぞ」


「おk」



 ワールドマッチスクワッドとは、最低1人から最大6人の部隊からなる、総勢100人で行われるバトルロイヤルモードの名前だ。


 そしてこれは、普通のバトルロイヤルとは違って、『ワールドマッチ』の名前が付いている。


 ワールドマッチは文字通り、世界中のプレイヤーと戦う事になるのだが、普通とは違い、『同ランク』のプレイヤーのみと戦うのだ。

 そのため、上に行けば行くほど戦いが激化する。




「にしてもFSも久しぶりだが、オリハルコンとかもっと久しぶりだわ。いっつもアレス(最上級)だったからな」


「いや、これでもずっとアレス維持してたんだぞ? ただちょっとハンドガンで遊んでたら負けて、オリハルコンに落ちただけだ」


「まぁ、分かる。同ランクとはいえ普通に勝てるからな。遊びたい気持ちはよ〜く分かる」


「アルもワイヤートラップで遊んでたもんな」


「あぁ。でもお前と違って俺はちゃんとキルしてるから」


「......お前がおかしいんだよなぁ。なんで銃縛りでやってんのに、ポンポン15キルとか20キル取れるんだ?」


「相手の逃げ道の首の辺りにワイヤーを仕掛けるだけの、簡単な仕事をしてるからな」



 相手が罠を認識してから行動に移し、油断したところに、もう1つ張ってある罠にかける。


 これだけで敵は、俺のキルポイントになっていくんだよな。




「キモイ。仕掛けるだけでもキモイのに誘導まで完璧だから、マジでキモイわ、その技術」


「最早褒め言葉だよな。『人力チーター』とか、『強くすぎてキモイ』ってのは」


「だな......っとマッチングしたな」



 目の前が光に包まれる。



 そしてまた目を開くと――




「ひゃあ!! この空気、懐かしい!!!」


「俺も久しぶりだわ、この島」



 どうやらアテナはマップをランダムにしてたようだな。



「島か、島ならアレをやれるな」


「アレ?」


「そう、アレ。凸砂だ」



 スナイパーライフルを持って突撃し、近距離でキルをするスタイルだ。


 ま、スナイパーライフルの拾えるかは運次第だが。



「あ〜......今回はやめとけ」


「え? どうして?」


「アレを見て、砂を使う気になるか?」


「ん?......げっ」



「久しぶりだね! アル! アテナは......絶対殺す」



Piggy(ピギー)か......なら砂はやめよかな」



 俺達の前に、ピンクの髪に赤い目をした、身長155センチくらいの女がいた。名前はピギー、子豚だ。......痩せてるけど。


 これでも元世界ランキング11位の猛者だ。



「あのねぇ、それはこっちのセリフだよ? アテナが居るから近距離は負けるし、アルがいるならほぼ全距離負けるかもしれないんだけど」


「ダイジョブダイジョブ、俺、復帰したてだから。弱いから」


「「ダウト」」



 あれれ? アテナにも信用されてないぞ〜?



「2人とも酷いな......ってかあと1分で始まるのか。なんか話そうぜ」


「もちろん! これだけ元ランカーが集まったら、今回はバチバチの戦いになりそうだね!」


「どうだろうな。アルと翔の両方が居なかったら、激化しただろうけどな」


「「元8位が何言ってんだか」」



 自分で戦いを激化させる癖に.....



「うるせぇ! 今は85位だ! 文句あるのか!」


「私63位だも〜ん」


「俺ランキング外だも〜ん」



「1人、論外がいるねぇ?」



 俺達が楽しくお喋りしてたら、急に割り込まれた。



「「「翔!」」」




 そこにいたのは『(ショー)タイム』だった。


 俺達からは『翔』と呼ばれ、海外では『ジョーカー』と呼ばれる男だ。元世界ランキング23位の、戦略で戦うタイプの人間だな。


 銀髪に青い目をした、中々なイケメンさんだ。




「や、久しぶりだねアル。アテナと豚は、そうでもないよね?」


「豚言うな。消すぞ?」


「すんません」


「許さん。貴様ら3人とも頭が消し飛ぶ覚悟をしときな」


「俺とアテナはとばっちりなんだよなぁ」


「ほら、そろそろ始まるぞ。対よろ」


「「「対よろ」」」


「ま、俺とアルはスクワッド組んでるけど」


「「真っ先に潰す!」」


「「こわ〜い」」



 どうやら俺達は、真っ先に狙われるようだ。




 そして試合が始まると、俺達が話していた小島から、大きさ40×40キロメートルの島に飛ばされた。




「うわ、ここ中央付近の集落じゃん、めんどくさ」


「アルはよく覚えてんな〜、風景とかで分かるもんか?」


「分かる分かる。ってか風景分からんと草に伏せてる敵、見つけられんぞ?」


「俺は近距離専門なんでいいで〜す」


「舐めプ乙」



 確かに遠距離戦専門の方が、遠距離の索敵は上手い方がいいだろう。

 だが、自分が近距離専門だからと言って遠距離で戦えなかったら、遠距離戦闘になった時にお荷物になる。



「ま、今回はお荷物にはさせんよ」


「アル頼りで生きていく俺、賢い」


「黙れデコイ」


「ひっど」




 そうして話しながら、俺達は集落で物資を調達した。




「キル取りに行くか。アテナ、武器なに?」


SMG(サブマシンガン)AR(アサルトライフル)


「中近距離か、把握。俺ARとDMR(マークスマンライフル)


「って事は突撃?」


「もろチン。ピギーと翔が来る前に他のやつ片付けるぞ」


「オケアノス」




 俺とアテナは、中央付近の集落から北に2キロ進んだ先にある、大きな街を目指した。




「移動中暇だから話すけどさ、なんで復帰したんだ?」


「ん? 索敵しろよ。それと復帰の理由は単純だ、俺の頭の再確認」


「再確認?」


「そ。1対1での高速状況判断、戦略の構築、思考から行動までの速度の再確認」


「えぇ? なんでそんな事するんだ?」


「最初の方に聞いたろ?『ユアストを知ってるか?』って。俺、ユアストの武術大会に出るからさ、対人戦の練習だよ」


「へぇ〜そうなのか。名前は?」


「ルナ」


「へ? ルナ? お前、マジで?」


「え、何。俺そんな有名なんか?」


「当たり前だろ? ルナの出た公式生放送の同時接続人数、100万人超えてたんだぞ? ちなアーカイブは1000万回再生されてる」


「やっば。ってかよく覚えてんな〜」



 アテナの記憶力にビックリだ。



「いやだってさ、今の俺、ルナの戦闘を見てユアスト始めようか考えてるんだよ」


「マジかよ。どうだ? 本人が横にいる気分は」


「.....お前それはここでしか言えねぇだろ?」


「当たり前じゃん。あっちでこんなん言ったら炎上するわ。......掲示板見たことないけど」


「.....ま、お前はそういう奴だよな、知ってるわ。んじゃあ武術大会の放送見て、お前の戦闘を見て、どれくらいユアストが難しいか判断してから買うか決断するわ」


「そうか。でももしユアスト始めても一緒にはやれんぞ?」


「なにゆえ? 結構楽しみにしてたんだけど」


「彼女と娘(仮)と遊んでるから」


「クソが、消えろ」



 アテナがそう言ってナイフを投げてきた。



「あっぶね! 殺す気か!」


「なんで反応できてんの? 殺す気だったんだけど」


「今のは死を感じたからな、余裕だ」



 冷や汗かいたわ、全く。



「それで、お前に娘がいるのか」


「あ、自分で話戻すんだな。それで、娘とは言ったが本当に(仮)が付くぞ」


「なにゆえ?」


「テイムしたモンスターだから。どのモンスターかは言えん」


「マジ? モンスターってテイムしたら娘になんの?」


「いや知らん。俺はたまたまそうなっただけだ」


「へぇ〜......お、もう着くな。ここ、ピギーのお気にだろ? 大丈夫なのか?」




 おっと、話していたらもう着いたようだ。




「のーぷろぶれむ。射線は全て切りながら行くからな。どうせあいつ、3番目に高いビルに居るだろうからさ」


「よく知ってんなぁ。お前、隠れてFSやってたのか?」


「マジでやってねぇっての。運営から『おかえりなさい! あなたの帰りを待ってました!』って言われたから」


「マジ? そんなの聞いた事ねぇな」


「マジ......っておい、その陰から出るなよ? 多分見られてるぞ」


「は? 嘘だろ?」



 今いる場所は3番目に高いビルから射線が通る場所だ。丁度アテナが2歩、前に進めば撃たれるだろう位置だな。



「疑うならデコイどうぞ」


「嫌だ、怖い」


「だろうな。ほいこれ、ドール(デコイ)やるから、投げてみ?」



 ドールは投げて使うものだ。


 ドールを投げて、地面に着弾すると、自分のアバターそっくりの人形が出現するレアアイテムだ。



「よく拾ったなぁ。運良すぎ。じゃ、有難く」



 そう言ってアテナがドールを日向に向けて投げる。すると――



 バガァン!!



 ドールが粉々に散った。



「ほらな?」


「お前、チーターか?」


「いや、『俺ならこうする』ってのをお前に言っただけだ」



 俺が3番目に高いビルにいたなら......

 俺がスナイパーライフルを持っていたなら......

 俺がこの距離(300m)を狙えるなら......


 そういう、自分の状態や経験と照らし合わせた結果で、ピギーの位置と射線を予測したのだ。



「さ、今のは確定でピギーだな。どうする?」


「俺近距離せんも〜ん」


「クソが、そのアサルトライフルは飾りか?」


「うん」


「認めんな」



 一応、アサルトライフルでも300メートルならギリギリ狙える。

 ただ、偏差射撃をしないといけないので、かなりの高等テクニックが求められるが。



 ......これ、ユアストの魔法にも役立ちそうだな。



「じゃあスモーク焚いて前出るぞ。3つ目の家を左に曲がったら、そのまま直進で」


「おk」



 昔の記憶からこの街の地形情報を掘り返す。




「GO!」


「おk!」



 俺達は真っ直ぐには走らず、ジグザグに走る。こうして進むことで、目の前の敵の照準を外す事ができる。


 これもユアストに活かせるな。



「よし、直進!」




 そうして進むと、3番目に高いマンションに着いた。



「ほら、こっからはお前の出番だぞ」


「わぁ〜ってる。アイツに近距離で負けたら、俺泣くから」


「それはそれで負けてみて欲しいが......あっ」



 閃いた。閃いてしまった。



「どうした?」


「やばいな。逃げるか?......いや、戦うか」


「ん? どうした〜?」


「いやな、翔とピギーがスクワッド組んでる可能性が出てきた」


「は? それヤバくね?」


「やばい。遠距離の猛者と戦略の猛者だぞ」


「まぁ、こっちにはアルがいるから」


「その信頼は嬉しいけど過信するな。復帰後なんだからまだ不安定だと思うしな」


「嘘だな。お前、あっち(ユアスト)でも常に考えながらモンスターと戦ってたろ。フェンリルの時の動画見たら一目瞭然だ」



 まぁ、そうなんですけどね!!



「......はぁ。しゃーない、アレやるか」


「室内戦でアレって言うと、ワイヤーか?」


「ピンポーン、正解〜」


「でもあいつらならお前の癖ぐらい知ってるぞ?」


「何言ってんだ、その程度で俺の罠から抜けれるくらいなら、アイツらは俺より上のランキングのはずだ」


「うわ〜、後で聞いたら発狂するぞ、アイツら」


「知〜らね、俺はユアストに帰るもんね〜」




 軽口を叩きながら罠を設置していく。非常階段に1つ、入口に1つ、エレベーター前に1つ。これで退路を断つ。


 そして、観葉植物の間に2つ。その先に1つ。観葉植物の方は、1つは目立つように設置しておく。これは陽動だ。




「翔なら変に裏取りはしないからな。するっと認識しにくい形で来るだろう。それなら予め、片方がこの階に来ることを想定して、足元に2個置いてその先にも仕掛けとけばいい」


「......エグすぎ。解除させて油断したとこを、足斬った後に首もってか?」


「いぇ〜す。さ、後はどうする? 呼び込むか、戦いに行くか。アイツらの事だし、ここの1階上と思わせて2階上にいるだろうからな」



 今いるフロアの1階上は、窓ガラスが予め割れていて、そこから銃口を出せるポイントがあるのだ。


 だから本来は、『銃口の出せる場所に居る』と考えるだろう。



 でも翔はその裏をかき、さらに1つ上の階に陣取り、罠を張っていることだろう。



「突撃するか。っていうか残り人数的に、ピギーと翔でラストじゃん」



 残り人数4人。俺とアテナ、ピギーと翔だな。



「は? うわマジだ。俺達0キルなんだけど」


「しゃ〜ない、次は4人で殲滅しよう。アテナ、後でフレンドチャット送っといて」


「あいよ〜」


「じゃ、先行よろ」


「任せろ。2秒で殺る」



 頼もしいな。なら俺はグレネードの用意をしておこう。

 ここで下手に銃で撃つより、完全にアテナの援護に回るのが正解だろう。


 ま、それはピギーと戦う場合の話だが。




 そして2階上のフロアの扉を開き、アテナが突撃する。




「オラァ!! ピギー死ねぇ!!」


「させないよ?」



 突撃していったアテナに、天井に張り付いていた翔がワイヤーを持って飛び降りてきた。


 う〜ん、予想済み。


 で、この間にもピギーはスナイパーライフルのリロードしてんだろう? あの銃声のスナイパーライフル、1発リロードすんのに5分かかるクソ仕様だもんな。


 その分、威力は頭おかしい程高いけど。



「ほい」



 パン! パパパン!



「ぐふっ」



 まだ空中にいる翔にアサルトライフルで、頭に弾をぶち込む。



「あそこかな? ほ〜い」



 持っていたアサルトライフルを捨て、速攻でグレネードに持ち替え、ピギーが居るであろう場所に投げる。




 ドゴォォン!!



「いないか。銃も捨てちゃってまぁ」


「......っとお疲れ。翔は殺ったな」


「うん。お疲れ。それとこの試合、勝ったな」


「は? まだピギーが残ってるだろ?」


「あぁ、あいつ今、ここの2階下にいる」


「............あっ」




 -----------------------------

 ピギーside



「やっばすぎぃ!!!」



 アル、マジでなんなの!? なんで天井にいる翔まで予測してんの? キモイよ!



「ギリギリで掴まれたのは良かった」



 アルのグレネードが爆発する直前に、私は下の階に続く穴から下に落ちた。


 そして落ちた先はあそこから2階下のフロアだから......このまま逃げる方がいいよね。



「うわぁ、非常階段が罠まみれじゃん」



 最早ワイヤーで敷き詰められてると言ってもいいくらいに罠が張られてた。



「エレベーター......もダメか」



 なら窓から降りて、パイプ伝いに下に降りて逃げよう。



 そう思い、窓の前まで行こうとしたが、目の前の高さにある1本のワイヤーを見つけた。



「甘いね〜アル。これだと逃げれちゃ......」



 ワイヤーを解除して、足を前に出した瞬間、足元にあるワイヤーによって足が斬られ、体が前に倒れる。




 そして倒れた先の首の位置にワイヤーがあり――




 -----------------------------

 アル(ルナ)side





 ━━━━━━━━━━━━━━━

 Your win!!!おめでとう!!

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「はい、gg(グッドゲーム)


「じ、gg......」



 多分、俺の仕掛けた観葉植物の3重トラップにかかったんだろうな。



「お前の作戦、やっぱり気持ち悪いな」


「だろ☆」


「うん。何手先まで読んでんだ?」


「さぁ? 殆ど感覚だから知らない。でも今回は、ドールが爆散した辺りからこれは考えていたかな」


「キッ持ち悪!!」


「ふっ、このゲームは戦略ゲーなのだよ」



 ワイヤーを沢山持ってたら、ね。



「さ、広場に帰るか。今日はあと1回4人でやって、それでログアウトしてユアストに帰るわ」


「おk。アイツらにチャット送っといたわ。すぐに来るってよ」


「あいあいさ〜」

いや〜アル君(ルナ君)のトラップ技術、とんでもないですね。道を塞ぎ、その先にも仕掛けられている合計3重のトラップ。アル君のこのゲームの適正、やばいです。



さて、Your storyの投稿を始め、45日が経ち、無事に100話目の投稿となりました。

.....ここまでしか文を考えていませんでした!!


まぁ、これからもゆる〜く、ユアストをお願いしま〜す。


次回は4人でやったあと、ユアストに戻ります。



ではでは〜

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