春の色覚【春の詩企画】
それはおだやかでやさしくて、
ぼやけた輪郭に、ふわっ、と流れた色。
おまんじゅうのピンク色が、
あまったるい黄色が、
くすぐったくて。
たとえば、
「さえずり」と「あざけり」は、形は似ていても色が違う。
それなのに、この季節には違いがないの。
ぼんやりとして、やさしい色。なにもかもが。
きっと、専用のレンズで見ているんだね、
ミツバチを眺めながら、そんなことを思うの。想像するの。
そして、
夏のレンズを借りてきて、この景色を見ることができたらなって、
そんなことを思うの。
本作は「春の詩企画」参加作品です。
企画の概要については下記URLをご覧ください。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1423845/blogkey/2230859/(志茂塚ゆり活動報告)