03_村長、観光に悩む
どうも、ようやく村長の自覚が芽生えてきた村長です。
先日とある方から引越し挨拶もとい臨時収入をいただきまして、
隣町までの険しい山道と村の老朽化している建物を整備してみました。
・・・効果ですか?
年に数人しかいなかった訪問者が月に数人にまで増えましたよ。ええ。
この調子なら来月の税収は雀の涙からカラスの涙くらいに増えそうです。
ズシン
ズシン
「村長、こんにちは」
「こんにちは村長!」
こんにちは魔王もとい村人M。それに村人Aの甥っ子。
・・・あ。
そういえばこの頃 世にも恐ろしいものを見た とか言って教会に訪れる方がいるのですが、心当たりとかありませんか?
村長たるもの村人の悩みは出来る限り解決しなくてはいけないのでね。
「いえ?私はこの通り静かな村人生活をさせていただいております。
お陰様で何事も無く前職で受けた心の傷もだいぶ癒えてきました」
「僕も知らない」
それはよかったです。
何か不審な人物や物を見かけたらいつでも相談してくださいね。
・・・あ、そうそう。
村人Mのお金にいつまでも頼りきりではいられませんし、そろそろ観光客向けの収入獲得方法も考えたいと思っています。
村の外から来た方や子供の目から見て、この村に足りないものとか欲しいものとかってありますかね?
「同い年くらいの遊び相手!」
「勇者!」
・・・今現在の少ない住人と予算でも実現可能な案でお願いします。
「それじゃ村のマスコットとか。今そういうの流行ってるらしいよ」
「おお良いですね。グッズ作ったり着ぐるみの宣伝動画とか作れば外部に宣伝もできます」
グッズはともかく動画は世界設定的に無理ですね。
・・・しかし子供が親しみやすいマスコットを作るのは親子連れの集客に良いかもしれません。
それで、具体的にどういった感じのデザインが子供的にウケるのですかね?村人A甥っ子よ。
「とりあえず歳が近い設定の方が親近感湧くから好き。あとは勇者っぽいのが良い」
・・・子供なのに随分と的確なアドバイスですね。
そして2人が最初に希望していた人物像も満たせそうです。
では早速制作に取り掛かりましょう。
デザイナーとか発注業者とか色々手配しないとですし、時間もお金もかかるでしょうからね。
「あ。それなら私できると思います」
・・・え?
「前職でちょっと人間の町に潜入活動とか部下にさせていまして、人間社会に自然に潜り込ませるために服飾関係も勉強したんですよ」
・・・・・・・・・。
逆に何ならできないんですかね?