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wonder hole -last player-  作者: にゃこ
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ノック-2


ラファノ大陸にはルラ種族とマキナ種族がいる。それぞれ役割が決められており、決して交わることはなかった。タブーとされているのだ。


不思議に思ったコロッツィオはチェズに問いかけたが、それに関してはルラのこだわりらしいとしか返答が返ってこなかった。


チェズはかなり昔。それも暁の時代よりもはるか昔から生きており、そのタブーが侵されたことをたった一度しか目にしたことがないらしい。今までルラを依代としていたチェズは異例事態の始末のためその場に呼ばれたが、その混血の子を気に入ってしまい、次の依代として育てた。それ以来、自分の依代は混血の子と決めたのだ。

けれどもルラ達はそれを嫌がった。

交わることの嫌悪そして神の依代であった地位も取られ不服であった。ルラ達は条件を出し、それを了承することでチェズの依代はルラとマキナの合いの子となったのだ。


その条件は


・生まれた子は育てない。

・生まれた子の血族は残さない。


「え?了承したの?」

「あぁ。了承した。生まれた子は私が育てればいいわけだし、血族を残さないのも問題ない。次また産んで貰えばいいですから。」


平然と答えるチェズに少し恐怖する。

この人は優しそうに見えるのに、情とかそういうものはないのだろうか?ヒトをただの物と見ているように感じられた。


そして話は続く。


合いの子はフウゼツ・ミュタと名付けチェズはその子を依代にしてラファノ大陸を裏から支えた。それは暁の時代に起こった大陸戦争の時に絶大な力となった。そして、その出来事は始めてアベドが生きていることを認識するものであった。


「まさかあの女が依代を使い行動していたとは思っても居ませんでした。それにうまくヒトをまとめあげていた…私はあの女を甘く見ていました。」


チェズの知るアベドは

傲慢、我儘、自己中心的な人間であり、あそこまでの集団をまとめるなんて到底できない女であった。


「しかし、よくよく考えれば理解できことなのです。あの女は己の欲のためならなんだってする…。己を騙すことも厭わない…」


アベドの話はそこで終わった。というよりも、チェズ事態この世界で最後にアベドを知覚できたのは大戦の時だけで、それ以来は全く認識できていなかったのだ。

不思議に思ったコロッツィオがどういうことなのか問うと、監視魔法でも認知できないほどまでに魔力が弱ったらしい。


それ以来、ミュタはまた影に隠れ細々とラファノ大陸を支えた。けれどもアベドの存在を認知したことにより、世界の危機が迫っていることを意識し始めたという。

そこで、ラファノ大陸はオーランソ大陸を監視するため、使徒を送り続けた。今回こちらに来たのも使徒の報告のおかげらしい。


黙々と話を聞いていたコロッツィオ。

斜め上の内容ではぁ…ということしかできなかったが、一つ疑問に感じた。


「なぜあなたはそこまでしてこの世界を助けようとするの?前の話と繋げると、アベドはボスの命令に従って仕事してるんだよね?でもあなたは…」


真っ当なことを言われ、苦笑するチェズ。


「そうだね。君のいうとおり。アベドの方が職務を全うしているな。けれども、私はこの世界を…ヒトを長く知りすぎた。生きるものを自分たちの都合で排除するという考えにはもう賛同できなくなってしまったんだ…あの方が言っていたことが今ならわかる…」


よくはわからないが、まぁそれなりの理由があるということなんだろうと思った。


太陽はそろそろ次の大陸へ移動しようとしている。響く汽笛。もうそろそろ到着だ。


「それじゃ私はそろそろ隠れよう。この子が起きる。」

「あなたとのお話楽しかったわ。」

「ありがとう。できればこの子にもその楽しみを味わさせやってくれ。」


にっこり笑い、瞳をつむる。

コロッツィオが返答しようとした途端にフウゼツが大きなあくびをひとつ。眠そうな瞳を擦ってる。


「もうすぐ着くわよ。」

「あ…はい…あれ…ぼく…」

「寝てたわよ。」

「あ…す…すみません」


フウゼツは咄嗟に手を口に当てる。

その光景を見てコロッツィオが笑った。冷たい言葉が投げかけられるかと思いきや笑い声が帰って来たので驚くフウゼツ。


「謝んなくていいわよ。」

「あ…ありがとうございます。えっと…」

「コロッツィオよ。フウゼツ。」

「僕の…名前…。ありがとうございますコロッツィオ…さん」


恥ずかしそうにこれで良かったのか不安そうにフウゼツはコロッツィオの顔をちらりと見る。

少し呆れてはいたがそこにはコロッツィオの笑顔があった。笑顔を見て安心したのか、フウゼツも笑顔になったる。前髪で隠れてはいるけれどコロッツィオにはフウゼツの笑顔が見えた気がした。


その笑顔はとても嬉しそうでこちらも嬉しくなるような素敵なものだった。

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