〓みんなで鼻歌〓
ドラグーンからパゴロプステまでの一コマ。
木漏れ日がキラキラ眩しい昼下がり。暑くもなく寒くもなく本当に心地がいい。魔物退治で潤う財布。それに手に入る宝物心も体も幸せで満たされる。なんだか気分は踊りだしたくなるくらいハッピー。こう言う時は足も浮き立つ。
「あー!その歌知ってるよ!」
そう言いだしたのはマリー。
キシュの芯が通った力強い声と細く軽やかな声が混じり合い美しいハーモニーが辺りを包む。
「マリー歌上手い!」
「へへ〜。いつもコロッツィオと歌ってたんだよ〜」
「コロッツィオも歌うの?」
「私はこれで!」
そう言ってカバンから取り出したのは小さな横笛。そっと口に当てると溢れる美しいメロディ。つい合わせて歌ってしまう。
1人で歌っても楽しいのに、複数人で歌うともっと楽しい。こんな経験は初めてだった。
「えー。なになに?めっちゃ上手いじゃん。」
そう言って少し離れた街から帰ってきたサマーティーとジョージ。
手に持っていた冷えた水と少しのお菓子をみんなに配った。
「その曲なら俺も知ってるな…」
「え?!ドラグーンでも歌われてたの?」
「あぁ。」
「ならジョージも一緒に、歌おうよ〜!」
「え…」
ニコニコと屈託のない笑顔でマリーとコロッツィオがジョージに迫る。
コロッツィオがにたにた笑ってメロディを奏でてマリーが歌いキシュもそれに合わせる。
困ったジョージだったが3人のしつこい勧誘に折れ、口を開ける。
普段の低く落ち着いた声とは違った少し高くしゃがれた癖のある声を聞いたら虜にならざる得ないだろう。
皆ドキドキしてジョージの歌に心を奪われる。
「って…あれ?俺だけかよ…?」
「ちょーーー!!ジョージ歌うますぎ!!!」
わー!!と興奮する4人
「いっがーい…ジョージもはやシンガーレベルじゃん…。トップスター狙えるよ…」
「うんうん。わかる〜!!あたしぜったいファンになる〜!!」
「何訳のわからんこと言ってんだ…」
気だるそうに冷めた瞳で返事する。
マリーとコロッツィオはそんなジョージにキャーキャー言っている。
キシュはそんなやりとりをニコニコと見ている。まるでコントを見ているようだ。
「すげぇな…顔もいい。性格もクールおまけに歌も上手いとか…叶わねーわ」
むっすりしながらサマーティーがキシュにつぶやく。
「そうだね。ほんとかっこいいよね〜」
「えっ!!!キシュは歌上手い人好きなの?!!!」
我を忘れてサマーティーが大声を出す。
「うっさいわね…」
「なになに〜?サマーティー!キシュのために歌っちゃう??」
ニヤニヤと言い寄るコロッツィオに我にかえると顔を引きつるサマーティー。
「いや…おれは…いいわ…」
マリーとコロッツィオがどんだけヨイショしてもサマーティーの首は縦にふられることはなかった…
とにかくジョージが歌激ウマ、サマーティーは音痴というお話です。
ジョージの歌声は1975をイメージしてます。




