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wonder hole -last player-  作者: にゃこ
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探り合い-2


大剣を振るうサマーティ。

空からの攻撃を得意とするジョージ。

ともに戦うのに不足はない。


ーあの男あれからだいぶと強くなってる。

ーそれにもう一人の…よく見たらドラグーン国防軍の一人じゃないか?


笑いが漏れる。


ー…回復系いないじゃん…。


振り下ろされる刃を軽い身のこなしでかわす。

男二人でも互角…文月はそれでも余裕を感じれた。

文月は無月の中でも高い方。


構えを取り、集中する。

呼吸を整え、瞳を瞑る。

三数え、ゆっくり瞳を開ける、右足に力を入れ、左足を踏み込み大股で大地をかける。サマーティ・ジョージはその気配から道をとっさに譲っている。


感謝。


焦る文月。

彼女は知っている。

この攻撃が危険だということを。

逃げるのが遅れた。


サマーティーたちの対応でミンキュを見ていなかった。文月が取れるのは構えること。そして仲間に助けを求めることだけだった。

神無月は勿論前から、ミンキュの行動を把握して、攻撃の前に防御魔法を唱え終えている。しかし、脆く崩れる音が聞こえる。防御魔法は崩され、ミンキュの左足が頭上から降りてくる。両の斧で頭を守る。衝撃がすごい。そうこうしてる間に、空で回転し体制を整え、次の攻撃を仕掛ける。構えていた両斧にミンキュの小さな手が触れたと思ったら首を両足で挟まれ、気がつけば目の前には空。そして身体中に走る衝撃。胸ぐらを掴まれそうになったところを斧で狙うもかわされる。


その戦いっぷりに驚くサマーティー。

ドビッシの祠で一戦交えた時とレベルが違う。

当然窓から戦いを眺めるゼルベルダ達も驚いた。


「あの動き…」

「懐かしいわね…。」

「そうだな。しかしあんな小さな娘から見れるとは思わなかった…。」

「そうね。けど、仲間割れかしら?」

「だろうな…。いい方向に転んでいる。」


ジョージはこのメンバーで自分の立ち位置を考える。どう考えても魔導が苦手なパソナの少女。魔力はあっても攻撃強化しか出来なさそうなサマーティー。自分がサポートに回る必要がある。


「あまり得意じゃないんだがな…」


特殊魔法の演唱を始める。

これをしている間隙だらけになるし、唱えたあとの疲労感が半端ない。ふと頭にビッツの顔がよぎる。


ジョージの防御魔法が二人に降りそそぐ。


「サンキュー!!」


ミンキュに負けじとサマーティも走りこみ、剣を振りかざすも、斧に止められる。


「ばーかっ!太刀の動きばればれだっつーの!!」

「わかってるしっ!」


文月の斧とサマーティーの剣。

お互い力で押し避けようとするも。どちらも引き下がらない。文月は少し苦しそうだ。サマーティーはその表情を見逃さない。力を更に入れ、文月の身体を刃がなでる。

飛び散る真っ赤な血。


「…そらそうか。」


それでも文月の身体には思っていた以上の攻撃は与えれていなかった。神無月の魔法だ。


とうとう文月の膝が地面につく。

その前に神無月が歩み寄る。


「少し休め。」

「いいっつーの。あんたはひこんで、あたしのサポートしてればいいんだよ。」

「してそれだろ。お前は魔法を受け付けにくい体質でやりがいがない。」

「っさい。」


差し出された手。

残った力で叩く。


その場を神無月に任せることにすると突如睡魔が文月を襲う。傷は思った以上に深かったのだろうか?文月は不思議に感じながら眠りにつく。神無月が武器のロッドを取り出し、ふと目を逸らした。その視線の先にはゼルベルダがいた。

急に見られたことに驚くゼルベルダ。気配を極力無くし見ていたのに気づかれた。その視線はあたかも自分の存在について記憶しておけと言わんばかりだ。


唱える演唱魔法の長さは魔法の威力と比例する。次に来る魔法攻撃に備える必要がある。ミンキュは知っているこの魔法の恐ろしさを。けれども対策も知っている。


「ドラグーンの騎士!!私を抱えて飛べる??」

「ちょー!?俺は?!」

「いまこっちは魔法つかえるのがいないでしょ?!少しでも被害を抑えるの!悪いけど頑張って!!」


ジョージはその案にのり、ミンキュを抱える。


「ちょー!まじー!?」


大地から飛び上がると同時に大地が激しく揺れ、地が割れる。足元をすくわれサマーティは大地の揺れへと巻き込まれ、ボコボコに殴られている感じで身動きが取れない。ジョージが降り立った時にも魔法効力は続いている。少しばかり攻撃は受けたがサマーティの比ではない。


「おつかれさん」


サマーティの前に回復剤が手渡される。


「酷いだろ。」


半べそのサマーティ。


「お前だから任せれたんだよ。」

「そうです。」


2人がフォロー。案外息が合っている。


ーおかしい。


ミンキュは神無月の行動を疑問に思った。

なぜ対策のとれる魔法をわざわざかけたのか理解できないでいた。それからも神無月の攻撃は続いているが

どれもこれも魔力消費量の激しい時空魔法ばかり。


闘っているうちにわかっる神無月の意思。

これは意味のない争い。うわべだけのもの。


当然すぐに魔力を回復しないから底に着く。

攻撃をやめ、ミンキュを見つめる。

ミンキュも攻撃の手を止め見つめ返す。

少しの静寂が場を包む。

先に逸らしたのは神無月だった。

文月をおぶり、その場を離れた。



「どういうことだ?あの青年。時空魔法を唱えたぞ…」


先ほどの神無月の繰り出す魔法に驚気を隠せないでいる、ゼルベルダとメグ。


「時空魔法を扱える種族は限られてるわ…。」

「まさかあの子サーか?レルエナは一体どうなっているんだ…。なぜサーの子が…」


ゼルベルダの視線の先にはこうべを垂れる少女。


「あの娘に聞くしかない…か。」

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