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wonder hole -last player-  作者: にゃこ
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休息−3


一人一人の病状を確認しているのは医者とは言えない女性。とても大人っぽくてフェロモンがムンムン出て、スタイルも抜群。長いスパイラルのかかった髪をトップで一つにまとめている。白衣といえば白衣なのだろう。白のチューブトップにロングスカートを身に纏い、よりいっそう医者には見えない。どこかの踊り子だ。しかし、そんな見た目とは裏腹に彼女の医者としての技量は確かなものだった。的確に優先順位をつけ、患者を診察する。一番ひどかったのは、マリーだった。その次にコロッツィオ。2人とも自分が持つ魔力の極限まで使い果ててしまったようだった。ある程度安静にする必要があった。彼女は鞄から注射と点滴を取り出し、手際良く処置する。次に彼女はピンクの髪の少女のところへ向かった。眉間にしわを寄せていたように見えた。彼女は塗り薬と包帯を使い、処置した。そして最後にキシュ。

キシュは体力の限界で、倒れたようだった。マリーたちとは別の点滴を処置してもらっている。彼女いわく明日には目覚めるだろうとのことだ。


「これで処置は全員終わったわ。様子を見に明日も正午にお伺いいたしますがよろしいでしょうか?」

「もちろんお願いします。」


やっとひと段落。

医者を見送ったメグはみんなのいる二階へと戻ってきた。ふと時計を見ると正午前。一息ついてすぐに扉へ向かう。


「さぁ!あなた達も休みなさい。ずっと見てて疲れたでしょう。すぐにお昼の支度をするわ。」


笑顔でそう言うと、メグは台所へ駆けて行った。


「それで…何があったんだ?」


3人が階段を降りて一階へ降り、食卓へむかうと同時にゼルベルダが切り出した。


「今回のお前の仕事はグビドから聞いている。何事もなければ、とっくに終わっていいはずだぞ。」

「俺だってそうだと思ってた。けど、なんか追われっちゃってんだよ…。」

「!追われてる?どういうことだ??」

「そんなのこっちが聞きたいよ。対象物を取りに行こうとしたら、鉢合わせしてそっから、追われっぱなし。」

「何者だ?」

「たぶんレルエナ帝国…。」

「レルエナ?!」


ゼルベルダは驚いた後、考え込む。今回の仕事は本来ならグビドがやらなければいけなかった。けれども、今回ばかりは無理だった…。それもこれもアベド信者の阿呆達とレルエナの不穏な動きのせいだ。アベド信者の裏に必ずいる黒幕。グビドはその調査をしているが、中々うまく進んでいないと聞く。そして、サマーティーたちが追われているのはレルエナ帝国…。嫌な気持ちが渦巻く。


3人は一旦椅子に腰掛ける。ゼルベルダがグラスに水を注ぎ、サマーティーとジョージに差し出した。サマーティーの母親が、食事を運びおえ、席に座った。


「それで、俺ら正規ルート通れなくて、遠回りして…。でみんなと出会ったんだ。」

「ほう。」

「マリーは生き別れた両親を探しに、コロッツィオはそのお供。そして…」

「俺は弟を治してもらうためにグビドを探している。」

「グビドを?あいつは怪我を治すとかできないぞ?」

「キシュも不思議がっていたが、伯父上…国王がグビドに助けを求めろと仰って。」

「ふむ…。国王が…。君の弟はどのような病状なのだ?」

「精神の深部を魔法で傷つけられて、意識が戻っていません。」

「精神深部??そんなこと現代魔術では不可能だぞ。何かの間違いでは?」

「そうであってほしい 限りです。グビドに会って…できれば、弟を見てほしいのです。そのために俺は彼に会わなければいけないのです。」

「グビドはすぐに会えるかしら?」

「俺の仕事が終わったら、連絡して落ち合うことになってるから、会えるはずだけど…」

「あいつも今仕事がたてこんでる…。少し時間はかかるだろう。」

「そうですか…」

「あ!紹介遅れましたね。わたくし、サマーティーの母のメグと申します。」


差し出された手を取り握手を交わす。柔らかな小さな手だとジョージは思った。外見からして、きっとパソナ系の人種。ゼルベルダはマキナ系だろうことがわかる。


目の前には美味しそうなパンとスープとハムと卵が並んでいる。

お口に合うかわから無いけど…と苦笑するメグ。そんなことは無いと答えスープを一口。自分好みの味で驚く。


「これ。ものすごく美味しいです。」

「ほんと?良かったわ!」


どれも美味しくて一気に口へ運んだ。

するとどうだ。安心しきって、疲れがどっと押し寄せる。メグが部屋に案内してくれた。フカフカのベッドが心地よい眠りを誘う。


サマーティーも同じように自分の部屋で眠りについたようだ。ゼルベルダとメグは応接室のソファへと腰掛ける。


「どうゆうことなのかしら?」

「まったく不可解だな。」

「グビドの割り込みの仕事。サマーティーたちが敵に追われてること。ジョージ君の弟さんの不可解な病状。偶然とは思え無いわ。」

「それは巫女としての感か?」

「なに言ってるのよ。私にそんな力ないことは知ってるでしょ。」

「悪い悪い。冗談だよ。」

「ほんっと。あなたっていつになってもその性格変わらないわね。」

「こればかりはね。」


メグのムスッとした表情を微笑んで眺めるゼルベルダ。


「ゼーダ。何にやついてるのよ?」

「ん?おまえのその愛らしさは変わらねーなって。」

「はいはい。どうも…」


呆れて空返事を吐く。


「それよりも、この事、グビドに伝えておいたほうがいいんじゃないかしら?」

「そうだな。何かあってからでは遅い。メグいけるか?」

「少し時間はかかるけど、大丈夫?」

「問題ないさ。」


そう言って、メグは地下室へと向かう。ゼルベルダは後ろ姿を見送り、二階へ上がり、キシュが眠っている部屋の扉を開け、キシュのベッドへ向かい、顔を覗き込む。


「こんなにも大きくなったのか…。あの子に似ている…。」


髪を優しく触れ、昔の出来事を懐かしむ。


「何事も起きなければいいのだが…」


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