〓相入れる者たち-4〓
月が上り太陽が登りを3日繰り返し、その違和感は確信へ変わっていく。
魔力が徐々に強くなっている。
月夜に探知できる魔力が日に日に強くなっていたのだ。それと同時に月も満月へと近づいている。
安直だと僕も思っているが、確実だろう。
これは満月と同時に育っている
満月まであともう少し僕はすぐさま弥生に伝えると、もっと早く言えと怒られた。
ーなんで僕がこんな怒られなきゃならないんだ…
その日の晩イライラしながらも、仕事だから仕方なクマ力のする方を調査することとなった。何もない砂と岩の遺跡。所々に雑草が生えて汚らしい。
空の月はまだ東の方にある。
魔力が感じられる方へ歩いても何もない。
「何もないぞ。」
「なんだよ。僕を疑ってるの?」
「そんなこと言ってねーだろ?!」
あからさまにイラついている弥生。
イラつくのはわかるけど、僕に当てるのはやめてもらいたいものだ。僕はこいつのこういうところが大嫌いだ。
「ん?」
僕がそれに気がついたのは月が頭上に輝いた時だ。
それはなんの変哲も無いでかい雑草。月の光を浴び、僕の顔くらいある蕾が花開こうとしている
「弥生。これだ。」
「花?」
「そう。この花から魔力を感じる。」
「感じるって言っても、かなり微量だぞ。こんなもん持って帰ってもな…」
たしかにその通りだ。魔力が育っていると言っても弥生も感知できないレベル。
これを報告しても意味は無い。僕らは経過を観察することにした。
そうして僕らは満月を待つ。
日に日にやはり魔力は強くなっている。
満月になる頃には流石の弥生も感知できるほどに育っていた。それと同時に嫌な予感が募ってくる。
面倒ごとが起きそうだと。その予感はその日の晩に的中する羽目となる。
月の光を目一杯あび、日々大きくなる花はすべての花びらが開き、芳醇な香りが立ち込める。美しく月の光に照らされる真っ白な花。幾重にも重なる花びらはたいしたものだ。
「…とは言ってもそこまでの魔力ってことでも無い…」
「何かくる!!」
息を潜めるとそれはやってきた。
これまた大きな蝶だ。ひらひらと美しく舞う。
「こいつじゃないか?」
それの魔力は僕が知る限り、かなりの上位の強さだ。
けれども違う。こいつよりもあっちの花の方がやばい。そう考えている側で弥生が立ち上がろうとする。
「ばか!!あれじゃない!」
「うるせーぞ!!あれもなかなかじゃねーか。成果ゼロよりマシだろうが!!」
「やめろって!!多分今は動かない方がいい!!」
「あ??!またかよ!んじゃ姫はそこで待ってろよ!!」
そう言って弥生は飛び出し蝶を捕まえようと駆け出した。耳障りな言葉は僕の平常心を狂わす。
「あぁ?!!姫だと?!!あんっっのハゲ!!!」
僕が駆け出したその時だ…。
僕は見えた。ハゲが蝶に夢中になってる後ろを。
花は蝶を食っている
群がる蝶。それはあの花の餌…
なぜ食べる??
なんのために食べる?
あいつは日に日に魔力が成長していた。
なぜ?
答えは一つしかないだろ…
「ハゲ!!!!こっち来い!!!!!」
気付いた時はもう遅い…。
植物から大量の蔦が伸び、弥生は足を掴まれ、ひきづられる。
「っんだこれ??」
勢いよくものすごい力で引き上げられる。
弥生は必死の抵抗をする。近場の岩にしがみつく。
僕も必死だ。
植物には炎の魔法。印を組み、演唱する。
放たれた炎が蔦を焼き切る…
僕は驚く。
焼けない…!炎に強い植物なんて聞いたことがない…
弥生も驚く。
「お前の魔力で無理ってことか?そんじゃ…」
印を省略し、長い演唱で魔法を発動させる。
さすがザルアのエース。僕とは比べ用のない魔力。
「大丈夫?!」
僕が全力で駆け寄る頃には、弥生は自力で蔦を剥がしていた。
「おせーんだよ!って今はそれどころじゃねー」
自身が攻撃されたことに怒っているのか?
植物は勢いよく蔦を出した。
何が何でも僕らを食うつもりだ…
「本気出さないと死ぬね…こりゃ…」




