〓相入れるものたち-3〓
アデンドは遺跡が多く存在する地方で、領土は広いものの、雨季の少ない乾燥地帯で、作物があまり育たない。観光業だけがこの地方を支えている。僕の故郷と少し似た空気。
皇子所有の小型スカイバイクで2時間かけて到着する。
ルノアードーナ神殿も遺跡の中の一つだが、小さいし、ほとんど建造物は柱が数本残っているくらいなのでガイドブックにすら乗っていない。人気のない寂しい場所だった。こんな野原に強い魔力を探知とはどういうことなのだろう?疑問しか湧かない。
「お前感じるか?」
「んー。あんまり感じないね〜」
僕は魔力探知能力が弥生より高い。
弥生もそこはわかっているようでそこは信頼しているようだ。
「本当にここなのか?」
「知らないよ。何も感じられないし、もう帰るでいいんじゃない?」
「本当にお前は…」
苛立つ気持ちをぐっと抑え深呼吸する弥生。
「ひとまず、時間帯によってどう変化があるか調査するぞ…」
「はいはーい。」
そう言って僕はスカイバイクからパラソルとイスを取り出し待つことに。
弥生はあっけにとられ、今にも爆発しそうだ。
「日陰にいないとやられちゃうよ。南部出身の僕がいうんだから従いなよ。」
不服そうだが、弥生はパラソルの下に入り、僕が用意した椅子に座らず、地面に座り込む。
「あっつ!」
「本当君って馬鹿真面目だよね〜。考えて見なよ。こんな日差しガンガン当たった地面暑いに決まってんじゃん」
「うるさい!」
渋々椅子に座る弥生。
魔力が限りなく感じられず、予兆すらない今気を張っていても仕方がない。僕は椅子を地面に水平になるよう倒し、軽蔑の眼差しを無視してゴロリと寝そべった。
そうして、何も起きないまま時だけが無駄に過ぎ、空には星たちがきらめく。
僕はまた、バイクから防寒用の布を取り出し弥生に渡す。あまりにも用意周到で驚き呆れる弥生
「おまっ!何しにここ来てんだよ!」
「調査に決まってるじゃないか。君こそ何も準備して来てないじゃないか。どうせ君のことだ。治療薬とかそういう戦闘に特化したものしか持って来てないんだろ?」
「そ!それの何が悪い!むしろお前はそういう類のもの持って来てねーだろ!」
「最低限は持って来てるさ。君さぁ。戦闘の前に環境にやられる事考えないの?」
「うるさい!!」
「はいはい。もう君は寝ときなよ。僕は昼間に睡眠したから夜は起きている。」
「ふんっ。何かあればすぐに起こせ。」
「言われなくてもそうするよ。」
そう言って弥生は布にくるまり、眠りについた。
静かだ。
空には星が煌めいている。
東の空から登る半月。あと数日もすれば満月だ…
弥生が完全に眠りについたのを確認し、僕はここ最近起こったことを頭で念じる。ノイズのない環境はありがたい。レルエナに来てからは驚きの連続だったが、本国に送る情報は少ない。言えるのはひとしきりレルエナが力を求めていることだ。彼らは何のためにこんなにも躍起になっているんだろう?
あともう一つ。
伝えたいことがあった。けれどもそれは
伝えることができない。きっと伝えてしまえば僕の命がない。そこまでして僕は本国に尽くそうとは思わない。
一通り念じきると、親指と人差し指で何かをつまみ出すようにおでこの緋色のマークにおくと、何淡い白い光が現れる。僕はこれを引っ張り出し、空へ飛ばした。光は風に舞い上がり本国へ飛ばされる
!!?
何かを感じた。
ほんの一瞬何かが動いた。
違和感を感じた方へ足を運ぶが何も感じられない。
気のせいだろうか?
空を見上げるともう月は真上にあった。




