〓信ずる者〓
「まさか生きて戻ってくるとは思っていなかったわ。えぇ。逃しました。大丈夫です。利用価値は高いです。…はい。……ありがとうございます。父上も早々に切り上げてください。では。」
時計の針は9時を指している。
この時間では、学校はもう間に合わないだろう。
執事に連絡を入れてもらう。
今日は疲れた…
このままベッドに向かい、約束の時間までベッドに潜り込みたいくらいだ。
けれどもそれは許されない。
扉を開けると怖い顔をした幼馴染が待ち構えていた。
「なぜ逃した?」
「見てたんですか?」
「あぁ…呼ばれたからな。」
不機嫌そうに欠伸をする幼馴染。
きっとばぁやが連絡したのだ。
けれどもまぁ無理もないだろうと納得がいく。
夜中に食料庫を漁ったり、作業場で道具を集めてたりしたらばぁやであれば気がつくはずだ。
「あの方々は私たちに害はないと判断したからです。」
「害がなくても、生贄として使うとかあっただろう。」
生贄…嫌な響き。
けれどもその通りなのだ。私たちの活動には生贄が必要。わかっている無駄でいかに馬鹿げているか、だから早く行動を起こしたいのだ。けれどもそれが自分にはできない。
「生贄にするにはもったいないと判断しました。」
「?」
「そもそも生かす予定もありませんでした。せいぜい森に放たれている獣たちの餌になると思っていましたから。けど、あの方々は獣を倒し、目的を達成された。しかも少人数で。この意味わかるでしょ?セト。」
「…戦士として利用するのか?」
「はい。」
セトが小さく笑っている。
「それ建前だろ?本当は特に何も考えてないだろお前。」
ぎくりとする。何も反論できない。
「お人好しのお前のことだよ、情に流されたろ?」
「ち…違うもん。」
「ほーら。それそれ。その顔。お前嘘下手すぎ。」
仕方がないのだ。
幼馴染のセトの前では自分を偽れない。
彼にしか心を開けれないのだもの。
「まぁいいんじゃないか?あいつらお前の本当の招待気づいてないし。本当に助けてくれるんじゃないか?」
「だといいんですが…。この事内緒にしてくれますか?」
「ん?あぁわかった。」
ホッと一安心。
自分たちの理念を貫くためならなんだってする。
けれど、自分はそれがあまりにも残酷で辛く感じてしまう。みんなは何のために生き、何のために死ぬの?
理念を叶えるための礎としての生じゃないはず…。
だからこそ。早く私たちの思いを遂行させなければ。
彼らが私たちの邪魔になりませんように。
そう願う。
信ずる者シリーズ
突発でいれたお話なので、キャラに言わせてる感すごいかもです…。エイヤーで書いたので、修正いつかするかも…




