表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
wonder hole -last player-  作者: にゃこ
53/164

信ずる者-7


「え?」


みんな驚き目が点になる。

ニコはポットをかき混ぜ、色味ととろみを確認する。

ちょうど良い感じになったので、火からあげ、少し冷まし、コップへ注ぐ。かなりの量が残ったので、それはガラス瓶へと移す。


「その前にマリーさんにこれを。熱いので、少しづつ口へ移してください。」


言われた通り、手渡された薬を少しづつマリーの口へ運ぶ。薬は苦そうな匂いで、呑むのは辛いだろうと思われた。

痛みでそれどころではないマリーは時間をかけて全て飲み込んだ。


「薬を投与したと言っても、すぐには良くなりません。安静にする必要があります。」

「まぁ、こんなに明るくなっちゃ私たちも動けないからちょうどいいわ。」


もう空は明るい青になっていた。サマーティーの時計は6時を指している。


「で。どういうことだ?抜け道を教えるって?」

「あなた方は悪い人に見えません。あなた方のような人が捕まっては欲しくありません。だから、お教えします!」

「ニコ…」

「今は誰も通らない。けれど、レルエナに通じる遺跡があります。」

「それって!これのことか?!」


サマーティーが意気揚々と鞄を漁り、地図を取り出した。見せられたのは王の墓に赤丸がつけられた地図。

驚いた表情のニコ。


「驚きました…なぜここを?」

「昔の文献漁って見つけたんだ。」

「…そうでしたか…。ここはクロノアの民ですら記憶から消された遺跡なので、だれもちかよりもしません。」


ニコの話では、遺跡に行くまでに村が点々としているようで、昼間から夕方は人通りが多い。動くならやはり夜がいいようである。たしかに、この森を通っていけば誰の目も触れずたどり着くことができるが、ここは狩猟場であり、かなり強敵がうようよしているし、毒草が多い。夜を見計らい遺跡まで行くのが一番いいようだ。


「ロボに道案内をお願いします。ロボだったら危険を察知してくれるはずです。」

「何から何までありがとう。…けど大丈夫?バレたりしたら…」

「所詮は子供です。その時は脅されたといえば切り抜けれますよ。」


さらっと怖い事を言う。


「それでは時刻になったらまた来ます。それまではここに身を寄せていてください。」

「ありがとう。」


そうして、ニコはロボと一緒に帰っていった。

キシュ達は暫しの休憩をとることとなる。マリーは薬の効果技でてきたのか、辛そうな顔つきからいつもの表情に変わり、寝息をたて眠りについている。


「はぁ〜…あたしも寝たい…」


キシュが伸びをする。

ジョージもサマーティーも疲れた表情だ。


「みんな寝てなよ。あたしはちょっと寝てたから平気だよ!」


コロッツィオの勧めもあり、3人は眠ることにした。

どっと疲れが3人を襲う。目を覚ました時には空はオレンジに染まっている。


「え?!こんな時間??」


驚くキシュにマリーの声が迎えてくれる。

見るとおきているのはマリーだけ。コロッツィオも寝ている。


「マリーもう大丈夫なの??」

「うん!もう平気〜。足の感覚も戻ってきたよ〜」

「よかった…!もう!本当にどうなるかと思ったんだから〜」

「ごめんね〜。」

「今度からは気をつけてよ!」

「はーい。」


それからマリーのため薬の材料を探すために獣に遭遇したり色々と大変だった話をした。

マリーは笑ったり申し訳なさそうに謝ったりだ。

喋っている間にみんなも目が覚め、話に混ざる。ジョージはジョージの苦労話を語ってくれた。

そうこうしていると、ニコが大きな荷物を持ってやってきた。荷物の中身は食料と着替えだ。

ニコ曰く、クロノアでは、みんな民族衣装をベースとした服装を好んでおり、キシュ達の格好では目立ってしまうとのこと。

洋服を広げるとニコと同じ洋服。白いシャツ(襟はチャイナ服のよう)にベージュのベストワンピース。スカートはプリーツ。男用はワンピースの代わりにベージュのチノパン。

みんな同じ服を着ているので、まるで学生だ。

それに渡されたカバンも学生鞄そのものだった…。


遺跡までの道のりを聞き、ニコと別れる。


「何から何までありがとう。」

「ご健闘をお祈りしています。」


差し出された小さな手。微笑みを返し、キシュの手が伸びる。


「もし私が困ったら助けてくださいね!」

「当たり前じゃない。」


みんなも賛同している。


「それじゃ。」

「皆さん!」


呼び止められ振り返るとニコが大きく手を振ってくれている。

ロボは少し離れているから気にしないでとのことだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ