信ずる者-4
ゆらゆら揺れる。
ジョージの腕に抱かれるマリー。
ニコに言われ場所を移動することにしたのだ。
ついたその場所は、狩猟をする際に休憩をする場らしく、草もあまり生えていない。
コロッツィオのカバンを枕にしてマリーを寝かせる。
サマーティーは腕時計を見るためライトを当てる。
「んー…今23時だな…何時ぐらいまでに戻れば間に合う?」
「そうですね…10時までに戻ってきてくだされば嬉しいです」
「わかったわ…それよりも早く戻るようにする。」
「それじゃ後は頼むぞ。」
そう言って、キシュとサマーティー・ジョージは材料集めに出かけて行く。
その背中が見えなくなり、火が弾ける小さな音が響く。少し肌寒い。パゴロブステからだいぶと低地に位置すると行ってもやはり北部に位置するだけあって、寒い。コロッツィオはカバンからコートを取り出し、マリーにかけてあげる。
「ありがとう。」
「ううん…。」
ぼんやりと映る空は葉っぱの影でくらい。
これから12時間はずっとこんな感じ。みんなが頑張って自分のために材料探しをしてくれてるのはわかっているが、暇だな〜と思ってしまう。
実はと言うと足は痛いけど、コロッツィオの魔法のおかげでそこまできつくは無い。それにまだ足は動かせる。頭もしっかり大丈夫なのだ。
そこまでやばい状況では無い。
「マリーさん気分はどうですか?」
「実は〜意外と平気〜」
ニコの助け舟。笑ってむくりと起き上がる。
「え?!そうなの」
「へへへぇ〜。ごめんね〜。実はコロッツィオの魔法のおかげであんま痛く無いんダァ〜」
コロッツィオは気が緩みホッとしたかと思うとすぐにむっすり。
「それなら先に言ってよ!もぅ!すごい心配したんだから!」
「ごめん〜」
くすくす
笑い声に気がつき、少し恥ずかしくなる2人。
「すみません。お二人が可愛らしくてつい。」
「ニコ言われると嬉しく無いわね。」
「うふふ。すみません。」
「ニコって本当に大人っぽいよね〜。」
「そうですか?まぁ次期当主として育てられてますから。」
「次期当主?!すごい〜!コロッツィオも見習わなきゃ〜」
「あたしだってちゃんとできてますー!」
「コロッツィオさんもそう言う立場何ですか?」
「まぁ…そうなるかな?」
「…私、実は悩んでるんです…このままでいいのかな?って」
三角に折りたたんだ足をぎゅっと腕で強くだくと、ロボが心配そうにニコを見つめる。
「私の父が偉大すぎて…父がもしいなくなったらって…あたし…みんなを引っ張って行くことなんてできるのかなって…」
「ニコちゃん…。考えても仕方ない事は考えない!だよ〜」
その軽い発言に驚くニコとコロッツィオ。
2人を見てニッコリ笑うマリー。
「って…あたしもキシュに言われたんだ〜」
「キシュって…もう1人の」
「あたしね〜、お父さんとお母さん探してるんだ〜。」
「ご両親を?え?でもお二人はご家族では??」
「あたしとねぇさんは血は繋がってないわ」
「けど、家族だもんね〜」
ニッコリ笑う2人を見て、ニコも微笑む。
「わかります…。私にも血は繋がらないけれども、家族のように大切な人がいます。」
「なんだ〜!それならニコは1人じゃないじゃ〜ん。」
微笑みは少し悲しい気持ちでかき消される。
「それは私の一方的な気持ちなんです…。その人は私ではなく、私の血を大切にしてる気がするんです…」
「もー!そういうのナシナシ!」
コロッツィオが体を近づけだのでびっくり
「一人で考えても意味ないのよ?そいつがそう言ったの?」
辿々しくいいえと答えるニコの答えに満足そうなコロッツィオ。
「それなら、それはただの妄想よ!そんな事考えてる時間がもったいない!」
「そうそう〜。そんな事考えてる暇があったら〜自分をもっと魅力的にするんだよ〜。ね〜」
「ねー」
目から鱗。
心に閉じ込めていたことを伝えるとこんなにも気持ちが楽になり、そして前に進めるのか…と驚いた。
「ありがとうございます…」
ぐぅ〜
キュ〜〜
お腹のなる音は静かすぎる場所では大きく聞こえるものだ。恥ずかしそうにするマリーとコロッツィオ。
「私、調合に必要な道具と食料持ってきますね。」
くすくすと笑って、ロボにまたがるニコ。
「あ…ありがとう〜」
「多分二、三時間後に戻ります!」
そう言って、ニコはロボにしっかりと捕まって、森の中に消えていった。




