信ずる者-3
明かりに照らされてもわかるその美しい黄金色の長い髪は大きなリボンで一つにまとめられている。寝巻きにブーツ姿の彼女は急いでやってきたのが見てわかる。息を切らし、一呼吸つく。
「貴方方は何者です?なぜここに?」
見かけによらずしっかりした質問。
キシュが答える。
「貴方には関係のないことよ。ただ道を通っているだけ。貴方は何者?」
「私はこの土地の領主の者です。領地に無断に侵入し、なにをするつもり…?」
喋り切る前に、少女はマリーに気がつき驚く。
「この方!!まさかコギハレの棘が刺さったのですか?!」
「コギハレ?」
聞きなれない名前にコロッツィオは反応し少女に駆け寄る
「!!貴方!この毒の解毒剤持ってるの?!お願い!!ねぇさんを助けて!!!」
強く掴む肩。
必死さがひしひしと伝わるが、少女はただただ困り果てる。
「すみません…解毒剤は無いのです。ちょうど切らしています。」
「そんなぁ…」
絶望を隠しきれない。
体の力が抜けて、腰が落ちる。
「…コギハレの毒はゆっくりと体を蝕んで行く。初めは真っ赤に腫れて段々と痺れ、動けなくなる。そして、毒素が脳にまで達すると、今度は脳性麻痺を引き起こし、死に至らしめます…。持って後半日です。
けど…半日もあれば解毒剤は作れます!」
その言葉はみんなの瞳に光を戻す。
「どうすればいいの?」
「コギハレオオカブリの幼虫を集めてください。コギハレオオカブリとナタラの木の皮を煎じれば作ることができます。」
「集めるだけね!」
「はい。薬の調合は私で可能です。コギハレオオカブリはコギハレを主食としています。コギハレの葉にいるとは思うのですが…」
「?」
「この時期のコギハレオオカブリの幼虫は小さく見つけるのが困難です。」
「大丈夫!なんとかやるわ!」
「それでは50匹集めてきてください!」
「ご…50?!」
「はい…本来はもう少し大きく成長してから作るんですが仕方ありません。行けますか?」
集めなければいけない数に若干引き気味だがそれよりもマリーの命の方が大切なのは変わりない。
「行けるもクソも無いわ。やるっきゃ無いわ。」
虫嫌いなコロッツィオも覚悟を決めたようだ。
「コギハレオオカブリの生息ポイントは何箇所かあります。まずここ。そして、この先にある丘の麓です。」
「わかったわ。」
「ナタラの木はここから南にある崖に生えています。」
「崖か…それなら俺が取りに行く。」
「それじゃコギハレオオカブリは私とサマーティーで集めるわね。」
「え?あたしは…?」
自分の名前が呼ばれず不安な表情になるコロッツィオに優しくキシュは微笑む。
「マリーの側にいてあげて!」
「みんなぁ〜」
マリーとコロッツィオ2人してボロボロ涙をこぼす。
「あの…私もここで待っていますね。」
「えぇ。お願い。えーっと…」
「ニコと申します。」
「あたしはキシュ。よろしくねニコ」
そうして、マリーの解毒剤の材料探しは始まったのだ。




