ドラゴンの王国-4
コロッツィオとマリーはドラグーン国立図書館にいた。魔法呪文史の本をたくさん机に積んで、必死によみふけている。マリーはというと、神話の本だったり伝記の本を数冊持ってきてよんでいる。
「何だったんだろ?あの呪文??」
「キシュが唱えたやつ?」
「うん。それにさー、どこの言語なんだろ?」
「…あ。そっか~。呪文名って大抵開発された国の言葉だよね〜」
「そーそ。あと時代……」
ふと頭によぎる。もしかしたらかなり古い時代かもしれない。
よぎる想いはすぐに行動へ。コロッツィオは歴史書籍のセクションへ歩く。どの時代?今と違う言語…五百年前くらい?それよりもっと前??
本を探す。取り出す。運ぶ。
マリーが驚く。
「こんなに持ってきたの~?!言ってくれればてつだったのにー」
「あ。ごめん」
マリーが手に持ってる本に目が止まる。
[暁伝記]
「暁伝記って、あの伝説の暁の女帝の話?」
「そうそう。3000年前のお話し~」
「なんだっけ?パソナなのに不思議な力を使ってこの大陸を統一したんだっけ??」
「そうそう〜。パソナなのに魔法バンバン使って統一するんだよ~」
「すごい話しだよね。パソナはこんな高度な魔法使えないのにww」
「ほんとほんと〜ww」
コロッツィオが覗き込む。
彼らはどんな夢の魔法を使っていたのか?
「どれどれ…炎があたり一面を覆い生きる者全ての鼓動が途絶えただって」
呆れて笑った
「こんなの神様じゃん。」
「そうだよね〜。暁の女帝って本当にいたのかな〜??」
「うーん。いたっちゃ、いたみたいだよ?」
「それじゃ、このお話しもあながち本当なのかな〜??」
「まさかー!まぁ、この人の時代に大陸の統一はしたみたいだけど、魔法とかじゃなくて自然災害が重なって運良く統一できたんだよ。」
「そ〜だよね。真実なんて大抵そんなもんだもんね〜。」
「そうそう。」
閉じられる本の右ページにちらりとイラストが見える。大地が砕けている絵が。2人は気に留めず本を閉じ、すみによけられる。
コロッツィオとマリーは古文学の書物を読み漁る。けれどそれらしき言葉が見当たらない。
外は夕闇が広がる。
閉館のベルが鳴り響く。
「だめだね。」
「だね〜。」
「帰ろっか?」
「そうだね〜。」
2人が図書館を出ると少し前にビッツの後ろ姿が見えた。
走って呼び止める。
「図書館へ行っていたんですか?」
「うん。お城の図書館ならキシュのあの魔法についてわかるかな?って思って」
「キシュさんのあの呪文ですね。僕も気にはなってました。どうでしたか?」
「ん〜。全然だめだった〜」
「他国、歴史ある程度あたったんだけどだめだったわ。」
「歴史…ですか?」
ビッツが不思議そうな表情で返す。
「もしかしたら、だいぶ古い時代なのかな?って思って…でもぜんぜん。」
「…国立図書室においてる歴史書は500年ほど前の研究文書くらいしかないはずです。」
「そうなの?」
「えぇ。それよりも前の文献は僕たち魔導部隊と言語学者たちがまだ研究しているんですよ。確か一冊3,000年前の文献があったはずです…」
「な!なにそれ?!あたしもその文献みたい!」
コロッツィオの目が輝く。みたこともない文献に心が踊る。古の呪文。秘められた想い。消された意図。それはコロッツィオの心をくすぐる。
「問題はないと思いますよ。閲覧だけになりますが。」
「ほんと?!」
「けどこの国が所有してる魔道書はすくないですよ。ザルアには到底およびません。」
「ザルア?!」
マリーの顔がきらめく。
「えぇ。彼らは暁の時代の文献を大量に持っているという噂があります。」
「それで!それで!」
「え?あ…すみません。僕もこれくらいしかしらなくて…なんせ、彼らの国はかなり閉ざされてまして…。」
「そうなんだ…」
「すみません。」
「あ。いいのいいの!それじゃ行こうよ!」
「今ですか?!」
「だって、あたしたちそんな長居はできないんだもの。」
「そうですか…。わかりました!ついてきてください!」
ビッツは今きた道を戻る。2人もそれについて行く。
ビッツが向ったのは、国立図書室のすぐ横にある、大きな教会だ。
誰もいない。夕闇でうっすらとしている。ビッツがロッドを取り出し、灯りの魔法を唱える。
「さっ。こちらになります。」
「うわぁぁ!!」
2人は声は合わせて驚いた。
ビッツが扉を開けた先の部屋は壁一面が本で埋め尽くされていた。
つかつかとヒールの音を響かせてこちらに女性が近づく。丸く伸びた耳を見る限り、魔術を得意とする種族ルラの女性のようだ。
「あら?ビッツ副長戻られたんですか?そちらは?」
「えぇ。この方々が少し見学したいとのことだったんで。」
「まぁ。」
じろりと眺める。
「パソナの方ですか?珍しい。所長の許可は得られているのですか??」
「それなんですけど…レビィリアさん…内緒にしてもらってもいいですか?」
「え?ビッツ!本当はここきちゃダメなの?」
「まぁ!副長を呼び捨てにするなんて、無礼ですわ。」
「レビィリアさんいいんです!この方々は私の命の恩人なんです!」
「まぁ!!そうなのですか?そうとは知らず、申し訳ありません。私、所長補佐のレビィリアともうします。」
「私はコロッツィオ。」
「あたしは~、マリー。よろしく。」
「よろしくお願いいたしますわ。この件は内密にいたします。」
「ありがとう。」
ビッツは奥へ歩いて行く。2人はそのあとを追いかけるようについて行く。
「ビッツ…大丈夫なの?」
「えぇ。問題はありませんよ。あなた方はどう考えても、ここに眠る魔術を悪用するようなことはありませんし。」
部屋に突き当たると、ビッツは魔法を唱える。すると、壁に扉が現れた。その扉を開けて中にはいる。
「ここが僕の作業部屋です。」
少し狭い部屋にたくさんの本が積まれている。左の壁におかれている広い机の上には、分厚い本がおかれていた。その本を開くビッツ。
「これが、この国に唯一残る、3000年前の書物になります。」
そこにあるのはあまりにもボロボロになった本。その眼差しは優しい。大事にしているのがすぐわかった。
コロッツィオは覗き込むが、これはダメだ…と思った。表紙に書かれている文字ですらチンプンカンプン
「なにこれ??」
「さっぱりでしょ?今とはだいぶと変わっていて…。僕たちが解読できているのはせいぜい約1000年前のものだけなんですよ。」
「これじゃー意味ないよー!読めない~!!」
「ふふ…。すみません。」
「あーあ…。私ももっと言語学父さまにきいとくんだったー。」
がっかりしているコロッツィオを横目にマリーは作業台のそばにおいてあった本を手にした。鎖が巻かれている。
「これはな~に?」
「どれどれ??」
コロッツィオもその本を手にする。
「え?それですか?ってえぇ?!」
ビッツが驚く。先ほどの鎖がボロボロに崩れている。
「そんな!!封印がとける!」
本から完全に鎖が消えると、勢い良く本が動く。まるで、この小さな牢獄から出してくれと暴れまわっているようだ。マリーはその力に耐えきれず、とうとう手を離してしまう。
「マリーさん!コロッツィオさん下がってください!!」
床に落ちた本は勢いよくページがくられ、とあるページでピタリと止まり、突如として、部屋は別空間へと変わっている。
「なにこれ??!」
「わかりません!けど、これはこの本が作った結界です!」
「そんな~!どうすればでれるの~?!」
「結界の元を壊さなければ…でれませんよ…これ…。」
「そんな~!」




