出会-1
木洩れ陽が美しい森の中を突き進んでいる。なかなか深い森で何度も道を間違えた。地図の通り歩いているのに行き止まりだったり…あたりは樹木が投げた押されたように雑多になっている。あっちを歩けば、倒れた木で行き止まり。こっちに歩けば川で通れないときている。
目印をつけながら歩く。
「この道もまた行き止まり?はぁ…。どうすればいいのよ?地図ではこの森を抜ければベルゾナッドにつくはずなのに…」
「その地図最新だよな?」
「そうよ。あんたと会う前に更新したのよ。あんたの地図はどうなってんの?」
「俺も同じだよ。」
「なんでこんなに木がたおれてるのかしら?台風でもあったの??」
キシュとサマーティーはサーチャを見ながらため息を漏らす。
「キシューー!サマーティ〜!ちょっと待って!!」
マリーの声が後ろから2人を引き止めた。振り向くとマリーはだいぶと後ろにいる。
「どうしたの?」
マリーの元にかける。コロッツィオの姿が無い。
「コロッツィオはどうしたんだ?」
「あのね。コロッツィオがすごい怪我してる人を見つけたの〜!こっち〜!!」
マリーが走る後を追う。まっすぐ走る。と右後ろからコロッツィオの声が聞こえた。
「ねぇーさーん!!!行き過ぎ!ここよ!ここーー!」
「あ。たはは…」
三人はコロッツィオの元に駆け寄ると、無数の傷をおった青年が倒れている。意識が無いようだ
「コロッツィオ…この人は…」
「大丈夫。ちゃんと息はしてる。それより、魔力回復剤ある?」
「はい。」
キシュはポケットから小さな小瓶を手渡す。コロッツィオの足元をみると、同じ小瓶が二つ転がっている。だいぶと治癒魔法を唱えたようだ。それなのに全快してないとみると、相当な傷をこの青年は受けたらしい。
「ふぅ…」
「終わった〜?」
「最善は尽くしたんだけど…」
「目覚めそうにないな…どうする?」
サマーティーがキシュをみる。同時にマリー・コロッツィオもキシュをみる。
「こんな状態で放置…。なんて言うと思う?あたしどんだけ鬼なのよ?」
太陽が傾きはじめている。
火を焚き、サマーティーは食糧を、マリー・キシュは水を調達しにでかけた。コロッツィオは留守番。
皆が戻ってくる間、小さな結界をはった。すぐに夜が訪れる。
それぞれが戻ってきて、軽い食事をとる。
コロッツィオは布を水で濡らし、青年のおでこに当ててみた。
「……っ…」
「!」
青年の目がゆっくりと開かれる。焦点が定まらないようで、気だるそうに瞬きを繰り返す。そのうち目が大きく見開かれ、ガバッと起き上がる
「きゃっ!」
「ここは!!?あなたたちは何者ですか?!」
青年は身構える。
「ここはテルマの森よ。傷だらけであなたが倒れてたの。」
青年はキシュの言葉を聞いて、自分の体を不思議そうにみた。
「そういえば…。傷が癒されている…あなたたちが治してくれたのですか??」
「そうよ。正確にはコロッツィオが。」
キシュが青年にコロッツィオを紹介した。
「ありがとうございます。なんとお礼を言えば…」
「いいのよ。気にしないで!」
「ところで何があったの?」
キシュは青年に問いかける。悔しい気持ちを食い殺す表情で青年は話してくれた。
「僕はドラグーン国の兵士です。この辺りに出没する魔物調査のため、仲間たちと一緒に派遣されたのですが、不運なことにその魔物と遭遇してしまって…必死に逃げたんですが…そのあいだ、かなり傷を受けて…」
「なるほど。気を失ってしまったんだな?」
「はい…。」
「ドラグーンの兵士なら、竜が一緒にいるはずじゃないのか?」
「あの子には、助けを呼んでもらうために城に戻ってもらいました。」
「なるほど。けど君を見つけてからかなり立つけど竜は現れていないぞ。」
「?!どうなってるんだろう…。まさか…」
「まさか?」
「いえ。あまり考えたくは無いんですが、その魔物とあの子が遭遇してしまったのかもしれないと思って…。何もなければ、3時間ほどで仲間が来てくれるはずなんです。」
「かれこれ4時間はたってるわよ。」
「え?!そんな…。どうなってるんだろう…」
青年は考え込んだ。火の粉の弾ける音がやけに響く。キシュの声が響く。
「ここからドラグーンは遠い?」
青年を除く三人がギョッとした。
「いえ。一時間ほど歩けば、城下町へつきますが…」
「明日の朝そこまで送るわ。」
「えぇ?!!」
皆の声に青年は驚く。
「ど…どうしたんだ?キシュ?!今まで面倒ごとはことごとく反対してたのに?!」
「そ!そ~だよ!どうしたの~?!」
「今更時間なんて気にしてもどうしようもないなって…。それに助けた以上は最後まで見守りたいとも思ったのよ。」
キシュの発言に下心がありそうだと三人は同時に思った。
「ところであなたの名前なんていうの?」
「あ。すみません。助けていただいたのに!僕はビッツです。よろしくお願いします。」




