魔法使い姉妹-1
何時間歩いただろうか?
一行に森を抜けれない。途中泉があった。そこで休憩して2人は先を急ぐ。
何時間あるいただろう?
2人はさっきと同じ泉でまた休憩している。
「ものすごくからかわれてるわね。これ。」
「…妖精さん…」
サマーティーがため息をついて泉から水を汲み上げる。キシュは足のダルさを間際らすためブーツを脱ぎ揉んでいる。
「これ確実にループしてる気がするんだけど。」
「そうだな…。ループの繋ぎ目さえわかれば断ち切れるかもしんないんだけどな…」
「…どうかな?あたしたちの魔力で断ち切れればいいけど。」
2人はおちこむ。
そう、2人とも魔力があまりないのだ。
サマーティーはマキナ寄りのフィルディア人。
キシュはパソナ寄りのフィルディア人。
マキナもパソナも基本魔力は低めで、マキナの方がパソナよりかは強いが微々たる差だ。マキナもパソナも打撃戦闘の得意な人種なのだ…。
「とにかくループの繋ぎ目を探そう!なんとかなるかもしれない!!」
「…そうね…。」
2人はとにかくまっすぐ歩いた。歩いて歩いて歩いて…また泉に行き着いた。
「この道をまっすぐに行くと確実なループ通路ね。」
「そうっぽいね。妖精さんの気が変わらない限りだけど。」
キシュは無視して、歩きはじめた。
「サマーティー。木に印つけて!同じ印はダメよ!」
「へーい。」
サマーティーは木に印をつけて進む。
また、泉だ。
「ここが既にループしてる場所なら、あそこの木に印があるはずよね?」
「あー。そうなる。」
サマーティーは印を付けたと思われる木に向かったが印がない。
考えられる事は二つ。まだ、ここはループされていない道。考えたくはないが、ループしている道は起点に達すると全てが初めの状態に戻っていること…。
「キシュ…俺さ最悪なことわかっちゃった。」
「言わないで…分かってる。多分、この道は全て起点で状態が元に戻ってる。」
「そりゃそうだよな~。そんなに妖精さんが優しいはずないよな~。」
「一体どうしろっての…。」
辺りを見渡してみた。何もかも初期化されてるんだ。何もあるはずはないのに、キシュは右から左へと泉を取り囲む木々の幹をみた。
サマーティーは不思議そうに座り込んで眺めた。
「ん??」
キシュは一つの木の前に立ち止まり、よくよく観察してみる。そして声が震えた。
「サマーティー…!!」
急いでキシュの方へ向う。平手が飛ぶ。
「ちょっ!いたっ!!なにすんの?!」
「あんたねー!!変な印つけてんじゃないわよ!」
顔を真っ赤にしたキシュの左手の先には、キシュとサマーティーの愛愛傘に♡が二つ。
「なんか印つけんのに時間かかってると思ったら!!」
「わー!ごめんごめん!や〜、これは五番目につけた印だ…なんでこんなとこにあんだ?あ!」
キシュの左手から相合い傘が消えている。
状態が初期化されているのはわかった。それじゃ、なぜこの泉の場所で5番目の印が見えた?なにかある?この間に何か仕組みがあるんじゃないのか?キシュは特に確信があったわけではなかったが、手にナイフを握り先ほどの木を思いっきりさして見た。
「うわ!なんだこれ??」
サマーティーが驚くのも無理ない。ナイフで刺した木はドロドロと溶けて新しい道が出てきたのだから。
「キシュなんでここさしたんだ?」
「いや…なんとなく…。」
2人は新しく出来た道を進んでいる。
「あそこが繋ぎ目だったのか。それにしてもあっけなかったな。」
「見せかけボロくて、鍵はちゃちーとかかしら?相当迷路に自信があったのね。」
道の先に人が見えたので呼び止めて見たが、走り去られてしまった。2人はよくわからなかったがその後を追いかけて行く。村が見える。静まり返った村。家々の窓はほんの少し空いている。隙間から外の様子を伺っているようだ。
「何者です。」
太い男性の声がした。
声がする方に振り向く。
そこにいたのは40代後半の男性。その男の両脇には2人の少女。男性と同じブロンド髮の少女と
真っ黒な髪の少女。




