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第七話『4月29日』

今回はイシカ目線ですよ!

ねえ!聴いてる!?


「は~・・・」

「いーちゃんそれ何回目のため息ぃ?」

そう、俺たちは校長に呼び出され、校長室へ向かっているのだ。

「にしても今日は4月29日だしあと一日チャンスはあるよな…」

うそかじがいう。

「あと一日のチャンスと言っても、この一か月で見学に来たのはヤマトだけなのだよ。しかもほぼ強制的につれてきただけだ。そのことを考えると、我々にチャンスはほぼないに等しい。」

「ムク!そんなこと言わない!もしかしたら校長先生が入部希望者探しに手伝ってくれるのかもしれないじゃん!」

クロトがそういうと、ムクはしかしだな…確率論では…とまた何やら小難しい言葉を使って反論をしはじめた。

「はぁ…おーいみんなついたよ校長室」

そう呼びかけると、みんながビクッとしてこちらに顔を向ける。

俺は頷く。緊張した手でドアノブを握り締める。

大きく深呼吸をして、心を落ち着かせると

「失礼します。石塚楓 黒瀬友香 梶山祐介 佐川夢来です。校長先生、なんの御用でしょうか」

冷静に聞く。

すると、校長はいった。

「君たちの所属している特殊能力部を、今日をもって、廃部とさせてもらう。」

「そんなっ・・・!」

一気に目の前が真っ暗になった。

「校長先生っ!あと一日あります!期限はまだじゃないんですか!?」

クロトがそういう。

校長先生はじろりと睨みつける、たちまちクロトは硬直した。

「どうせ明日になったところで入部希望者はいないだろう?なら今日にしたって変わらないだろう?明日になったら入ってくれるアテのある人がいるなら別だが、いるのかい?」

「そ、それは・・・」

クロトが口ごもらせる。

「ほら、いないだろう?はい、これ廃部届。じゃあここに、みんな自分の名前を書いてくれるかな?」

そういいながら、校長が俺たちに一枚の紙を渡した。

記入枠は四つある。

ここに一人一人、名前を書いていけということだろう。

「仕方ないか…」

そういって、うそかじが名前をかく。

「こうなったらもう諦めるしかないのだよ…」

つづいて、ムクも名前をかく。

「ごめん・・・僕がもっといろんな人勧誘できてれば・・・」

クロトが弱々しくいって、名前をかいた。

はい、とクロトが俺にペンを渡した。

俺が名前を書いてしまえば、もう完全に、特殊能力部…いや、放浪部はなくなってしまうのだ…

「・・・・」

なんとも言えない感情がこみ上げてくる。

「・・は・・・す」

「え?なんだい?石塚くん」

「俺は…いやです!!」

「・・・イシカ・・・!」

全員が驚きの目で俺を見つめる。

けれど、この決意は変わらなかった。

「俺は、この部を廃部にしたくありません!先輩から引き継いだ、大事な大事な部です!絶対廃部になんかさせません!」

「なにを馬鹿げたことをいっているんだ石塚くん。その思いが本当なら、こんな結果にはならかったんじゃないのかい?」

校長が廃部届をひらひらと揺らした。

「だけど…!」

「まぁ君だけの同意がなくたってどうってことはない。あとは学校側で、手を――『じゃあ、もし今、部員が5人になったらどうするんですか?』

「「「!?」」」

全員が驚いて、声のする方向をみる。

「ヤマト・・・!」

クロトが声の主の名前を呟く。

「な!?君は誰だね!?今は大事な話をしているんだ!関係者以外は入らないでくれ!」

「いや、俺、関係者っすよ?だってこれから放浪部はいるんスもん」

「えっ?ヤマト・・・」

呆然としていると、ヤマトは校長の廃部届の紙をパッととりあげ、裏になにやらがりがりと書いている。

そして、

「はい、これで廃部にならないっしょ?」

そういって校長にその紙を渡した。

駆け寄ってその紙をのぞく。

そこには、手書きで、「入部届け」という文字と、これから放浪部にはいるという文章が書かれていた。

「あ・・・う・・・」

ヤマト・・・

「ぐ・・・し、仕方ありません・・・と、特殊能力部の、続行をみ、認めます!!」

最後の方はムキになっていたのか、校長は少々大声になる。

「廃部に・・・ならない・・・?うそ・・・や・・・やったあああ!!!」

それに負けないぐらい、俺の声はでていただろう。

周りをみると、ムクはまだ信じられないといった様子で、うそかじは笑みをこぼし、クロトに関しては号泣している。

「あ、あじがど・・・やばどおおおお」

「ちょ、クロトお前、なに言ってるか分かんねえし!ちょ、うそかじ抱きついてくんな!お前マジホモなのか!?」

「うるさいのだよ。さっきちょっと見直したと思ったがやはり失望した。君はただうるさいだけだったみたいだね。さっき校長室に入ってきた時、やけにタイミングがよかったが、もしかしてタイミングを見計らっていたのかい?」

「そうなんだよ~いつ入ればいいかわかんなくてさ~まぁうまくかっこついてよかったよ~ってこんなこと言わすなムク!!!」

ふと、ヤマトと目があう。

「・・・ヤマト」

「なんだ?」

静かに微笑んでから、口を開いた。

「・・・・・ありがとう。」

「おう!」

その言葉をきいた瞬間、頬から熱いものが伝った。

「あー!ヤマトいーちゃん泣かせたー!」

「イシカ可愛そうだぞヤマト!」

「全く、君のデリカシーの無さにはさらに失望したのだよ」

「え、えええ!?俺のせい?!」

やっぱり、ヤマト、こいつがいると、周りの空気が明るくなる。

「じゃあお前ら!早速部室に戻って新入部員歓迎会やるぞ!」

そういうとみんなが息をぴったり合わせて「ラジャー」と返した。

「じゃあ部室まで競争!よーいドン!」

「え!?もう開始!?ちょ、まってー!」

「こういう時はショートカットが一番なのだよ」

「あ、ムクお前外いって窓から部室にはいるんじゃねえだろうな。」

「これは僕が一番だね!」

笑い合いながら走っていく、5つの影。

ようこそ、放浪部へ。

ヤマトなんかかっこよくなった・・・?のかな?

くそ・・・我ながら悔しい・・・

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