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オ ト ウ サ ン
「おとうさん!」
「おとうさん!」
「叫んでも来ませんよ。」
「ヒック、グズッ・・・」
「お父さんは、きっと遠い所にいます。」
「とおいところってどこ?」
「さあ。」
「・・・わたし、お父さんに会いに行く。」
「無理です。」
「いくの!」
「・・・今のあなたでは、無理です。」
「なんで?どうしてわたしじゃダメなの?」
「・・・それは・・・」
「どうして!?お父さんが私のこと嫌いだから!?」
「そうではありません。」
「なんで!おとうさん、どこにいるの!?」
「・・・わかりました。では、私のところに来なさい。
あなたがお父さんと会えるようになるまで、手伝ってあげます。」
少女は顔を上げた。
「ほんとに・・・?」
白と黒の神様は、やさしく微笑んだ。
「ええ。私が、必ず。」
「いく!わたし・・・あなたのとこに行きます!」
「そうですか。では、少女よ。」
「本は、好きですか。」
昔話。