世界の終末
2030年代
信頼の崩壊
長年続いた冷戦が限界に達し、相互不信が極限になる。
東亜連邦では資源不足、欧米では経済不況と社会分断。
核抑止のルールが次第に緩み、「自国を守るためなら先制もあり」と各国が言い始める。
各国の指導者たちは、互いに「相手が先に撃つ」と確信してしまう。
世界は誤解と恐怖だけで動く状態になる。
2040年代
引き金
小さな国境紛争が起きる。わずか1発のミサイル。
誤認した報復が始まる。
そして、止まらなくなる。
ドイツが欧州で核実験を実施する。
アメリカが「先制攻撃準備」と誤解し、警戒体制へ入る。
中国が「攻撃準備」を検知して報復準備を開始する。
通信が錯乱する中、誰かが「撃て」と言う。
数分後、複数の核ミサイルが空を裂く。
全面核交換
欧米・東亜の主要都市が壊滅的になる。
日本、中国、アメリカ、ヨーロッパ、ロシアのすべての国が報復を繰り返す。
大気は灰色に変わり、太陽は見えなくなる。
誰も勝たず、誰も残らない戦争となる。
核の冬
灰が成層圏を覆い、太陽光はほぼ遮断される。
気温が急低下する。(平均-10〜-20℃)
雨は酸性化して、作物は枯れる。
海洋も冷え、プランクトンが絶滅し始める。
生き残った人々は、地下・洞窟・潜水艦などに避難するが、
文明は完全に崩壊。
最終的な終焉
放射線による突然変異や疾病が蔓延する。
生態系が崩れて、酸素供給すら減少する。
最後に残った人間たちも互いに生存資源を巡って戦い、人間社会は完全に消滅する。
最終的に、言葉も国家も記録も消える。
海だけが残り、静かな星が宇宙を漂う。
ただ風と灰の惑星の死んだ地球が残る。




