町人の恐怖
京都の夜……………異変の始まり
深夜の京の町。遠く本能寺の炎が空を染める中、町人たちは戦乱の気配を感じながら息を潜めていた。
「今夜はただならぬ気配じゃ……。」
「静けさの中に冷気が……………。」
老いた茶屋の主人が呟く。人々は戦が近いことを知っていた。だが、それ以上に異様な不安が京の空気を包んでいた。
それは突然に、空が裂けた。
「な、なんじゃ……!?」
「お!」
「落ちてくるのか…………」 誰かが叫ぶ。
町人たちが夜空を見上げると、闇の中に光の渦が現れた。まるで天が砕けるかのように、大きな影が夜空に浮かび上がる…………。
次の瞬間、それは実体を持ち、京都の街に降臨した。
巨大な星型の城郭が、京の中心に現れた。
「………………………。!」
「これは……夢か!?」
「妖か!?化け物か!?神仏の怒りか!?」
町人たちは次々と叫びながら逃げ惑った。突如として現れた異形の城と、その上に立つ銀髪の戦士たち。彼らは武士ではない、町人たちはすぐにそれを理解した。
「……これで………京の都も終わりじゃ……。」
震える声が響く。戦乱の世でも、これほどの異変は聞いたことがなかった。
「何者じゃ!?」
武士たちが刀を抜き、警戒の構えを取る。彼らの目には、明らかに人ならざる者たちが映っていた。
そして、中央に立つ王子が声を上げた。
「我らは、王を迎えに来た。」
信長視点――覇王の直感
「……面白い。」
燃え盛る本能寺の中、織田信長は弓を握りしめながら夜空を見上げた。
「この戦は終わりと思うたが……まだ続くか。」
彼の目は、異変に動揺するどころか、好奇の色を帯びていた。戦場を支配する武将の直感が告げる――これはただの異変ではない。
「何者だ?」
静かに呟く。光秀の兵が怯えるのを尻目に、信長はじっと城を見据えた。
異界からの訪問者。戦乱の世に降り立つ星の城。
「……さて、そなたらは敵か、味方か。」
信長の覇気がゆっくりと高まる。戦国の覇者として、この異世界の者たちを迎え撃つべきか、それとも……。
そして、歴史が大きく揺らぎかわり始めた。