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2回目のリセット ― 愛を選ぶ
「2回目、使う？」
その声は、まるで春の雨のように、静かに心へと染み込んできた。
「使う」
ユウトは、ためらわずに答えた。
夢を叶えても、家族は守れなかった。
ならば次は、“愛”を選ぶ。大切な人のそばで、生きていく。
次の瞬間、まぶしい光に包まれ――
目を覚ますと、そこは大学のキャンパスだった。
桜が舞う並木道。学生たちのにぎわい。
ユウトの手には、かつて彼女と一緒に撮った写真が握られていた。
「…マユ？」
思わずその名前をつぶやいた瞬間、背後から懐かしい声が飛んできた。
「ユウトー！遅いよー、映画始まっちゃうってば！」
駆け寄ってきたのは、滝沢マユ――大学時代の恋人。
現実では、自らの夢にのめり込みすぎて、失ってしまった存在。
だが今は違う。この手を、もう二度と離さないと決めた。
マユの手を握ると、彼女は不思議そうに笑った。
「どうしたの？ そんな真剣な顔して」
「……ううん。こっちの話」
――過去のやり直しではない。
今度こそ、最初から人生を築いていく。
愛する人と共に、“未来”を選ぶのだ。
