海賊の宝を守るのはトラップと状態異常のスケルトン
海賊の記した宝の地図のダンジョンは薄暗く、生臭い…。
フェルのライトが先を照らしているが、トラップはそこそこあると、リーダーが言っていたので警戒して進む。
ライトの明かりで、キラリと光るワイヤーを見つける…そしてワイヤーの向こう側に人型骸骨のモンスターもいた、ドロドロした何かが付着した武器だけを装備している…。
「これはなんの罠だ?」
高さ的に成人男性の胴体に当たる位の位置にワイヤーが張られている、ワイヤーそのものが鋭く人を傷つけるのか、他のトラップがあるのか?
「レンナさん、スケルトンが気付きました!」
「皆少し下がって!」
フェルの声で3人をさがらせて、トラップからスケルトンに意識を向ける、丁度いい、スケルトンでトラップの確認しよう!
スケルトンがワイヤーに接触すると、ブチリとワイヤーがちぎれる、するとスケルトンの背後の暗闇から3本の矢が飛び出した!
3本の矢はスケルトンの体の隙間や足の間を通り抜けてこちらに迫ってくる!
「嘘だろ!?」
アースキーで一つの矢は弾いたが、2本の矢が肩と膝に突き刺さり、矢が消滅する…さ、ササクレに刺さった位の痛みが走る…。
だがダメージをくらっても、スケルトンは近付いてくる…
「リジェネレート!」
「負けない!」
フェルの回復を受けつつ、スケルトンに攻撃をしようとしたら、なぜか視界が180度回転して、ユリにアースキーを突き刺そうとしてしまう!
「あ、矢に塗られた混乱毒で、混乱したのね、回復するね」
しかしユリは冷静にアースキーを回避して、ポーションの液体をぶっ掛けられる、すると体が自由に動くようになった。
「す、すまない!」
すぐさま、背後から斬りかかろうとしたスケルトンの攻撃を弾いて、頭蓋骨にアースキーを叩きつけて粉砕する!スケルトンは音を立てて崩れ落ちた。
「混乱て、怖いんだな…もっと気をつけないとな」
体が勝手に妹を攻撃するとかゾッとするな…。
「まあ、私達がいるから、大抵の状態異常なら治せるから安心してよ、幼児化でも老化でも石化でも治す薬を持ってるよ」
「ありがとう、頼りにさせてもらう…老化に幼児化とかあるの…?」
ユリの言葉を受け取りつつ、警戒しつつ先に進む。
次に出てきたのは大きな刃物がついた振り子トラップ…ペンデュラムと、それを盾にするように向こう側で矢を放つ、2体のアーチャースケルトンだ。
幸い矢を撃つ速度とペンデュラムの動きが遅い為、ペンデュラムをくぐり抜けてしまえば、簡単にスケルトンを処理できた。
倒したスケルトンから毒薬と思われる瓶を手に入れる
「む、敏捷低下の毒薬か…敏捷を下げてペンデュラムの餌食にするつもりだったか、先程レンナさんが食らった混乱の矢といい、結構考えて作られてるな…」
「ほしいですか?」
「いらん」
毒薬を鑑定するリーダーさん、あげようとしたら拒否された。
進んでいると、右と左の分かれ道が出てきたので、直感で左に進む…。
すると次に自分に襲いかかったトラップとスケルトンは、麻痺の効果がついた剣で攻撃してくるスケルトンと頭上から、大きな土の塊が降ってくるトラップだった…。
スケルトンと戦ってたら、頭上に土の塊が降り注いで、スケルトンもろとも土を被った…。
ゲームだからHPが減るだけですんだが…現実なら下手したら首の骨が折れかねない、シンプルながらも危険なトラップだ、トラップとして降った土は地面に当たると消失して、生き埋めになることはなかった。
スケルトンは土に押しつぶされて、赤いエフェクトを纏って消えた…。
「大丈夫ですか、レンナさん!?」
「問題ない…けどリジェネレート頼む」
フェルから回復支援を受けつつ、先に進んだが、お金が少し入った宝箱だけで、行き止まりで来た道を戻る羽目になった。
右の道が正解だったか…。
ユリとリーダーさんが当たりだと言っていたが、行き止まりなら外れじゃないのか…?
そう思いながら、右の道を進んでいると仰仰しいといえばいいのか、薄暗いダンジョント違って、豪華に装飾された広間に出た、キラキラ煌めく装飾が明かりとなって、ライトが不要な明るさだ…。
「これは…ボス戦か?」
「ダンジョンの広い所は大抵ボス戦だからね…フェル、トラップの心配はもうないからお兄ちゃんのポケットに戻ったら?」
「そうします!」
フェルが自分の胸ポケットに入ってくる…。
「多分あの宝箱近づいたら、ボス戦が始まるんだろうな、気をつけていこう」
「わかった」
リーダーさんが広間の中心にあった宝箱を指差す、明らかに目的の宝だろうが…なんか不用意に近づくのは危険だ、いつ襲われてもいいように身構えながら、自分達は広間に入って、宝箱に近づいた…。