レイドクエスト!セイレーンを討伐せよ!
アッシュルさん、ツー街からスリー街に行く為に必須なダンジョン攻略でフレンドになった人だ。
斧使いの大男…な見た目だがそれはランダム生成で作られた姿で、中身は声がのんびりと伸びたのが特徴的な女性の方だ。
道中とても助けて貰ったし、助けに行きたいが…リオアに一言断り入れないと…。
「リオア、実はフレンドからレイドの救援依頼が来ているんだ、色々と助けてくれた恩もある、ちょっと行ってきていいか?」
「え?もしかしてフェルとだけ一緒に行く予定なの?私も行くよ!アイドルの真価を見せて上げる!」
リオアはノリノリで同行を希望する。
「え?行けるのか?」
「行けるよ!パーティーメンバーに入ってればね!」
てっきり救援依頼を受け取った人だけ行けると思ってた…いや、よくよく考えたら前のレイドバトルでもフェルと一緒に移動してたし、可能か。
「それなら行くぞ!フェルも準備いい?」
「勿論です!いつでもいけます!」
胸ポケットに入ったフェルの返事を聞いて、救援依頼を受けるボタンを押すと、視界が真っ白なって、気が付けばさっき立っていた所とは違う所に立っていた。
浜辺だが、海辺の方になんか平たい岩場があり、なにかレイドボスが出て来そうだなと思えてしまう。
「あ、レンナだー…見ないうちに強くなったなー」
「一目でわかるものなのか?」
「なんとなくなークラスチェンジをしたのは、わかるぞー」
近くにアッシュルさんがいた、周辺には他のPL達もいる、人数はざっと見て約50人位いる。
男女が半々ぽくて、ほぼ全員が水着なのが統一感がある。
「しかしアッシュルさんが、救援依頼を送ってくるとは思わなかったよ」
「うむーフレンドに救援を送るボタンを押したら送れた感じだよーそして聞くけど、今回のイベントのレイドボスの情報は持っているかいー?」
「いや、持ってない」
そう言うとアッシュルさんはそろそろレイドが始まるからと簡単に説明してくれた。
「今回のレイドボスはセイレーン、女性を歌で魅了して、同士討ちさせる厄介なボスだよーそれに雑魚敵の魚人召喚もするみたいだから、気を付けて欲しいー」
『参加人数が上限に達しました、レイドバトル:セイレーン戦を開始します!』
アッシュルさんの説明が終わると同時にレイドバトルの開始を告げるシステム画面が現れる。
すると海辺から背中に羽が生えた、下半身は魚、頭部以外の上半身は貝殻水着を着た女の人の形、頭部は男の顔をしている化け物がいた…セイレーンは海辺の平たい岩場に陣取り、口を開き、歌い始めた。
「うわ、なにあれ気持ち悪い…セイレーンというかキメラだろあれ…しかし歌ってなくね?」
「レンナさん右に飛んで!」
フェルの言葉で反射的に右に飛ぶ、さっきまで立っていた所には槍が通り過ぎていた、その槍の持ち主は女性だった…その目は一目で正気でないとわかる。
「早速魅了されたのか…」
攻める気にはならない、魅了の恐ろしさは身をもって味わってるからな、槍使いの女性は今頃自分の体が、勝手に他PLを襲って焦っているだろう。
フェルが無事なのは人じゃなくて妖精だからか?それとも運が良かっただけなのか?
「アッシュルさんは無事か!?」
「なーんとかー…美声が凄い…」
あ、かなり押され気味だ…でも魅了は一旦解除すれば耐性がつくみたいだから、序盤を耐えればなんとかなるはず…。
その時…。
「みんなー!ゲリラライブを始めるよー☆」
リオアの声が響き渡った。