アイドルリオア…?
「あれー?なんか凄く警戒されてる?安心して、私は潔白なアイドル、私が貴方達に危害を加えることはないよ?」
こちらの警戒心を見抜いたのか、敵意のないことを伝えてくる。
「どうかしたんですか?レンナさん」
「いや、なんでも無い、最初の一言でフェルの事を言ってたからビックリしたんだ…まるで最初っから知ってるかのようにね」
少なくとも敵意はない…それにもしも彼女が敵なら多分俺は詰んでる、あの剣を装備した黒い影2体を召喚して、3人で攻撃してきたら、凌げる自信はない。
「知ってるよ、君達が昨日のライブに来てくれたこともね」
「え!あんなに人が居たのに私達がいた事わかってたんですか!?」
「………もしかしてリーダー…いや、リダさんの知り合いですか?」
はっきり言って、昨日のライブで大量のファンがいる中、自分達の存在をリオアが知るどころか認識なんて不可能に近い…。
ならチケットそのものが特別な物で、例えば自分達は関係者席的な所に座っていたとしたら…チケットの本当の持ち主に問い詰めて、知ることができる…とか考えてみたが…どうだ?
「ええ、リダは私が入ってるチーム、ゼロオーダーのリーダーだよ、彼にあげたチケットの席で、貴方達がライブを見ていたからびっくりしたよ、それでリダを問い詰めて、初めて貴方達の事を知ったのよ、改めて自己紹介!私の名前はリオア!今はプライベートで、配信なしのオフだけど、この世界のアイドルをしているわ!」
うん?なんか違和感あるな…なにかおかしいような…?
「え?ユリさんがいうには、私の存在を口外しないように、リーダーさんには口止めしたって言ってたような……?」
フェルの言葉であ!と思い出す、そう言えば高田がオークションイベントでリオアが自分の…レンナの作品をおすすめしていたと言っていたな。
そう考えると仮にリーダーさんの口が軽かったとしても、リーダーさんからの話で自分を始めて知ったという言葉も嘘になる?
「リダの為にあげたチケットなのに、リダは他の人にあげちゃってるんだよ?だから私には知る権利があると詰め寄ったら、教えてくれたわ」
「待ってください!リーダーさんの為にチケットをあげたのなら、なんでリーダーさんがチケット2枚も持ってたんですか?」
「え、あー…」
フェルの言葉に言いよどむリオア…本当にアイドルのリオアなのだろうか…?なんかボロボロと言葉に信憑性がなくなっていく…。
「もしかして、リオアさんのマネをしたいファンなのか?」
「違う本物!?偽物だったらチケットの話とか出来ないでしょ!?」
自分の言葉に全力で否定するリオア…リオアさんの事に詳しければ、偽物か本物かを見切ることが出来るんだろうが…自分達はアイドルには詳しくなく、リオアさんの情報は昨日のライブくらいだ…。
「……すまない、偽物か?本物か?で話も進まない、だからちょっとリダさんにメール送って、真偽を確かめさせてもらいます」
こうなれば、わかる人に聞くのが一番だ、リーダーさんがログインしている事を確認して、メールのシステムを呼び出して、リーダーさんにチームゼロオーダーにアイドルのリオアさんがいるのか、またフェルの事を話したのか?と質問を書いて送る。
待つ事数分、リーダーさんからメールが来た。
『アイドルのリオアはうちのゼロオーダーの関係者ではある、そしてリオアは俺以上にレンナを知っていて、レンナとフェルの味方であり、レンナを裏切る事はない、それが俺が言える限界だ…。
これ以上はいえない……いや、あと一つ言えるとしたら彼女は謎のヒロインだ、正体が明らかになるまではあんまり探りを入れてあげないで…』
言える量に限界があるって、口封じされてる!?
フェルの情報は話した云々は書いてないけど、リーダーさん以上に自分の事を知っているてなに!?ちょっとしたホラーなんだが!?
それに最後のは、ヒーローは正体を知られてはならないというやつか?よくわからん…。
「どう?本物てわかった?」
「…最後に1つ、ゼロオーダーの工房の鍵とか持ってますか?」
「持ってるよ?」
リオアが自分が持っているチーム:ゼロオーダーの工房の鍵と同じものを取り出す、鑑定眼でみたら本物の鍵だ…リーダーさんのメールが正しいなら、本物のアイドル、リオアさんみたいだ。
「それで、リオアさん自分達を助けてくれたけど、もしかして、自分達に用とかあるんですか?」
「えーとね、一緒にイベントのクエストをやりませんか!」
『リオアからパーティー申請がきました』
はっきり言って、どうしてこうなったか良くわからなくて、怖いので断りたい…。
だがリーダーさんのメールが確かなら味方で裏切らないらしい…ならばそのメールを信じてみよう。
『パーティー申請を受理しました』
自分のHPバーの下に、リオアさんのHPバーが現れる。
こうして謎のアイドル、リオアさんと一緒に夏のイベントクエストをすることになった…。
まあ、最悪やばかったら、リーダーさんや妹のユリ、フレンドのアッシュルさんに助けを求めよう…まあ、そうならないことを祈るが。