リーダーリダの贈り物とアイドルライブ
「よし、取った写真をユリに送って、オッケーと…」
「ちょっと待って、なんでユリに送ったの!?」
「ユリに頼まれたからねー」
ユリはいつの間にリーダーさんにそんな依頼をしたんだ…。
「まあ、ユリは後で問い詰めるとして、ともかく作業スペースを貸してくれてありがとうございます!」
「気にしないでいいよ、個人で工房を持つのは大変だしな…あ、後これプレゼント」
『リダからサマーライブチケット×2がプレゼントされました。』
「なにこれ?アイドルリオアのライブチケット?」
「うわー綺麗な人ですね」
チケットにはファンタジーフリーダムを広告で宣伝していたアイドルが書かれていた、席はAと書かれていてなんか良い席そうだ。
でもこれってリアルマネーで買うやつだよな?え、こういうのてお高いんじゃ…?
「この後丁度20分後、スリー街にあるステージでやるから、プレゼントだよ、二人で観に行くといい」
「いいのか?リーダーさんは行かないのか?それにこれって貴重なんじゃ?」
「俺は前に見た事あるから気にしないで、チケットなんて簡単に手に入るから」
明らかに人気ありそうなアイドルのチケットが簡単に手に入るて何者なのリーダーさん?
「実はリアルが大富豪だったりする?」
「ただコネがあるだけだよー…それにリアルの事を探るのはマナー違反だぞ?まあ、いらないなら捨てても構わないさ、俺が好きでやってる事だしな」
「捨てるなんて勿体ないです!行ってみましょう、レンナさん」
「まあ、予定は無いし、行ってみるか…チケットありがたくいただきます、ありがとうございます、リーダーさん」
「楽しんでらっしゃい」
なんかリーダーさんからもらってばっかりで悪いなと思いつつ、フェルをジャケットの胸ポケットに入って貰って、リーダーさんに別れを告げて魔法陣にのって、スリー街にむかった。
チケットに記された場所に向かうと魔法陣があったので立ってみると、ライブステージに行くにはチケットを2名なので2枚使用してください、ライブは1時間あり、また途中退室したら戻れませんと注意案内が出てきた。
…しかしフェルにもチケット必要なんだな、なんか凄いな。
時間は問題ないのでチケットを消費して魔法陣を起動させる。
視界が真っ白になって、それが元に戻ると、自分はステージがよく見える場所の席に座っていた、ざわざわと色んな人達が話していたり、ソワソワしていたりしている。
「ここがライブステージか…」
ゲーム内とはいえ、アイドルのライブなんて始めて来た、なんというか始まる前から周りから熱を感じる。
「なんか凄い力を感じます…」
「まあ、色んな人がいるからな…高レベルな人の力を感じたんじゃない?」
フェルが辺りを見渡す、凄くソワソワしている。
自分も辺りを見渡す、金属防具を着込んでいる観客…プレイヤー達が多い、またしっかりキャラメイクしているのか、イケメンや美女が多い…。
これ全員リアルでは、自分と同じ装置をつけているだな。
そんな事をぼんやりと思っていると、照明が暗くなり始めた…これから始まるのだろう。
「みんな~今日は来てくれてありがとー☆」
バッと光のエフェクトを纏って、ステージに一人の少女が現れる。
長身で青髪青目、巨乳長身の美少女キャラ…リオアだ、照明も彼女だけを照らし出す、キラキラと派手な衣装が光を反射して幻想的なオーラを醸し出している。
「うわー…凄いかわいい人ですね、とても魅力的です…」
「そうなのか?」
偏見かもしれないが、美少女、イケメンが多いゲームの世界の住人であるフェルが、凄くかわいいと評価するって相当なんだな…もしかして魅力が上がるとかそういったスキルを持っているのか?
リオアが現れると同時にステージは熱狂に包まれる、光る棒を振り回す人もいる、サイリウムだったけ?始めて見た…ファンタジーゲームの世界なのにあるんだな…。
しかし知識不足のせいなのか、自分のパッションが足りてないのか、この熱狂についていけない…
「それじゃあ最初に一曲いっくよー!☆」
こうしてリオアのライブが始まった。