新しい防具を作ろう!
「おおー、両方生産クラスなのに予想以上に強くなったね、それくらい強くなれば、後は今作って貰ってる布で防具を作れば、フォー街にも行けるかもね?」
「ユリ、自分はスリー街もまともに観光出来てないし、急いでフォー街に行く予定は無いぞ?それに高いMPと知力は有効活用できてないし…確かに強くはなったが過信はしたくないぞ」
知力は攻防含めた魔法関連全般だ、魔法防御力という意味では役に立つが、MPは戦闘で使える魔法もスキルもない現状、鍛冶の機械を動かす燃料にしかならない…というか、そろそろ自分も戦闘技を覚えたい…。
「そっか…それもそうだね、お兄ちゃんのペースもあるからね、私的には早く私と同じ位になって欲しいけどね」
「38レベルて、いくらなんでもすぐには無理だぞ…」
いや、もしかしたらもう40レベルとかになってそうだけど…。
「と、用事があるから私は離脱するね、お兄ちゃん」
「うん?どっか行くのか?」
「うん、私はゲームでもリアルでも沢山予定を入れてるのよ、じゃあね!フェルちゃん!」
「はい、さようなら、ユリさん!」
何処かに去るユリ、予定たくさん入れてて大変そうだな…そんな事をぼんやりと思いつつ、リーダーのいる工房に戻った。
「おかえりーいや違うか、いらっしゃいレンナさん…随分と強くなったね」
「わかるの?」
出迎えてくれるリーダーその傍らには布の束が置かれていた。
「相手のステータスを見抜くスキルを持ってるんだ、レンナさんくらいの実力なら見抜けるよ、まあ多用すると良くないから、基本的に使わないようにしてるが…後依頼された物が出来たよ、自信作だ、これ一枚でコートかジャケットを1つ作れるぞ」
「なにそれ凄い…布も凄い…」
「……綺麗ですねレンナさん」
布に触れて広げてみる、手触りはツルツルして手触りが良い、色は白と青の2色、鑑定眼で布を見てみる。
『空の布×2
リダが作った魔法の布、丁寧に作られた一品、品質は極めて高く、防護性能が高い』
「色は二人の髪色と合わせてみたけど、問題なかった?」
「ああ、問題ない、せっかくならジャケットは青、コートは白にして作るか?フェル?」
「はい!そうしましょう!」
フェルの返事を聞いた自分はリーダーにお願いして、裁縫の作業スペースを借りた。
「いい布を使う程に難易度が上がるから、無理そうなら言ってくれ、アフターサービスで作る位はするよ」
「いや、これでも生産クラスだし、器用もかなり上がったし、自分とフェルの力で頑張って作るよ」
リーダーさんの手助けを断り、妖鉄の裁縫箱を取り出す。
レシピでジャケットを選択して早速裁縫を始める。
「リジェネレート、フェアリーウィッシュ、スリップガード、スピードアップ、エレメントブースト!」
フェルが補助魔法を受けつつ、ガイドに従い、布を切り、糸の通った針を作られた布に通す。
「なんかムズイ!」
ガイドがあやふやで、消えたり表示されたりして明らかにミスを誘ってくる、それに時間がすぎるほどなんか集中力が途切れるし、気だるくなる…でもHPが減ってるのと違う感覚なんだよな?MPでも減ってるのか?
「レンナさん、そこを繰り返し縫ってください!」
フェルの言葉でガイドが強く、しっかり強調表示される、原理は分からないがナイスだフェル!
「フェル!わかるならこのままサポートを頼む!」
「はい!」
数十分時間をかけて布と格闘して、なんとか完成させた…疲れた。
「うわ、二人がかりとはいえ、その布使いこなすのか…スキルレベル的にかなりキツイはずだったのに、相当リアルでも器用なんだな…」
「まあな、手先の器用さには自信あるよ」
後はフェルのコートも作らないとな…リジェネレートのおかげで疲れが抜けていく。
このままコートも作れそうだ。
「フェル、コート作る元気あるか?」
「はい!いけますよ!」
自分達は勢いのままコートを作り始める、あれだな、ランナーズハイに似た状態なのかな?まあ、とにかくコートも作るぞ!
コートも同じように悪戦苦闘したものの作り上げることが出来た。