甘い、甘い時
「ふう、なんか今日は食べるの精神的になんかキツかったな…」
夕食を食べた後、学校の勉強した自分は寝る1時間前にファンタジーフリーダムにログインする。
ファンタジーフリーダム内でフォンダンショコラをたくさん食べたが、勿論現実のお腹に影響はないはずだが…気分的な問題か夕食の時ちょっとお腹は空いているのに空腹感が低くて大変だった。
因みにユリは今日の夜は別のゲームの配信をするみたいなので、今日はもうログインしないらしい。
「あれ?レンナさん、どうかしましたか?」
「いや、フェルからのバレンタインプレゼントを確認したくてな…人化解除」
そう言って、妖精の姿になってから、アイテム一覧に入れていたフェルからのプレゼントを取り出す、妖精の体格ならプレゼント箱は丁度いい大きさだ。
「えへへ、是非見てください!」
フェルの言われるがままプレゼントの包装を開ける…すると箱が姿を現し、箱の中には猫や犬を模した……これはチョコ菓子か?精巧に作られていて、フィギュアにも見える…。
「………まじか」
実はキャラクターを模した食べ物は苦手なのだ…小学1年…子供の頃食べれたのだが、母親のイタズラで食べられたキャラの演技をするというたちの悪いイタズラをされて以降、食べるのが苦手になってしまった…。
「あの、レンナさん…それはただのそ装飾のフィギュアですよ?本当のプレゼントはその蓋の下です」
「え!?」
「ユリに教えて貰いましたよ、生き物を模した食べ物は苦手て…だからそういう食べ物は作ってませんよ」
「そ、そうか…ありがとう…」
箱を調べてみると、蓋が外れた…動物のフィギュアはフェルの言う通り、蓋の方についていた…。
箱の中にはアースキーと火光が描かれた大きめな丸いチョコと……フェルの妖精の羽とこれは自分が妖精になった時に背中に現れる銀の羽…のチャームのようなアクセサリーが入っていた。
「リオア…ユリみたいに凝った料理は難しかったのでアクセサリーをつけてみました!」
「…そうかありがとう」
アクセサリーをじっと眺めてからそっとアイテム一覧にしまって、チョコを見る。
良く見てみると、チョコペンで描かれたものみたいだ
「凝った料理は難しいと言っときながら、かなり凝った事してないか?このアースキーと火光のチョコ絵とか凝ってないか?」
手にとってみる、すると指先が裏面に凹凸があることを感じ取る。
多分人間状態の指だと確実に見逃す位僅かな凹凸だ。
「うん?」
その指の感触が気になりチョコをひっくり返すとそこにはハートマークがあった。
「……………」
「な、何か反応してくださいよ…」
ハートマークにびっくりして硬直してたら、フェルが不安そうに声をかけてくる。
「すまん…なんというか嬉しさと恥ずかしさが出てきたんだ…ありがとうな…」
「そ、そうですか、それなら早速食べてください!」
フェルに促されて、チョコを4分の1位を口ににする。
甘くておいしい、妹のフォンダンショコラよりもストレートに甘く、体が熱くなる、HPバーの下に茶色いチョコのアイコンが現れている、何の効果かはわからないがそれが体が熱くなる効果だろう…。
「甘くて美味いな…それに体が熱くなるんだけど、なんか特殊な材料でも使ったのか?」
「はい!ユリが言うには2月で女性しか入れない特殊なフィールドでのみ手に入る特殊なチョコを材料に使ったんです!」
え?2月で女性しか入れない特殊なフィールド?
イベントフィールドの事か?でも運営からの最新お知らせを確認しても、そういった情報は出て来ない…。
「なにそれ?初耳だ…なあ、今日どんな冒険をしたか聞いてもいいか?」
「はい、いいですよ!」
こうして自分はフェルとユリ、ウランさんの冒険を聞くことになった……フェルのチョコを片手に。




