表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
歌の神託とアイドル、乙女の戦い
616/626

レイド戦のご褒美?

シックスの街の港に到着して、用事があるらしいアスタリスクと別れ、2人パーティになる自分とTT。


そんな中頭を過ったのはウランさんの言葉だ。

死ぬな、死ぬなら30分くらい後に死ね、あとおいしい思いをするならゆっくり帰れ。


要約するとだいたいこんな感じだ、フェルを連れてない以上死んでも重要なものを失うことはないはずだが…。


「レンナー考えながら歩いたら誰かとぶつかるぞー」

「と、すまんTT」


ぐいっとTTに引っ張られる、どうやらあと少しで人とぶつかっていたみたいだ…TTに感謝せねば。


「…なあ、TT今日はこれで冒険終わりで良いか?」

「うん?なんか用事が出来たのか?」


「ああ、気になることがあってな」

「まあ、時間も時間だし、今日はここまでの冒険にするかーじゃあ俺は換金品売ってからログアウトするからじゃあな!」

「ああじゃあな」


TTと別れをつけでパーティを解散して1人になる。


「……ユリのマイホームに帰るか…」


頭の中に浮かんだ1つの考え、このファンタジーフリーダムは自分達含めたプレイヤーは死んでもマイホームに戻されるだけだ。


それでウランさんが死ぬなと言うのなら、ユリのマイホームに何かあるのではないかという結論だ。


「……ま、ゆっくり帰るか」


悪意ある敵の言葉ならダッシュで帰るべきだが、ウランさんは明確な味方だ、ゆっくり帰れという言葉を真に受けた方がきっといいのだろう。


そう考えて普段より半分の歩行スピードで自分はユリのマイホームに向かうのだった。




「ただいまー」


ユリのマイホームに帰るとユリとフェルが居た。


「「おかえりなさい」お兄ちゃん」


2人が出迎えてくれる、2人共服装がエプロン姿になっている…またリーダーさんにお願いして作ってもらったのかな?そんな事をぼんやりと思っていると、2人がキレイにラッピングされた箱を取り出す、勿論2人共それぞれ箱のサイズが違う。


「さて、お兄ちゃん、早速だけどこれをプレゼント!」

「丹精込めて作りました…」

「あ、ありがとう…?」


困惑しながら受け取る、なに?今日なんかあったけ?バ、バレンタイン?いや、今日ではないよな…?でもゲームのイベントで季節イベントが前倒しで発生したりするし…。


「えーと、開けていい?」

「うん、いいよ!」


ユリの言葉を聞いて、ひとまずユリからのプレゼントを開ける、フェルのプレゼントは小さい為、開けるならば妖精状態で開けたい。


リボンを解き、箱を開けると中にはキレイにカット済みのフォンダンショコラがワンホール入っていた。


もしかしてユリ達がこれを作っている事をウランさんが知っていたから死ぬな、死ぬなら30分後位に死ねと言っていたのか…?


「…えーと、確認なんだけどバレンタインのプレゼント…か?」


「そうだよーちょっと前倒しだけどね、わからなかった?」


念の為に確認をする、バレンタインのプレゼント…まあ、妹からは毎年既製品であったり、簡単な手作りは貰っているけど、ここまで凝ったものを貰ったのは初めてかもしれない。


「随分手の込んだ物を作ったんだな…」

「この世界なら片付けとか大変な所をスキップ出来るからね、その分凝って作ったよ、あ…錬那の方にもあげるから安心してね☆」


「あ、ありがとう……でもホワイトデーのお返しは2倍とか言わないよな?」

「…言ったら駄目?お兄ちゃん?」


「量が増えるだけでいいなら…」

「流石お兄ちゃん、話がわかる!」


ユリがぴょん!と喜ぶ、するとジーとフェルがこちらを見つめているのに気付いた。


「レンナさん、私の方も開けていいですよ!」

「…フェルの方は後の楽しみに取っておいていいかな?」

「……分かりました」


少し不服そうな顔をしつつもフェルは納得してくれた。


すまないなフェル…後で妖精状態になって、目の前で開けるからな…。


「それじゃあユリのフォンダンショコラを頂こう」


すでに切り分けられている為、そのうちの1つを手に取る、一瞬手を洗う事が頭をよぎるが、ファンタジーフリーダムの世界は手にバイキンとか付くことはないだろうと思いそのままぱくりと食べる。


「うん、上手いな…しかし珍しいな、ユリがフォンダンショコラをプレゼントとして選ぶとは友奈の時は分けるの渋るのに」


「むー!そんな事を言わないでよ!」


ぷくーとほっぺたを膨らますユリ、そんな表情がなんだが面白くて自然と笑い声を出してしまう。


そんなこんなでフォンダンショコラを食べ終わった時は丁度夕食の時間になり、ひとまず自分達はログアウトするのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ