予期せぬゲートルーラー
妖精火門の魔法陣と妖精氷門の魔法陣が合体して1つの魔法陣が出来上がる。
「エクスプロージョンガードポーション」
「すまんTT耐えてくれ!ゲートルーラー!」
「はい!?虫、ガード!」
止めようがないのでTTに防御するように促す!
TTが身を守ると同時に魔法陣から無属性のレーザー攻撃が放たれる!
レーザーはサファイヤを貫くが、余波の爆風が辺りに響き渡る!
爆音で何も聞こえないが、視界端のTTのHPバーが2割ほど減った…こっちはギリギリ吹き飛ばされずに済んだ……。
「TT…生きてはいるか、すまん…なんか出ないはずの必殺技がでた…」
「か、構わないが、船は沈没しないよな?」
壁際の方向からTTの声が聞こえる、どうやら吹きとばされて、壁に叩きつけられたみたいだ。
一応周りの床を見たが、水漏れとかそういう沈没の要素はなかった。
サファイヤも床に転がっていたが、凄く壊れかけだ。
「…タイミングを合わせれば合体技が発動すると」
「ウランさん…もしかしてさっきのゲートルーラーはウランさんが何かした?状況的に見てフェルに妖精氷門を使うように指示した?」
どうやってかは何となく分かる、ユリとウランさんは同じチームに入っている以上、フレンドなのは間違いないだろう。
ならば後はメッセージ機能でユリ経由で何分になったらフェルに妖精氷門を使ってとお願いすれば問題ないだろう…ウランさんの言葉的にユリとフェルが一緒にいるのは知っている口ぶりだし。
「ええ、妖精門の力はフェルとユリから聞いていたからね、もしも別々の場所で同時に使ったらどうなるか見てみたかったの」
「…これフェルの所でもゲートルーラーが発生してたらと考えたら大丈夫なのか…?」
「……………………………大丈夫みたいよ、何も起こらなかったて」
あ、ウランさんの目の前にシステム画面が現れる、フレンド機能からのメッセージで確認したな。
「おーい、レイドバトル中だぞ、レイドボスがダウンしたなら追撃を…」
TTがそう言いながらサファイヤに向かって走り出すが…パキン!!と甲高い音を響かせながらサファイヤが砕け散った。
「え?」
「ああ、くそ、ラストアタック持っていかれた!」
「あー他のプレイヤーの攻撃で持っていかれたわね」
誰も攻撃してないのに砕けたサファイヤに驚く自分、悔しがるTT、全然悔しがっていないウランさんとそれぞれ反応を示す。
『レイドバトルリザルト
参加者:72人
MVP:TT
貴方の達成ボーナス
トリガーハッピー、最大火力の砲撃手
獲得報酬が120%になります』
そんな中レイドバトルのリザルトが目の前に現れる。
「あ、TTがMVPなのか!?」
「まあ、海の中に結構な敵が居たからな、それを1人で撃破していたのが響いたかもな…それよりも脱出するぞ、この船も10分も持たずに沈むだろう、25Mしか泳げない身で溺死したくないだろ?」
「え、沈むのこの船!?わ、わかった、色々話したいけど今は脱出だ!」
こうして自分達は慌ただしく幽霊船の甲板にでる。
不思議な事に赤い船と黒い船の姿はなく、バタフライエフェクト号しかなかった。
「あ、私はここで離脱するけど、レンナ、帰るならゆっくりめに家に帰ってね!美味しい目に会いたいならね!」
「え、待って!色々と聞きたいことが!」
ウランさんを引き止めようとするが、ウランさんは幽霊船から飛び出したと思えばウランさんの足下に小型船が現れて、そのまま海に着地、ブーン!と素早い動きで何処かに去ってしまった…。
「おいしいめて何だ?」
「おーい、2人とも乗らないのか?TTはともかくレンナは泳げるのかー?」
バタフライエフェクト号からアスタリスクの声が響き渡る、ひとまずバタフライエフェクト号に乗ろう…色々と分からない所があったが、レイドボスに関してはTTに聞けばわかることがあるかもしれないし、そこら辺聞こう、そう思いながら幽霊船を後にした。




