セカンドクエストの結果と破損した妖精門の鍵(火)
『セカンドクエスト
苦痛と妖精とアースキーの失敗条件が15%、成功条件が100%の状態で終了しました。』
迷路森の外で、数字のクエストが終わりを告げる…失敗条件が15%なのはフェルがぐったりしていたり、自分が火傷で右手がボロボロのせいか?
『クエストの結果を反映します
花の糸を20個入手しました。
エリクサーを1個入手しました。
レシピ:妖精門の鍵を入手しました。
レンナは妖精門の一部を知る者の称号を獲得しました。』
『称号:妖精門の一部を知る者
妖精が使う門の力のごく一部を知った者に送られる称号、知力が増加して、特殊なレシピを使えるようになる。より知識を深めれば、特殊な力が使えるようになるかもしれない。』
「エリクサー…?フェルに使えというやつか?」
鑑定眼で貴重で強力な回復アイテムと知り、躊躇いなくフェルに飲ませる、するとフェルの両手の火傷がキレイに消えた。
「あれ…治りました…?」
「フェル!大丈夫!?どうしてボロボロになってたの!?」
エリクサーの力で治り、意識を取り戻したフェルに安堵しながらも、事情を聞く。
「火属性の妖精門の鍵とアースキーの力を使って、オオムカデに攻撃したんです…だけど鍵が破損してたのと、私の力が火と相性が悪かった結果、力の制御が出来なくなって…大ダメージを負ってしまいました…」
「妖精門の鍵てこれか?」
オオムカデから引き抜いた金属片を見る、鍵に見えないのは壊れているからか?
「ええ、これがあればあそこに行けると思ったんですが…壊れてるんじゃ…使えませんね…」
「あそこに行けるて…もしかしてフェルの故郷?」
そう聞くとフェルは驚いた表情をしてから、バツの悪そうな表情をする。
そしてコクリと頷いた。
「そうですよ…でも鍵は壊れてますし、それに故郷はきっと…」
「…化け物に襲われたのか?あの地魂の遺跡でみた童話みたいに?」
再び頷くフェル。
妖精冒険者と鍛冶屋…自分の一番好きな童話だ。
あれを読んだ後フェルの様子がおかしかったから、そんな可能性を考えてたが…その可能性が当たってたのか。
「ええ、故郷が異形の化け物に襲われるという私の状況と似ていて、読んでてびっくりしましたよ…でも童話と違って、きっと私の故郷は滅んでいます…」
「………故郷には帰りたいのか?」
セカンドクエストの報酬で妖精門の鍵のレシピが手に入った…フェルと話しつつ、ちらっとレシピを見た感じ、材料に破損した妖精門の鍵があった…つまり他の材料があれば、修理は可能なのだ。
だが直すかどうかは、フェルの意思を尊重するべきだろう。
「鍵は壊れていますし、私の力じゃ直し方がわかりません、帰った所で故郷が滅んでたら、帰る所にはなりませんし、それにもしも故郷を滅ぼした化け物と出会った場合、襲われてレンナさんが傷付くのは嫌です…」
随分と後ろ向きだな…顔も伏せて表情が読み取れない。
でも帰りたくないとは一言も言っていないし…さっきのあそこに行けると思ってたという言葉からして、きっと帰りたいという気持ちはありそうだ。
どちらにせよ、修理できるレシピがあるなら、直した方がいいはずだ、じゃなきゃわざわざレシピが報酬で出て来ないはずだ。
でも今日はここまでだ…流石にオオムカデと戦って…もう精神的にしんどい…リーダーさんに糸集めの報告とか全部明日にして、今日はもうユリのマイホームに戻って休もう…。
それにしても報酬で花の糸が出てきてよかった、もう迷路森には行きたくない…。