TTの追求
光御殿を出た自分はTTに引っ張られて移動用の魔法陣の上に乗る、あっという間にシンプルなワンルームに連れて行かれた。
「もしかしなくてもTTのマイホーム?」
「ああ、座ってくれ、ぶぶ漬けをだそう」
「それって帰れということか?連れてきてヒデェ扱いだな、そもそも俺等は京都人じゃないだろ…でどうしたTT」
TTのボケにツッコミを入れつつ、用件を聞く。
「なあなあ、いつの間にお前も人間やめたんだよ?」
「な、なんのことだ?」
「人化解除とか言ってきたろ…あと小さくなって背中から光の羽生やしているのはしっかり見えたぞ、土埃の舞う中、俺の猫の目は見逃さなかったぞ」
とぼけてみたが、誤魔化しようがない。
「まあ、あれこれあって妖精になったんだよ…人化で人間に戻っているけど…種族的には多分妖精になっている」
天使長ワンストと戦った際に自分は人間に効果ある力に影響されなかった為に、妖精になっている可能性が高い。
「なんで隠していたんだ?」
「別にいいだろ、ここぞという時に使って、妹を驚かせたかったんだよ…まあ、丁度よく使えるシーンがなかなかないけどな」
ニセリオア戦とか他のプレイヤーが居なければ妖精のまま戦うとかありだったんだけどな…。
「あー成る程…ニセリオアの騒動でレンナが空から降ってきたとか話にあったけど、妖精になって、飛んで天井まで行っていたのか、てっきりフェルの魔法で運んで貰ったのかなと思っていたよ」
TTが一人で色々と納得する、というかニセリオアのライブの時に居たのか?
「なあ、TTはニセリオアのライブの時に居たのか?」
「いや、俺は本物の方のステージにいて、リオアが急に少し開始が遅れます!本当にごめんなさい!といって何処かに去っていったの見ていただけだから、ニセリオア戦を実際に見たわけじゃないぞ、だけど誰かが録画してそれをアップロードしたのをチラッとはみたよ」
「おい、そんな物見るんじゃない…違法だろそれ?禁止て聞いた記憶があるんだが?」
「いや、確かにリオアのシークレットライブの録画、撮影は禁止されているけど、その制限があるのはリオアのステージ内のみだ、ニセリオアのステージにはそういった制限がなかったから問題ないぞ」
言われてハッと気付くそうか、ニセリオアのライブステージだからそういった制限がなかったのか…。
しかしこのままこっちの話ばかり聞かれるのはちょっと嫌なので、こちらも質問してみよう。
「TTは龍の力を隠したりしないのか?人によっては欲しがるんじゃないのか?」
「隠さないよ、おかげで一部のプレイヤーに龍の居場所教えてと追いかけられたり、勝負を挑まれたりするけど、まあ倒された所で龍の力を奪われたりはしないからなかなか刺激的な日々を最初は送っていたよ」
「今は違うのか?」
「今は俺を倒した所で意味がないと知れ渡っているからな…それに龍がかなり強いから例え会えたとしても多くのプレイヤーは一度あっさり返り討ちにあったら、諦めるよ…まあナンバークエスト欲しさに他人のナンバークエスト関連からナンバークエストを得ようとするのは基本良くないということだな」
そうなのか…やっぱり人以外の力とか欲しくなったり、接触したくなったりするんだな…。
ニセリオア戦でバレないようにしていたけど、妖精になるのは結構危険な橋を渡っていたのか。
「まあ、聞きたいこと聞けたし満足満足、さてシックスの街でもう一回冒険しようぜ」
「というか人に聞かれない為にTTのマイホームにつれてきたのか」
「そりゃあな、悪いやつに知られた結果、リオアは死んでも問題ないけど、フェルはそういう訳にはいかないからな…」
「おい、友達の命も大事にしろ」
そんなやり取りをしながらもTTのマイホームから出るのだった。




