決めろ!全力の一撃!
トロールは自分の攻撃が仲間のトロールに当たるとは思わなかったのか、怯む…そこを逃すわけにはいかない!
「人化!火の刃、風の刃!」
「人間!鹿!虎!プッシュボーン!」
人に戻ってから、火の斬撃波をトロールの顔面に叩き込み、怯んだ勢いも合わせて、転倒させる!
TTも攻勢にでて、もう1体のトロールを地面に殴り倒す、よしトロール2体が視界に入った今なら!
「妖精地門!」
「パージソウル、ドラゴンスタンプ!タイガーナックル!」
数多の大地の杭が2体のトロールを串刺しにする!
更にTTの力か、上から巨大な龍の足がトロールを踏み潰し、虎の手がもう1体のトロールを圧殺する!
トロール2体は原型も残らずに青い電子になって消えていった
「な!?嘘だろ!?」
「さあ、抵抗は無意味だ…降伏して2度とあのお店に近づかないと誓いな!」
TTが降伏勧告をしている間に自分はMP回復ポーションをごくごく飲む。
「ぐ…うう…」
取りあえず1本は飲めたので、これである程度戦えるようになった。
また何か召喚するのかなと身構えていたら、近くの扉がバタンと開いた!
「2人共…降伏勧告は無意味です、脱出しましょう」
「ルル!?脱出ていいの!?」
扉を開いて現れたのはルルだ、開けた扉は出入り口ではない扉、いつの間に他の部屋に行っていたの!?
「レンナ、良く分からんがここはルルに従った方がいいかもしれない、あんまり長居し続けると不利になるのはこっちだからな」
「わ、わかった…」
TTに言われて逃げようと決断する。
「な、ルル!?何故貴方がここに!?」
「さようなら」
召喚士の男が驚くが、ルルは召喚士の男を無視して屋敷の出口に向かう。
なんかちょっと可哀想に見えてきたが、相手は店内で召喚獣を出して暴れていた男だ、悪いことしていたし、自業自得だ…?
まあ、不法侵入した自分が言えた事じゃないかもしれないが…。
そんな考えが頭を横切りつつも自分達は屋敷から脱出した。
「なあ、ルル…お前何か手に入れただろう?」
ひとまず光御殿に帰還している時、TTがそんな事を言い出す。
「TT?どうしたの?」
「……レンナ黙って聞いてて」
「わかった…」
ひとまずTTの好きなようにさせる。
「………何故そう思ったのですか?」
「戦闘始まる前から身を隠していただろ、そして戦闘終了時館の室内から出て来た…レンナは騙せても俺の目には騙せないぞ」
「……まあ、貴方達なら明かしても大丈夫かな?」
ルルはそういうと1枚の紙を取り出して見せてきた、TTはそれを見る、その背後から覗き見る。
それは何かのレシピだった。
『楽園の彼方』
『スキル:錬金術を覚えてないのでレシピを獲得出来ませんでした。』
自分の力では錬金のレシピという事しか分からなかった。
「これは?」
「闇のレシピです、覚えているのを知られたら憲兵に追いかけ回されますよ?」
「うお!?危ねえ、鍛冶屋で良かった!」
思わず目を逸らす、覚えれないとわかっていても怖いものだ。
「あー闇のレシピ系か…成る程、憲兵に証拠として渡せばあの召喚士はおしまいだな」
TTは知っているのか、驚いた様子はない。
「え?でもそんなことしたら自分達が捕まらないか?誤解されない?現状レシピ持ってるの自分達だし…」
「安心してください、私の身内に憲兵と深く縁がある人がいるのでそちらに渡して後処理してもらいます」
こちらの疑問に答えてくれる…なるほどそれなら安心なのか…。
「ちなみにこの楽園の彼方てどんな薬なんだ?錬金術ということは薬なんだろ?」
「薬じゃ無いですよ、猛毒の麻薬ですよ」
なんでそんなやばそうなレシピを持っていたんだ、あの召喚士は…召喚士としても結構凄かったのに錬金術の才能もあったのか?
なんというか真っ当に生きていれば大成していただろうに…なんでそんなやばいものに手を出したんだ、あの召喚士は?
まあ、そんなこと考えても仕方ないか…。
そんな考えをしていたら光御殿にたどり着いた。