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鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
セカンドステップ、お金稼ぎと防具作成!
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苦痛と妖精とアースキー

「ーーーー!!!」


オオムカデが炎を纏って突進してくる、それを大きく横にジャンプして回避する。

オオムカデはぐるりと、長い体をうねうねと動かし、Uターンして再びこちらに突進してくる、炎は纏っていない。


「パワーアップ!スピードアップ!」

「おらぁ!」


フェルの補助魔法を受けて、ゲームだから出来る高いジャンプをすることで、オオムカデの突進を飛び越えて、オオムカデの体に着地と同時にオオムカデの胴体にアースキーを突き刺す!刺さりはかなり浅い。


「ぐう!?」


オオムカデがゴロンと、一回転して地面に投げ出される。


「リジェネレート!」

「回復ありがとう!フェル!」


不意に地面に投げ出されて、受け身をとれずに地面に叩きつけられて、ダメージを受けたが、フェルが回復してくれる。

だけどオオムカデは休憩する隙は与えてくれない、火炎放射な炎をこちらに吐いてくる。


「あっつ!」


多少肌を焼かれつつも、木を盾に炎から身を守る…現実なら木と一緒にすぐに燃やされるだろうが、ここはゲームの世界、木が消えない限りはこちらにダメージは無かった…。


まあ、簡単に燃えたら、花蝶の芋虫が放つ火の玉で常時森が火事になってるから、ここの木は火炎放射の火なら防げるだろうと思ったが、正解みたいだな。


「まったく、化け物め!」


オオムカデが火炎放射し終えたのを確認して、木から飛び出して、アースキーで刺しに行く、火炎放射を吐いた反動か、オオムカデの動きはゆったりで攻撃を当てるのには苦労しなかったが、一撃を突き刺すと、オオムカデは足を高速で動かして暴れ始める。


アースキーを引き抜き、距離を取ることを余儀なくされる、近寄らないと攻撃できないのに!


「ぐう…攻撃をする隙が少なすぎる…」

「レンナさん!オオムカデの頭に刺さってる金属片が赤く輝いてる間は、火を使った攻撃をしてきます!気を付けてください!」


金属片が輝く時に火をつかってくる?オオムカデは金属片の力を取り込んでるということか?何だよそれ、どんな進化だよ!?


だけど…それなら金属片を引っこ抜けば大ダメージと炎の力を奪えるかも。


「ーーーー!!」


再び炎を纏って突進をしてくるオオムカデ、頭に突き刺さった金属片は赤く輝いている。


「まったく炎を纏ってきたら攻撃ができねぇ!」


大きく横に飛んで突進を回避する、オオムカデは勢いを殺しきれなかったのか、木に激突して炎を散らして動きが鈍くなる。


「チャンスか!」


フェルの補助魔法、スピードアップの恩恵を受けたジャンプでムカデの体に乗り移り、オオムカデに刺さってる大きな金属片に右手を伸ばす。


ジューと右手に熱い痛みと共にHPが継続的に減り始める、金属片そのものがダメージを負うほど高温になってるのか…。


「舐めるな!!」

「スリップガード!」


火傷の痛みはリアルで慣れている!無理やり引っこ抜こうとする、フェルも継続的ダメージを減らす魔法でサポートしてくれる。


だがオオムカデだって静かに抜かれるのを待つわけじゃなく、暴れ始める。


「アースキー!」


左手で持ってたアースキーをオオムカデに突き刺して、オオムカデの大暴れに振り落とされないようにする。

右手が焼ける以上短期決戦だ!


「これはお前の物じゃない…貰うぞ!」


別にオオムカデを倒すのがセカンドクエストの成功条件じゃない、この金属片を引き抜けば後は逃げればいい!


「ぐうううう!があ!?」


ズブリと大きな金属片が少し抜けたと思ったら、オオムカデが木に激突した結果、その木が自分と接触して、吹き飛ばされた…。


「レンナさん!?」

「いたた…やばい、アースキーが持っていかれた!」


地面に転がされたが、再び立ち上がり、回復薬を飲んで死にかけのHPを回復する…なんで生きてるかわかんないくらいにギリギリのHPだ…不屈でも発動してるのか…?


そんな思考しつつ、オオムカデを見ると頭部にはアースキーが突き刺さっていた、金属片と合わさってオオムカデに大きな角が2本生えたみたいだ…


「そんな!?アースキーまでも取り込まれたんですか!?」

「いや、まだだ!フェル!アースキーに土の力が強く宿るようにイメージして、そしてその土がオオムカデを地面に縫い付けるように!」

「わ、分かりました!」


オオムカデの突進を避けながらも、自分も強く土の力がアースキーに宿る事をイメージする、頼む!発動してくれ共鳴の効果!地面に縫い付ける事が出来なくても、アースキーが土を纏えば、突き刺さっているオオムカデの内部を傷付ける事はできるはずだ!


するとアースキーが茶色く光り輝いたと思ったら、ズン!とオオムカデの顎と思われる所から土が突き抜け現れ、それが地面に深々と突き刺さり、オオムカデの動きを封じた!


共鳴の効果でアースキーが自分達のイメージに答えてくれたか!


「凄い…アースキーの力ですか!?」

「ああ、ナイスだアースキー!」


金属片を引き抜く最大のチャンスだ!

嫌悪感を振り切り、オオムカデの頭にジャンプで乗り移り、金属片を右手で握り、左手はアースキーの持ち手を握りしめる。


「うん?なんか金属片に力を感じない?」

「パワーアップ!今ですレンナさん」


金属片が熱くない、それになんか金属片の力がなにかに吸い取られている?いや、そんなことよりも引っこ抜かねば!


「ぬおおおおおおお!!!」


全力で金属片を引っこ抜く…異質な手応えを感じながらもじわりじわりとオオムカデから抜けていき…。

グシャリと異音と共に金属片が引き抜けた!


「アースキーも抜けろ!可能ならオオムカデを地面に縫い付けたままで!」


そう願いを込めて、アースキーも引き抜き、オオムカデから降りる。


だが自分達の祈りは届かなかった、アースキーが抜かれた影響で、オオムカデを貫いて地面と縫い付けていた土はボロボロ崩れて、オオムカデが自由を取り戻した。


「な、まだ生きてます!オオムカデ!」

「まったく頭に穴開けても動き続けるなんてこれだから虫は嫌いなんだ!」


未だオオムカデが穴の開いた頭から赤いエフェクトを吹き出しながらも動くのを確認した自分はもう目的の金属片が右手にあるので、迷路森からの脱出に方針を切り替えた。


「スピードアップ!リジェネレート!」


フェルの補助魔法を受けて、木々を縫うように走り抜ける。

それを追いかけてくるオオムカデ。


「くう、しつこい!」


オオムカデが火炎放射したり、炎を纏って来ないのは金属片を引き抜かれた影響なのだろうか?

くそ、木が邪魔で真っ直ぐ走れない!そのせいなのか迷路森から出れない!

どちらにせよこのままだと追いつかれる!


「……レンナさん!先程引き抜いた物を私の近くに!」

「わかった!」


金属片を胸ポケットまで持っていくと、胸ポケットに入っていたフェルが金属片に触れる。


「鍵とレンナさんのアースキーに接続、魔力供給は………レンナさん!アースキーと金属片をオオムカデを見て地面に突き刺してください!」

「わ、わかった!」


逃げるのをやめて、振り向きムカデを見る、頭に穴をあり、そこから赤いエフェクトを撒き散らしながら走る姿はゾンビみたいだ。


「なんとかなれ!」

「はあぁぁ!全魔力開放!」


フェルの言葉に従い金属片とアースキーを地面に突き刺すと…。


ドン!!!


オオムカデの足下が爆発して溶岩のような炎が吹き出し、オオムカデを飲み込む…あれ?でもオオムカデて火耐性あるのか?それとも火耐性は金属片で得ていたのか?


とにかくこれで終わってくれと祈っていると、炎が消える…そしてオオムカデが赤いエフェクトを纏って消えていくのを確認した。


「倒せた…のか?フェル、助かった…」

「…………う…なんとか…………なって………よかった…」

「フェル!?」


ぐったりとしているフェル、両手が火傷してるかのように怪我している!?


「まって、すぐ回復薬を使う!」


回復薬を取り出して、ゆっくりとフェルに飲ませる、だけど両手の火傷は消えない…なんで!?金属片に触れただけでこんなにダメージを負ってるの!?


自分は、最初オオムカデから金属片を引き抜く際にダメージを負ったが、オオムカデから抜いた後は、ダメージを受けていない…なんで?


「もしかして、上位の回復薬や回復スキルじゃないとだめなのか?」


自分の最大のHPが低いから、安い回復薬を使ってたが、それが仇になったのか?

くそ!取り敢えず脱出だ!リーダーさんかアッシュルさんなら、良い回復アイテムや回復スキルを持ってないかな!?


焦る気持ちを抑えながら、自分は迷路森を脱出した。

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