謎のローブの女性と護衛依頼
「あらまあ、いい掘り出し物だわ、これほど強い護衛が雇えるなんて」
戦闘を終えたら、ローブの女性は嬉しげに評価してくる。
「それでどこまで護衛すればいいんだ?」
「そうね、ひとまず職場までお願いできるかしら?」
TTの言葉にローブの女性はそう言ってあるき始める。
自分達は周囲を警戒しつつもローブの女性についていく。
「えーと、職場て何しているの?」
「お酒を飲む場所の接客スタッフよ」
「キャバクラのスタッフか」
質問して返ってきた内容にTTがそう決断付ける。
「それは偏見じゃないか?」
「あら良いのよ?当たっているし…治安の悪い所で営業しているから、トラブルが絶えないのよ…今日も襲われそうだからどう逃げようかと考えていたら、貴方達とあったのよ」
「そうなのか…」
TTを注意しようとしたら、ローブの女性が肯定したから注意を止める。
「貴方達はどうしてあんな裏路地に居たのかしら?そちらの格闘家はともかく、そっちの女の子のような男の子は明らかに裏に来てはいけないような感じがするわ」
「クエスト…仕事を探していたんだ、丁度護衛の依頼が転がってきたから受けたんだ、しかしレンナは善人に見えるんだな」
「その言い方だとTTは中立か悪人的な感じになるけどいいのか?」
「別に構わないよ、そこそこ悪い事もしたことあるし…」
「何したのさ…」
そんな会話をしながら歩いていると、ネオン色の強い、ビカビカ光る看板が出迎えてくれる。
『光御殿』
その看板の下には屈強な大男が立っていた、ムキムキで腰にはメリケンサックが吊るされている。
「守ってくれてありがとうね、もしよければお客さんとお礼をさせてくださいませんか?」
「いや、未成年なんで結構です」
「安心して、ソフトドリンクもあるわよ、流石に未成年の方にお酒を飲ませるなんてしないわよ」
「レンナ、せっかくだしお試しで入ってみないか?」
断ろうとしたらTTは乗る気だ、ソフトドリンクがお礼で貰えると言われても、個人的にはなんか気が進まない。
「…レンナ、クエストはまだ終わってない、気を抜くな」
「あ!」
ボソリとTTが囁く、それでクエストが終わってないのに気づく。
「……お礼だしな、やっぱり頂こう」
「決まりね!さあさあ入って!」
ローブの女性に押されるように光御殿の中に入店する、するとムワッと香水の匂いが鼻を刺激した。
「………凄い匂いだ…」
ちょっと頭がクラッとしてしまう。
「おーい大丈夫か?」
「大丈夫だ、匂いに怯んだだけだ」
TTに心配をかけつつも辺りを見渡す。
店内にはチラホラお客さんが居て、スタッフの女性と楽しげに話している。
「ほら座った座った」
ローブの女性に促されて、座席に座る。
「ほら、ソフトドリンクは…5杯まではただにしてあげ」
「5杯も飲まないよ…」
チラッとドリンクメニューを見る、そこそこ高いが、払えない額ではない。
まあ、ただで貰えるから、オレンジジュースを貰う。
「俺はミックスジュース!」
TTはミックスジュースを頼んで飲んでいる。
そんな中、のんびりと店内を観ている、ローブの女性のように豊満な体の上に水着を着て、接客をしている人やフリフリのゴスロリ服を着て接客している女性もいる。
「なあTT、これがキャバクラなのか?現実でもそうなのか?」
「そこまでは知らんよ…行ったことないし」
「行っていたら大問題だよ」
そんな会話をしているローブの女性が話しかけてくる。
「ねえ、貴方達てどれくらい強いのかしら?教えて欲しいわ」
「え、俺は龍と渡り合えるくらいかな…そこら辺の敵なら問題ないぞ」
「自分は…堕天使とやり合えるくらいかな?でも相棒ありきだからうーん、強さの表現が出来ないな…まあ、TTよりちょっと弱い程度かな?」
「まあ、レンナの強さは相棒ありきだとしても、ソロでも俺と同じくらいやり合えるだろ?」
「どうだろうな?一応ナナサカさんに鍛え上げれたけど…また戦ってみるか?」
「まあ、クエストが終わって暇だったらな」
そんな会話をして過ごしていると、ざわざわと店内が騒がしくなり始めた。