ティターニアの像納品後
「すげーな想像以上の物を持ってきてくれたな!」
アスタリスクにティターニア像を納品するとアスタリスクは大いに喜んでくれた。
「そうなのか…?」
「ああ、他の人に1度頼んだんだが、造形が結構雑だったんだよな…」
あー作る人の技術によっては結構変わってくるのか。
「ともかくありがとうな!これを船の中心に置けばバタフライエフェクト号の完成だ!それじゃあもしもまた船が必要になったら呼んでくれ、暇だったら力を貸そう!」
「ああ、シックスの街まで運んでくれてありがとうな」
アスタリスクと別れを告げて、フレンド機能でTTにメッセージを送り、TTと合流する。
「よお、依頼は一段落したみたいだな」
「ああ、それでシックスの街でクエストを受けるんだったんだよな?どんなクエストを受けるんだ?」
「特にこれだというのは考えてないよ、取りあえず裏路地でも歩いてみるか、トラブルに巻き込まれてクエストに発展するかもな」
「行き当たりばったりかよ」
行き当たりばったりに歩き始めたTTを追いかけ始める。
するとどんどんTTは裏路地というか人通りが少ない所に歩いていく、すれ違う人もフードを被って顔を隠す人が多くなってくる。
良くない所に来た感じがひしひしと感じる。
「おーい、TT…引き返したほうが良くないか?流石に悪質なプレイヤーに襲われたりしたら対応厳しいぞ…」
「大丈夫だ、強いPKほど情報収集を念入りに行う、そしてレンナの情報を知れば大抵は手を引くぞ、チームゼロオーダーと深いつながりのある人とか手を出したらどうなるかはPKの多くは知ってるからな」
「そうなのか…?」
まあ、ナナサカさんやリーダーさんと対立すると考えたら、関わらんと思うのかな?
そんな事を考えていたら、自分達を防ぐように1人の女性が立ちふさがった。
ローブを纏った大人の女性で、ローブの隙間から豊満な胸や過激なインナーを着ているのがみえた。
「あら?そこのお兄さん、こんな所に可愛い妹を連れてくるのは感心しないわよ」
「ぶは!!」
女性の言葉に吹き出すTT…TTの妹とか、かなりごめんだな…。
「済まない、彼は見た目は女の子だけど、男だよ」
「あ、あらごめんなさい…もしかして血の繋がりもない感じかしら?」
「ああ、ただの友達だ」
そういうとローブの女性は少し考えてから口を開く。
「貴方達て見た感じある程度戦えそうよね…私の護衛とかする余裕あるかしら?」
その言葉と共に目の前にクエスト画面が現れる。
クエスト名は見知らぬ夜の花の護衛…クリア条件は女性の護衛、失敗条件は女性の死亡、または護衛失敗と書いてあった。
「よし、受けようぜレンナ」
「…まあ、守るだけだし受けようか」
はいと押すと、女性が喜んだ。
「よかったわ、最近治安が悪くてね…ほら周りを見てみなさい」
言われるがまま辺りを見渡すと、ぞろぞろとチンピラが現れる、明らかにこちらを見ているし各々武器を取り出している、敵意丸出しで完全に敵なのがわかった。
「早速戦いか、レンナやれるよな」
「…こっちが女性を守ればいいんだな」
「ああ、虎鹿熊!」
言葉を交わし終えるとTTは自己強化して近くにいたチンピラに攻撃を始めた!それを皮切りに、他のチンピラが襲いかかってくる!
「火光!アースキー!」
こちらも二刀流でチンピラの武器を吹き飛ばしては蹴りで蹴り飛ばす!蹴りなら死なないだろう!
「おら!マシンガンジャブ!竜巻脚!」
そんな中TTが数多の攻撃でチンピラを薙ぎ払う!
「……殺してないよな?」
「殺してないぞ!」
あっという間にチンピラ達を薙ぎ払えたが…余りにも強さの格差がありすぎて殺ってないか心配だったが、どうやら殺ってはないみたいだ…いや、悪人だろうから殺ってもいいんだろうけど…。