ニセリオアを撃破せよ!
「風の刃!」
襲いかかってくる他のプレイヤーに火光で攻撃する。
「ぐう!推しの妹に切られるなら本望!」
「いや兄だからな!?」
風の刃を食らって魅了が解けた他のプレイヤーが幸せそうに消えていく。
思わずツッコミしていると、次は布の服を着た人が殴りかかってくる!
「これNPCか!?」
鑑定眼で布の服の性能を把握するが、明らかにプレイヤーが着る性能ではない。
「リーダーさん、助けてください!こっちは殺さずに倒す技なんて持ってないです!」
「わかった!スマンナナサカ!パラライズフィールド!」
「おま、リダ!それやめあばばばば!」
リーダーさんの魔法で周囲に雷のエフェクトが迸り、体がビリビリするが、動きを阻害されるほどではない…だがNPCと思われる人は身動きが出来ずに膝をついた。
「レンナさん以下の実力者を麻痺させる地点指定型広域魔法だ!一部例外も居るけど今のうちに偽物を倒すんだ!あえて魔法を斬らなかったナナサカの犠牲を無駄にするな」
例外てナナサカさんの事かな?格上なのに目に見えて麻痺ってるし…。
「もうこうなったらレンナだけでも!」
もはや魅了されたプレイヤーやNPCに頼れないと理解したニセリオアがヤケクソ気味に突撃してくる。
「アサルトピアース!」
「火の刃!」
ニセリオアの一撃を受け止めて確信する、遅い、本物のリオアより遅く感じる…リオアの強化の影響か?
「トリプルスラッシュ!スラッシュスライド!ブレイブスラッシュ!」
違う、がむしゃらに攻撃を行っているだけだ、リオアと違って自己強化する様子もないし、フェイントとかを仕掛ける様子もない。
なにこれ?もしかして戦闘能力は模倣出来てない?
「それならば地門!」
「きゃあ!?」
地門で足下から攻撃を仕掛けると、回避することもなくあっさりと当たってコケた。
「いや、死にたくない!」
「と、トドメ!」
ニセリオアが命乞いをするが、いくら見た目がリオアでも自分の背後に本物のリオアが入る状況で命乞いを受け入れた日には妹の機嫌等が底辺まで落ちるだろう、それに降参を呼びかけたのを蹴った以上、もう受け入れてやる理由もない!
「アースキー!」
グサリ!とアースキーが深々とニセリオアに突き刺さると同時にぐにゃりとニセリオアの輪郭がぼやける。
なにこわ!?となっているとニセリオアの姿が包帯でぐるぐる巻きのモンスター…ミイラか、ともかくミイラの姿になった。
「ま、魔法がとけたああああ」
「火の刃!」
声もリオアではなくおぞましい声に変わっていて、自分は思わず火光で追撃を放つ!
…なんか中途半端にトドメ刺したら呪われそうだしキッチリ燃やし尽くさないと!
「ああああ………あ………」
火光の火に包まれたミイラは赤いエフェクトを発して消えていった。
「お、終わったか」
ニセリオアが最後ミイラのモンスターになったのはビックリしたけど逆に安心した、人を殺した事になってしまうのかなと心の片隅で思ったからだ…。
いや、他のプレイヤーさんを殺ってしまったが、自分含めてプレイヤーは生き返るしノーカンと言うことで…。
「終わった!リーダー!ニセリオアのライブに来たファンの情報て集められる?」
「無茶言うなよ…時間がかかるぞ」
「お願い、集めて欲しいのどこでニセのチケットを手に入れたか分からないけど、変な戦いに巻き込まれて終わりじゃ良くないからね、ライブに招待したいの」
「わかったよ、かし1つつな」
リオアとリーダーさんがそんな会話を交わす…。
「なあ、リオア…この前チケットをくれたのは間違いないよな?」
「うん、リーダーとレンナにはあげたよ」
「そうか…」
そう言えば自分はいつ偽物のチケットになっていたんだろう?そう思いリオアに質問したが、やはり最初は本物のなのは間違いないはずだ、もしかしてチケットを落とした時か?
チケットを拾ってくれた人もリオアのファンのようだし、なんだっけ?ミラレットという名前だったけ、あの人のチケットと入れ替わったのか?
「まあ、そうだとしても過ぎたことか…」
あーだこうだ言った所で意味はない。
「私はそろそろ本来のライブをしに行かないと!それじゃあ行ってくる!今回は何故か駄目になっちゃったけど、次こそはライブに来てもらうからね!」
「え、ああ…行ってらっしゃい?」
こうして慌ただしく去っていくリオアを見送ると同時にシステム画面が出て来た。