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鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
セカンドステップ、お金稼ぎと防具作成!
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退路ありの中で始まる選択肢

「これで10個目…嘘だろ、ドロップ運がないのか…めちゃくちゃ手に入りにくいのか…」


どれだけ戦ったのだろうか、生理的嫌悪感、本能的憎悪で時間感覚が狂う…倒したら綺麗さっぱり消えてるはずなのに、手に倒した芋虫の体液が纏わり付いてる錯覚を覚える。


というか花蝶の芋虫しか居ないんだが…他のモンスターも居るって聞いたんだが…もしかして迷った結果、花蝶の芋虫しか出てこないのか?


明らかにおかしな状況だけど、芋虫で脳が汚染されて、危機感を感じ取れなくなっていた。


いっそのこと、入口にあった看板に書いてあったように花の糸を買ってしまおうか…そんな考えが頭に浮かぶ…だけど、この苦痛を伴う作業が必要なら値段も凄い事になりそうだ…。


「大丈夫ですか?きついのなら一旦休みませんか?」

「大丈夫…早く終わらせる為に戦おう…」


辛い物ほど先に片付けるべきだ…夏休みの宿題みたいにね…そう思い、アースキーを握り直して気合を入れ直す…。


今の自分は迷路森の何処に居るのだろうか、所々に看板を見かけるが、読む余裕はなく、宛もなく進んで行く…少なくともこんな歩き方をしてボスにはたどりつかないだろう…。


「そう言えば、死者からのアドバイスで言っていた大きなイベントて、何だったんでしょうかね?」

「わかんない…でも出てくるなら、多分糸を20個集めたら出てくるんじゃ…」


そんな予測を口にしていたら、ガサガサとなにかが這いずる音を聞き、ゾクリと背筋に悪寒が走る…体が勝手に広い所に向かって走り出す。


「レンナさん!?なんか背後から来ます!」

「うん!多分ボスだ!」


本能がそう言っている、精神のHPはボロボロだが、ゲーム的なHPは満タンで、戦闘は可能だ…後ろを振り返りアースキーを構える、そして敵の姿を確認した。


「あ……あぁ……」

「え…どうして………あるの…?」


自分は純粋に恐怖の声を、フェルは恐怖と疑問が入り混じった声をだした。


その姿は人を丸呑み出来る大蛇のように大きかった…だが大蛇ではない、大蛇にそんな大量の足はない。


花蝶の芋虫を大量に食ったのか、鈍く赤く輝く肌?殻?可能ならモザイクをかけて欲しい体のテカリをこちらに見せつける…。


そう、巨大なムカデだ…頭に巨大な金属片が突き刺さっているが、そんなのはどうでもいいと言わんばかりに黄色い足をワシャワシャ動かしている。


ムカデの顔はこちらを品定めしているように見ている…。


………運営さん、こんなもの作ったら駄目では?もうファンタジーじゃなくてホラーだよ、足の動きだけでも鳥肌モノだよ。

足が嫌悪感で勝ってに逃げ出しそうだよ。


「れ、レンナさん…あ、あの、こんな状況に言うべき事ではないんですが、オオムカデの頭に刺さっている金属片を回収したいんです!あれはとても大事な物なんです!」

「な!?」


少し泣きそうな声のフェルが発した、衝撃的な言葉と共にシステムの画面が現れた…。


『セカンドクエスト

苦痛と妖精とアースキー


成功条件

巨大な金属片の回収と迷路森からの脱出


失敗条件

レンナ、妖精の死亡


成功報酬



失敗ペナルティ



特記事項

不受理選択の場合花の糸を10個入手して、フェルと一緒に迷路森の入口に転送されます。

三分以内に選択しない場合不受理となります。』



ははは…随分とまあ魅力的な逃げ道を用意してくれたな…。

ここまで花の糸は10個集めた、不受理を押せば花の糸が10個貰えてもう糸集めをしなくていいし、ファーストクエストの時と違って、フェルと一緒に転送されるので、フェルの安全も確実に確保できる…身の安全と天秤にかければ、フェルも納得してくれるんじゃないだろうか?

はっきり言って不受理を押すのが賢いんだろうが…。


「わかった!やるよ!!」


泣きそうな声で出てきたフェルの願い…叶えられずになにが称号、大切な妖精を守る手だ!


心も守ってこそだろう!それにファーストクエストを始める時誓っただろう!必ず助けるて!

フェルにとってはあの金属片はとても重要な物だ!


魅力的な不受理の効果も、罠に違いない!

とにかく理由を並べて、恐怖を抑え込んでアースキーを構える…。


再び覚悟を決める、嫌いな生物に立ち向かう事を!


『セカンドクエスト

苦痛と妖精とアースキーのクエストが受理されました、クエストを開始します。』

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