悪くなる状況
「Nホール!!」
魅了状態のナナサカさんが叫び声を上げて刀を振る、魅了されたプレイヤーをバッタバッタとなぎ倒していく…そしてNPCと思われる人は手足による攻撃で殺さないように観客席に吹き飛ばし、気絶させていく。
「バトルステップ、スラッシュムーブ!ごめん!今度埋め合わせするからね!ドリームキック!リジェネエール」
妹のリオアも身軽な足取りで攻撃を回避して斬撃を繰り出してほかプレイヤーを倒す、NPCと思われるキャラには蹴りで気絶させつつ、蹴りで負わさた怪我を治している。
「マジックエール、クイックエール、ハッスルエール、皆頑張れ、頑張れ♡」
だがニセリオアがあざとさを出しながら補助をして、魅了状態のリーダーさんが杖を振るうと魔力の弾丸が高速で射出されて、他のプレイヤーを斬っていたナナサカさんに突き刺さり、傷つける!
「N………があああ!」
「レンナさん、助太刀に入らないんですか!?」
「無茶言うなよフェル、あんな混戦状態で考えもなしに飛び込んだら、かえってナナサカさんやリオアの邪魔になってしまう」
ナナサカさんがダメージを受ける中、フェルが参戦する事を提案するが、現状下手な手は撃てない。
地門で遠距離攻撃をするのもありだが、それでまだ観客席にいる魅了状態のプレイヤー複数や魅了状態の善良なNPCに袋叩きにされる可能性もある、戦闘に適さないクラスでも何人からも袋叩きにされたら自分じゃどうしようも出来ないし、NPCを殺さないように手加減も出来ない。
広域に攻撃できる妖精火門、妖精氷門で火力支援はありかもしれないが、現象リオアとナナサカさんとパーティーは組んでないのでフレンドリーファイヤーに繋がりかねないし、普通に罪のない魅了されたNPCを殺しかねない。
フェルの命第一とはいえ、他に手もありそうな中、考えなしにNPCを殺戮して強行突破しようものならフェルの心が傷つくだろう。
そんな事を考えていると戦況は変わってくる、リーダーさんの多彩な魔法でナナサカさんが押されていく、どちらも魅了状態故か動きにキレがないが、それでもナナサカさんは数が多い他のプレイヤーと戦いとリーダーさんの攻撃魔法の防御をこなさないといけないので、結果的にナナサカさん劣勢だ。
リーダーさんとは違い、絶刀炎神等の力を使っていないのは魅了状態だからか、もしくは死んだら生き返らないNPCを巻き込んでしまうから封印しているのか?
「ああ!もう!本来のステージでファン待たせているのに!」
リオアも複数の魅了されたプレイヤーに襲われてジリ貧だ。
「残念ながらここに貴方のファンは居ないよ、そっちの刀神を魅了すれば貴女の全部を奪えるかな?」
「………ナナサカは私のファンじゃないわよ、まあ今回は魅了されないように私が魅了しているけど」
リオアがニセリオアに返答する前にこちらをちらっと見てからすぐに魅了された他のプレイヤーと交戦を再び始める。
そのちらっと目が合った時にその目が『頃合い見て奇襲して!』と言っているのがなんとなくわかった。
奇襲といってもどうしろと…いや、1つだけ手はある…。
「フェル、作戦を思いついたけどいいか?」
「作戦ですか?」
体を屈め、観客席で体を隠しつつもステージをチラチラ見つつもフェルに作戦を伝えていく、その間も戦況は動いていく。
途中で魅了状態を振り切り、リオアの味方をするプレイヤーがちらほら出てきだが、リーダーさんの魔法やまだ魅了された多数のプレイヤーの攻撃で倒されていく。
「N…くう…やば、解けた…」
ナナサカさんも魅了されたプレイヤーとほんの数秒鍔迫り合いになった時にリーダーさんが召喚して飛ばしてきた剣が腹部に深々と突き刺さり、とうとう膝をつく。
更に魅了状態が解けたみたいだ、今ニセリオアが魅了の力を使ったらナナサカさんはニセリオアに魅了されてしまう。
「リオア!火力補助を!せめてリダと相打ちを取る!」
「わかった!ファイトエール!ハイパーエール!クリティカルエール!」
「いい加減魅了振り切りやがれリダ!神速、絶刀風神!!」
もはやワープしてナナサカさんはリーダーさんの背後まで移動する、するとワープ前ナナサカさんが居た所からワープしたナナサカさんが立っている場所の間に多数の斬撃エフェクトが現れ、リーダーさんやその間にいた魅了されたプレイヤーが切り刻まれる。
魅了されたプレイヤーは一撃で消え去るが、リーダーさんだけは予めかけていたのか、ファイナルターミナルが発動して生き残る。
「今だねキュンリオアチャー厶♡」
「く、すま……リオアちゃんかわいいー」
そこでナナサカさんはニセリオアに洗脳されてしまった…。