リオアからのご招待ライブ
フェルの進化から約1週間後、特に危険な冒険とかせずにのんびりと過ごしていたが…。
「お兄ちゃん!今後ライブをするから観に来てよ!それ1枚で2人分いけるから!」
ファンタジーフリーダム内のユリのマイホームにて、リオアからチケットを貰う。
もう1枚はフェルの分だろう。
「唐突だな…」
「唐突と言っても1ヶ月くらい前から企画はしているんだけど…お兄ちゃんの情報網が貧弱なだけだよ…というか妹がアイドルしていたら色々とネットで調べたくなるのが兄の本能じゃないの?」
ぷくーとほっぺたを膨らませるリオア、そんな兄の本能は知らない。
「こっちがインターネット音痴なの知ってるだろ」
「お兄ちゃん位だよ、フルダイブ技術がある現代で今時マトモにインターネット使ってない学生は…まあ、今回は殆ど告知してないし、謎を解かないと行けないライブだから、お兄ちゃんが知らなくても仕方ないけど」
「おいおい…」
リオアにそんなこと言われながらも、リオアから貰ったチケットを確認する。
『リオアシークレットライブ、席ナンバーNホール10106766、開催場所スリー街、多目的ホール』
「席ナンバー桁凄いな…そんな大きな会場でやるのか?」
「この世界なら会場の大きさはいくらでもコントロール出来るからね、それにその席ナンバーを覚えなくても、特定の場所でチケットを使えば、その席に自動でワープするから、現実のように自分の席を探さなくて良いのは、去年の夏のライブで知ってるでしょ?」
「そうなのか?」
リオアのライブは覚えているけど、そこまでの過程はちょっとイマイチ覚えてない…。
「レンナさんレンナさん、確かリーダーさんからチケットを貰った事忘れたんですか?そのチケットを特定の場所で使ったら、席までワープしていましたよ」
「いや、お、覚えているぞフェル…」
今まで黙って話を聞いていたフェルが夏の事を教えてくれる、その結果リオアから白い目で見られた。
「お兄ちゃん、成人する前にボケないでよ…」
「あはは…まあ、必ず行くから安心してくれ」
妹からの頼みだし、フェルの顔も行きたいという感情に溢れているので、断れないというかそもそも断る必要がない、別に時間制限のあるクエストを受けているわけでもないからな。
「あ、所でいつやるんだ?開催期間や時間が書かれてないんだが?」
「あーそれは謎を解かないとわからないシステムになっているんだけど、お兄ちゃんは実質関係者だから教えてるよ、明後日の夜の午後9時からスタートだから午後9時前には多目的ホールの入口付近にある魔法陣の上でチケットを使えばいけるよ、多目的ホールの中に入る必要はないから注意してね」
「わかった」
「しかしいいんでしょうか?血の繫がった関係者とはいえ、他の方は謎を解かないといけないんですよね?不公平と他の人に言われてしまうんじゃ?」
フェルが心配そうに言うが、リオアは心配ないと言わんばかりに言葉を紡ぐ。
「ファンにアンケートとって、レンナを呼んでいい?と聞いて、オッケーが過半数超えたから、心配は不要だよ」
わざわざアンケートとって確認したのか…。
「オッケーならば安心ですね」
「なあ、リオア確認なんだけど、チケット以外に必要な物はあるか?」
安心しているフェルを見つつ、必要な物はあるか確認する。
「別にないよ、流石に大きなライブお兄ちゃんをステージに立たせるとかそんな無理強いはしないかは安心してね」
「流石に大掛かりなライブ会場でアドリブで呼ばれたら本気で怒るよ」
仮に呼ばれても自分は歌って踊ったりは出来ないぞ…。
「流石にアドリブでそんな事をしないよ、フェルも居るからね」
そんな会話をしながら、今日はのんびりと過ごすのだった。