ファンタジーフリーダムの初詣にいこう。
年末年始のイベントでペタンと出会っていたが、そのイベントはクリスマスイベントで鍵を手に入れた人のみが参加出来たイベントだ。
それ以外にも誰でも参加できるイベントがある、神社ステージで年末年始を過ごすイベントだ、友奈の誘いでそこで初詣に向かうことになった。
「えーと確か神社イベントはお参り、おみくじ以外に何があるんだろう?」
そんな独り言を言いながら、現実世界で初詣を終え、夕方に帰ってきた自分はファンタジーフリーダムにログインした。
「こんにちはレンナさん」
フェルが出迎えてくれるが、何時もの防具ではなく、妖精の羽をモチーフにした緑の浴衣を着ていた、というか髪も長くなってないか?1日でなる長さじゃないぞ?
「フェル、それは?」
「私が調達した浴衣だよ」
背後から声が聞こえたと思ったたら、青色の雷をモチーフにした浴衣を着たユリ…じゃなくて髪色からしてわかる、アイドルモードの妹、リオアが居た。
いつの間に調達したんだ?いや、いつの間に渡したんだ?まあ、渡す機会はいくらでもあるか自分がログインしていない時はフェルはユリのマイホームにいるし。
「調達したって、またリーダーさんに頼んだのか?」
「うん、性能求めず見た目重視でやったから、サクッと作ってくれたよ、あとウランさんにお願いして髪を伸ばすアイテムも使ったんだ」
見た目重視とかできるのか…やり方分からないけど、そこら辺はスキルのレベルの差異なのかな?
「ど、どうですか?レンナさん…浴衣というの始めてきましたけど、似合っていますか?」
じっとフェルの浴衣をよく見る、青色の羽と銀色の羽が刺繍された緑の浴衣で、光を反射する糸を使っているのかキラキラしている。
そのキラキラが妖精の羽の綺麗さを引き立てている。
髪も長くなり、ちょっと大人っぽく見える。
「ああ、綺麗だな…とっても魅力的だぞ」
「えへへ、ありがとうございます…」
赤面しつつも嬉しそうなフェル、妹のリオアはニヤニヤしている。
「さて、甘いのをいただいた所でお参りに行こうかー神社の場所は設定しておいたよ」
「場所の設定?」
「神社は信仰する神様の種類の分だけあって、2つの神社までは同じイベントエリア内に出現させられるんだよ、だから私の信仰して神と刀神の神社があるイベントエリアに行けるように設定したの、取り敢えずパーティー組むよ、じゃないと離れ離れになるし」
リオアの言葉と連動するように目の前に現れたパーティー申請をはいと押すと、自分のHPバーの下にリオアの名前とHPバーが現れる。
そうしてリオアに促されてユリのマイホームにある魔法陣の上に乗ると、視界は真っ白になった。
光が収まると、2つの神社が見える場所に立っていた、片方の神社には刀が神社の屋根に飾られていて、もう片方には音符のマークが神社の屋根に飾られていた。
「うーん、やっぱり刀神と組み合わせると人が居ないね」
「どういうことですか?」
「特定の神社には行くには、その特定の神様を信仰している必要があるのよ、刀神はまあ言ってしまえば同じプレイヤー…えーと、まあ、簡単に言えば刀神は恨まれることが多いから信仰者がほぼ居ないのよ、そしてこの場所は刀神と音楽の神を信仰している人がパーティー組んで居ないとたどり着けない所だから殆どの人が居ないのよ」
フェルの質問に答えるリオア…ナナサカさん決闘し過ぎで嫌われてる事も多そうだな…少なくとも戦いたくない人は基本斬らないから善人寄りなんだけどね…一応は。
成る程、人が居ない事を理解していたからリオアの姿で居たのか…。
「さて、説明も程々に2回目の初詣に行こうか、お兄ちゃん」
そう言われてリオアに押されて刀神の神社に向かう。
ナナサカさんの銅像が祀られていることはなく、祭壇には見たことある刀が祀られている、ナナサカさん持つ神刀、ゼタコールだ。
「えーと賽銭箱が無いんだが…」
辺りを見渡しても普通は賽銭箱があるはずの所には藁を束ねて作った…こう斬る的があるだけだった。
「レンナさん、参拝時はこの藁を斬れ!とそこ看板に書いてあります」
「これナナサカさんが考えたのか…?お金投げるとかじゃないんだ…」
普通じゃない神社には呆れつつも火光を取り出して攻撃の準備をするのだった。