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鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
冬休みの年末年始は試練がいっぱい?
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アンモカに手向けの一撃を!

目の前のシステム画面を操作し終えると同時にフェルが作った氷の壁が砕けて消える、どうやら妖精花門の花弁が当たって砕けたみたいだ。


「さあ、こい!サロディアの子、我が孫よ!妖精花門を打ち破ってみせよ!」

「行きます!チェインライトニング!」


複数の敵を貫く連鎖する雷がネージュフラワーから迸るが、貫ける数に限度があるのか、アンモカには届かない。


「それじゃあ仮に他の試練を受けてもクリアできないぞ、妖精花門よ!試練を示せ!」

「…ここです!アクアシールド!」


再び吹き荒れる黒色花弁の嵐、そこでフェルが使ったのは水の膜で攻撃を弱めるアクアシールド…マジックリフレクトが使えるようになってから殆ど使わなかった防御魔法だ。


だが今回のアクアシールドは強化の影響か水の膜というよりはフェルを360度守る水の壁だった。

黒色の花弁は水のシールドに飲まれて勢いが大きく減速する。


「勢いを殺せても鋭さは殺せないぞ!」

「ここでアイスコフィン!」


多くの花弁を飲み込み、最初に飲み込んだ黒色花弁が水の壁を貫通しきると思った次の瞬間、水のシールドは凍り付き黒色の花弁は完全に水から氷に変わった壁の中に閉じ込められる!


「なに!?」


まさかバリアを凍らせて、黒色の花弁が封じられるとは思ってなかったアンモカは、驚きの顔を浮かべる、氷の壁に取り込まれてない黒色の花弁は殆どなかった。


「これで決めます!」


氷の壁はクリアとはいえ、黒色の花弁で視界が塞がれていてもフェルは氷の壁を纏ったままアンモカに近づく。


「…氷の壁越しなら勝負決める程度に威力が減衰するはず!エレメントピクシーゲート!」


フェルがフィニッシュスキルを使う、するとフェルを守る氷の壁をぶち破り、白色のエネルギーの奔流がアンモカの両足を飲み込んだ!


「…ここまでか、人形じゃなきゃショック死してたな」


白色のエネルギーの奔流がなくなると、そこには足がなくなったアンモカがいた。

……アンモカの背後にある壁が綺麗に穴が開いているが…さっきの白いエネルギーの奔流の余波かな…?


「お爺ちゃん!?リジェネレート!」


「無駄だよ…無機物にリジェネレートは効果がない、無機物用の修復魔法じゃないと…」


フェルがリジェネレートを使うが…人形の体であるアンモカには効果がなかったみたいだ。


「そんな…そんな魔法覚えてません!」

「それよりも試練突破おめでとう…きっとこれからは一気に伸びると思うよ…お爺ちゃんもそうだったからな…」


アンモカはそういうとふらふらと地面に座る。


「戦いの中色々と思い出せたが…最後の戦いがこれなら悔いなく死ねるな」

「…そんな事言わないでくれ、フェルが泣きそうだ」


アンモカの言葉でちょっと涙目だ、その為1言言わせてもらう。


「全く、いくら身内とはいえ会ったばかりの妖精の死でそんなに泣くほどではないのだろう、というか今思えば孫が居るということはサロディア結婚したのか…誰と結婚したんだ…?」


ティロリン


丁度、フェルが展開していた入口を塞いでいた氷の壁が砕けて消失した際にTTに送っていたメッセージの返信が帰ってきた。


そのメッセージをチラッと見て、思わずニヤリとする、ほぼ直感で連絡したけど…正解だったみたいだ…いつ取ったかはわからないが後でお礼をしないとな。


「結婚相手は分からないけど……フェルのお母さんの…サロディアの写真ならあるよ」


TTのメッセージに貼付されていた物を実体化させる…メッセージではアイテムとかは送れないけど…写真アイテムは例外だったらしい…さっきの返信で知った。


その写真を見せると数秒呆然と見ていたが、そこから弾けるように大笑いした。


「あはははは!!愛しの妻にそっくりだ!ああ、血は争えないと言えばいいのか、血筋と言えばいいのか…ありがとう少年よ…とてもいいもの見せてくれて…まあ、ここまでされるとひ孫がみたいと欲が出てくるな…」

「無茶言うな」


そういうとアンモカは再び笑う、足を失い、体がボロボロで死にかけなのによく笑うな…アンモカの素なのか?


「そうだな、なら無茶じゃない頼みをしていいか?俺が死んだらきっと羽が残る…それをサロディアに渡してほしい」

「遺言とかは預からなくていいのか?」

「羽だけでいい」


クエスト画面が出てきたが、まともに読まずにはいを押して消す、この状況で断るという選択肢はありえない。


「わかった…」

「ありがとう、孫と後のことは頼んだ」


アンモカはそういうと赤いエフェクトを発して消えていった…そしてアンモカの居た所には黒色の羽が残っていた。


『妖精の王羽を手に入れました。』


どうしようもないのはなんとなくわかるけど…淋しいと言えばいいのか…もう少し話したかったと言えばいいのかな…。

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