妖精花門
妖精花門!?言葉が妖精火門と一緒でびっくりする、というか妖精の門の力使えるのか!?
「フェル、こんな未知数な所にいる君達なら多分使えるよね?妖精門が使えるなら使って見せてよ、合体門でもいいよ?」
未だにアンモカの周囲に黒色の花がバリアのように舞い散っている、そんな中こちらと目が合った気がした。
というか複数の門を合体させるのも知っているんだな。
「フェル!4つの門を重ねる元素門を使うなら火光をしまって欲しい!」
「………レンナさん、4つの門を重ねます!」
フェルが一瞬迷ってから、火光をしまったので、メニュー画面を経由して自分のアイテム一覧からアースキーを、アルカナの効果でお互いのアイテム一覧を干渉できるようになっているので、フェルの所持品一覧から火光を取り出して二刀流になる。
本来なら隙だらけの行為だが、アンモカは攻撃してこない、殺し合いではなく勝負だからだろう。
というか殺し合いだったらもう既にフェルのファイナルターミナルが発動していそうだ。
「「ダブルアーツ!」キャスト!」
「妖精火門、妖精地門!」
「妖精氷門、妖精風門!」
「「アクティベーション!」」
フェルの足元に4つの魔法陣が現れて、重なり、全てのMPを払うに相応しい大きな強化が迸る!
「それは妖精元素門か…懐かしいね、本来は4人で放つ門なんだけど…2人で放つとはね、サロディアの血を引くフェルはともかく…そっちの少年はどうやって魔力を確保したのやら」
こちらの切り札を見て僅かに余裕を無くすアンモカ…こっちからしたらえ!?知ってるの!?それにこれ4人で放つ技だったの!?と驚きたい気分だが、顔に出してフェルを不安にさせないようにポーカーフェイスをする。
「フェル、万が一の際はエレメントピクシーゲートを使うんだ、必殺技が出るはずだ!」
「出るはず…まだ使い慣れてないのか、それは膨大なエネルギー砲で全てを消し飛ばす一撃だよ」
「あ、エレメントピクシーゲートの事も知ってるのか…これは使っても避けられそうだな」
「さ、流石にお爺ちゃんに全てを消し飛ばす一撃は使うのは躊躇いますよ!?」
と、今ならフェルは上位の補助魔法が使えるんだったよな、シンクロの効果で自分も使えるなら、フェルを全力で支援しないと!
「オールブースト!エレメントオーバーロード!フェアリーディアウィッシュ!スターリジェネレート!フェルの魔法より劣化してるかもしれないけど、これでどうだ!」
フェルにも補助魔法がかかり、アルカナの効果で自身にも強化が共有されて、上手く機能した事を確認する。
「ともかくお爺ちゃんいくよ!ブルーライトニング!」
フェルはアンモカが纏う花びらを散らさんと青い雷を放つが花びらが一つ消えただけで花びらのベールは消えない。
「これは本気でいかないとね、妖精の風よ!次世代の力を試せ!」
「マジックリフレクト!」
黒色の花弁がフェルを襲う、更にこちらにも飛んでくる!黒色の花弁が氷の壁をすり抜けてこちらに襲いかかる!
1枚1枚が鋭い刃物のようにこちらの身体を傷つける!更にこちらを攻撃した花弁はアンモカの周りに戻って行く。
フェルは魔法反射のバリアを展開するが、砕かれる…。
「くう…花弁を操作出来るのか」
「いたた…反射できたと思ったのに…レンナさん大丈夫ですか?」
「こっちは大丈夫だから目の前に集中して!」
フェルは大ダメージを負ったみたいだが、持続回復のおかげか、補助魔法のおかげかまだファイナルターミナル発動までに至っていない。
「マジックリフレクトは反射出来る力に限度はないけど、量には限度があるからね、こういう物量には弱いんだよ、サロディアから教わらなかった?」
「私の魔法の師匠は別人です…お母さんは結構教えるの下手でしたので…それよりも突破口が見えました!」
フェルは立ち上がりネージュフラワーを構える。
「サロディアの娘、わが孫よ…戦ってわかったが…どうやらこの体は欠陥品みたいだ、戦おうが戦わなくても…後持って数十分だ、切り札…エレメントピクシーゲートを使ってお爺ちゃんを打ち倒し、妖精の羅針盤の試練を越えてみせなさい!」
「ちょっと急過ぎませんか!?」
急にぶち込まれた時間制限に悲鳴に近い驚きの声をあげるフェル、多分打ち負かした後はお母さんに会わせようとか考えていたのだろう。
時間制限が本当か鑑定眼でアンモカの人形の身体の鑑定を試みたら…鑑定眼の力不足か、詳細の説明文は出て来なかったが…『アンモカ(中破)』とだけ出て来た…。
それに体の至る所に最初見たときには確認できなかった小さなひび割れも確認できた、アンモカはまだフェルの攻撃で中破する程のダメージを食らっていないはずだが、中破しているということは…自分の力に耐えられてないのか?
「フェル、アンモカの言葉は本当みたいだ…ここは一気に打ち負かして、試練を越えてアンモカと話す時間を作ったほうがいいと思う」
「で、でもそれなら今回は試練を諦めて話す時間を作るほうが…だって、アンモカは行方不明てお母さんが…」
「フェル…どうせならお爺ちゃんとして孫の試練の糧となってこの最後を終わらせたい…そりゃあ可能なら成長した娘の姿を見たかったが…叶わぬ願いより叶えられる願いの方を優先したい…だめか?」
「あーもう!急に現れて試練の相手になったと思ったら……分かりました試練を超えることを優先します!」
優しげなアンモカの声に決意を固めるフェル。
それを見た自分はメニュー画面を開き、画面を可能な限り高速で操作するのだった、再びメッセージを飛ばす為に。




