VSアンモカ
唐突に始まった戦い、急展開過ぎて置いて行かれそうになるが、これはフェルの身内に関して情報をしっかり集めなかったからだろう。
「はあ!せい!」
フェルがアンモカに攻撃するが、アンモカは盾を使い、華麗に受け流している。
補助魔法を使ってサポートしないと!
「オールアップ!リジェネレート!ブレイブハート!エレメントブースト!フェアリーウィッシュ!」
攻撃で補助魔法を使う暇の無いフェルの代わりにシンクロの効果でフェルの補助魔法を使うが…あんまり強化出来た感じがしない…。
「くう、どうにかして補助魔法の効果高める方法がないかな…」
「あのーご主人様、補助魔法の効果を高めるなら呪文をフルで唱えたほうがいいですよ?」
「え!?そういうのあるの!?」
「ありますよ?でも流石にどんな呪文を言う必要があるかはわかりません」
少女の人形のアドバイスに驚く、そこで脳がフル回転して、次手を考える、そこで見るのがメニュー画面からフレンド一覧…そこにあったリーダーさんの名前の隣にあるログインしてるかどうかの有無を示すアイコン…ログイン状態だ。
あんまり頼りすぎるのは良くないとフェルは言っていたが、助言だけならセーフのはずと思いリーダーさんにメッセージを送る。
『リーダーさん、急な願いですが、フェルの覚えている補助魔法の呪文のえんしょう部分を教えてほしい、なるべなく早くお願いします!』
慌てて入力したせいで詠唱をえんしょうと入力してしまったが、時間がないので送信する。
かといってリーダーさんが速攻で返信してくれるとは思えないのでなにか手を考える。
「ふむ、見た感じ後衛サポーターみたいだけど、剣術もある程度出来るんだね」
「はい、レンナさんの剣技と刀神の刀術です!剣坂流…魔抜き突き!」
戦況はひたすらフェルの攻勢だが…アンモカに殆ど防がれている、たまにアンモカが驚きの顔を浮かべてかすり傷を負っているが…このままではフェルが息切れしてしまいそうだ。
どうにかしたいと思っていると、リーダーさんからのメッセージが返ってくる。
『火急みたいだな、一通り乗せたから使ってくれ、噛むなよ』
短いメッセージの下には長々と呪文が並んでいる1つの呪文でこんな長いのか!?
いや、長くても言わないと!
「天上の魔の1片をここに!数多の力の因子よ、束ねて1つの体に降り立ち、万物を成す可能性を高めよ!オールアップ!」
呪文を紡ぎ始めると足元に魔法陣が展開されて、呪文を言い終わるとフェルにキラキラなエフェクトが周囲に纏わりつく。
それと同時にフェルの動きが目に見えて速くなる。
「ほう、目に見えて動きが良くなったね、そろそろこっちも攻勢に出てもいいかな?」
「キャア!?」
アンモカが盾でネージュフラワーを払い除けて、剣を持った手でパンチを放ち、フェルを吹き飛ばす!
「娘のサロディアには伝授出来なかったけど…孫なら出来るかな?マジックソード…フェアリーピアシング!」
「アイスウォール!」
盾を消して、魔法の剣二刀流から放たれた強烈な突き攻撃、フェルは氷の壁を魔法で作って身を守ろうとするが、強烈な突きは氷の壁を貫き、フェルを吹き飛ばして、壁に叩きつけた!
埃や土煙がフェルの姿を隠し、カランカランとネージュフラワーが地面に転がる
「フェル!?」
まだファイナルターミナルは発動していない、今の自分にできるのは補助魔法を使うことと…。
「とりあえず首元に剣を突きつければ試練は失敗になるかな?」
「フェル!火光を使え!」
アンモカの突撃前に火光をアイテム一覧に入れて、フェルに向かって叫ぶ!
殺意は感じないけど、勝つ気満々なアンモカが、フェルに向かって突撃すると同時に土煙を突き破って、フェルが火光を手にアンモカに突撃する!
アルカナによるフェルと所持アイテム共有効果で氷の壁があっても火光をパスすることが出来た!
「なに!?」
先程まで自分が持っていた剣をフェルが持っている事に目を丸くするアンモカ、それによって僅かに生じた隙、フェルはそれを見逃さなかった。
「日暮れ斬!」
アンモカの背後に回り込み、全力の一太刀を叩き込むフェル!
「く、油断していたわけじゃないんだけどな……想像以上に戦えるんだね、サロディアの血を引いてるなら運動はダメダメだと思っていたんだが…」
「た、確かにお母さんは運動音痴ですけど!私も同じとは思わないでください!テレキネシス!」
フェルはテレキネシスでネージュフラワーを手元に戻して、ネージュフラワーと火光の二刀流になる。
「…ならここから先は痛くても我慢してね…妖精花門」
アンモカの背中に黒色の魔法陣が現れたと思ったら周辺を守る様に黒色の花びらが魔法陣から現れた!