VS謎の兵器
「迎撃します」
兵器が右手の剣を振るい攻撃してくる!アースキーで受け止め、鍔迫り合いになるが機械の力には勝てずに押し負ける、体勢を崩された所に槍の突き刺し攻撃をダイレクトに食らう!
「あだ!」
突き刺されて串刺し…というわけではなく、吹き飛ばされて棚に激突する、視界端のHPバーは危険域の2割まで消し飛んだ。
「レンナさん!」
「大丈夫だ、敵の欠点がなんとなく見えた…フェル、人化を解除する」
「わ、わかりました!」
フェルが胸ポケットから出てくる、それを確認した自分は人化解除をしてフェルと同じ妖精になる。
「Error対象の体積変化を確認、原因不明」
兵器が硬直する、想定してないと言わんばかりに体が固まっている。
「フェル、飛んで兵器より高い位置に居るんだ、やつの腕の可動域は飛ぶ相手を想定していない!」
「わ、わかりました!」
自分の指示で天井近くまで飛ぶフェル、こちらもある程度高く飛ぶ、戦いの中で気付いた物、それはこの兵器が室内かつ地面の上に立つ敵を想定した作りをしているのだ。
一応火炎放射と頭の拳銃で飛んでいる敵を攻撃する事が出来るだろうが、飛んでくる攻撃の種類が減るなら戦いやすくなる!
「ヒートウィング!」
「妖精の確保よりError対象の撃破を優先します」
白銀の羽に火を灯すと同時に兵器は再び動き出す、頑丈で強いけど、何でも口に出してくれてありがたいね!フェルが狙われないとわかっていると集中出来る!
「アイスランス!」
「風の刃!」
フェルの飛翔する氷の槍に続くように火光で風の刃を放ち、相手の頭上まで行き、接近戦が出来る距離に近づく。
「…トータル損傷5%、これまでの傾向により物理防御より魔法防御優先」
自分達の攻撃を回避せずに受けた兵器は着々とこちらの対策をしてくる、魔法防御優先されるのは厄介だな!フェルの攻撃が通りにくくなる!
兵器がこちらに向けて、右手の剣を振るうが自分に当たるギリギリの所で剣が止まる、見抜いた通りに、可動域の限界でこれ以上腕を振り上げられない!
「ここだ!」
素早く相手の背後に周り飛びつく、そして火光とアースキーで兵器の首?隙間?ともかく内部に届きそうな隙間に同時に突き刺す!
「頭に飛びつかれる想定はしてないみたいだな!」
突き刺した状態で更にアースキーとか火光を動かし、バキバキと兵器の内部ダメージを与えていく。
「クリティカルダメージ、バーストを使用します」
「うわ!?」
兵器の体から衝撃波が放たれて、もろに食らった自分は天井付近まで吹き飛ばされる!
「レンナさん!ライトニング!」
フェルの雷攻撃を受けてなお、兵器はこちらを仕留めるのが最優先なのか、頭の拳銃の部分をこちらに向ける、そしてダン!と弾を撃ち出してきた!
「うおお!?」
妖精の大きさになっているので弾が自分よりでかい!ヒートウィングの加速効果でなんとか回避すると、弾は天井に突き刺さり、大きく亀裂を作った。
喰らえばただでは済まないのは一目でわかった、いやHP満タン時の妖精状態ならダメージ半減するから死なない可能性もあるが、絶対痛いだろうから喰らいたくない。
「レンナさん気をつけてください!天井が壊れます!」
「え!?」
フェルの声に上を見ると、目の前には落下してくる岩…いや元天井。
「あだ!?」
おでこに岩が激突して、フェルの持続回復の魔法で八割まで回復していたHPが半分の4割になる。
だが天井崩壊に巻き込まれたのは自分以外に2体いた。
1体は勿論兵器、自分と同じように大岩に直撃したのか頭の拳銃部分に大きな歪みが出来ている。
「頭の損傷を確認、これ以上の砲撃は危険と判断」
どうやら頭の武器が故障したようだ、頭の銃撃が1番厄介で危険だったからありがたい。
そしてもう1体は…。
「うわあああ!?」
さっきの地下1階で会った、腕のない少年の人形だった、今気付いたが上の階は駆動実験室Aだ…つまりその下の駆動実験室Bの天井崩壊=駆動実験室Aの床崩壊で腕のない少年の人形が降って来たのだ。
「いてて…何がどうなっている………うわああああ!?」
少年が周囲を確認すると兵器を見て悲鳴を上げる。
「未完成のドール体を発見、本来とは異なる駆動実験室のドール体、逃走の意思ありと判断して最優先で処分します」
兵器は左手の火炎放射を少年のドールに向けた。
「嘘だろ!?」
まさか侵入者である自分よりも攻撃優先度上なのか!?
止めようと突撃すると同時に、火炎放射器から炎が吹き出した!