表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
冬休みの年末年始は試練がいっぱい?
552/626

人形の主張

ドキドキドキと自分の心臓が高速で稼働する、頭の中も高速で回転して、突破方法を思考する。


振りほどく?単純な力に自信が無い為非推奨だろう、まだ掴まれていない自由な腕で持っている武器で人形の腕を破壊する?自由な腕に持っているのは火光、火の力を使えば焼き斬れそうだが…間近の自分の腕すらも焼き尽くしてしまいそうだ。


フェルに助けてもらう?いや、それでフェルにヘイトが向かったら不味い!


「へ……」


全力で思考していたら人形の口が開き、声が漏れる、なんだ攻撃魔法でも唱えるのか、フェルに魔法反射の魔法を使ってもらおうとしたら…。


「ヘルプミーーーー!!」

「ええ!?」


まさかの助けを求める声に驚く、そんな中気がつく、腕に痛みはなく、HPが減っていないことを…。


………もしかして敵じゃない?


「…ヘルプて、助けて欲しいのか?」

「イエス!イエース!レッグプリーズ!」


短い言葉だがどう助けて欲しいのか分かりやすかった。


でも怪しさも出ている、自分は知っているとあるホラーゲームでは、手を貸してほしいと言われて安易にはいと答えたら、手が物理的に欲しかったんだ的なニュアンスで言われて、手を切断されて死ぬホラーゲームを…。


それにクエストが発生してないのも怖い、トラップなのでは?


「レンナさんどうしましょう?助けた方がいいような…」

「いや、罠の可能性もあるからな…」


こちらが警戒しているのがわかったのか人形は報酬の話をしだす。


「レッグくれたら貴方のスレイブになりまーす!このボディを好きにしてくれて構いませーん!」

「ええ…」

「このボディは無機物ですが、柔らかいですよ?沢山のご奉仕しますよ?」


引いていたら、服を緩めて肌をだして誘惑する人形…。


………ちらっと胸ポケットにいるフェルをみたら、こちらの視線に気づいてこちらを見てくる…その目は困惑と人形への敵意があるように見えた。


「レンナさん、やっぱり助けるのは止めて、鍵をみて氷魔法で鍵の模倣品を作ろうと思います、魔力の燃費は最悪ですが、その方がいいと思います」

「え!?そんな事できるの!?」


というかさっき助けようと提案してたよな!?

まあ、こっちも怪しげなご奉仕に釣られてはいと答えたら、フェルの好感度が大幅に落ちるのではと思い助けない方向に思考が傾いていたが。


「えっと!えっと!た、戦いでも役にたてまーす!ストレングスはクルミも潰せまーす!」


人形はどんどん自分を売り出していく。

売り出されても最初がいかがわしい感じで行ったせいでフェルの人形に対する視線は未だに敵対的な感じがする。


なんか人形の慌てっぷりにトラップではない感じがだんだんしてきた。


「あ、あと…クッキングできまーす!クリーニングも出来まーす!」

「ふ、フェル…ここまで必死だと、トラップの可能性ゼロな気がしてきたんだが…」

「カジもカジも私が出来ます」


フェル?どうしたの??なんで対抗心出してるの?というか言葉がおかしいけどもしかして掃除や料理全般の家事と自分のクラス名にもある鍛冶の事言っているのか?


「えーと、えーと…うう、外に連れて行ってください…」


……この外に連れて行ってくださいて、この子の本音かな…。

ふと掴まれた手をみたらその拘束力は先程より弱く、振りほどけそうだ…。

……ここで見捨てたら凄く後味が悪いな…。


「………外が幸せとは限らないぞ?」

「レンナさん、助けるんですか?」


自分の言葉でフェルはこちらの考えを察する、人形はフェルの言葉で一気に表情が喜びに変わる。


「喜んでいる所悪いが、すぐに助けるわけには行かない、その人形の足を探す必要があるし」

「うん!待つ!必ず帰ってきてね!」


人形はそういうとこちらを掴む手を離した。

ひとまず人形から離れて、部屋から出る。


「レンナさん…もしかして人形の下僕が欲しくなったんですか?」

「いや、罠じゃないとわかったから受けただけだ」


フェルが少し疑った目線を送ってくる、人形がいかがわしい誘惑しなかったらこんな目線にさらされなかっただろう…。


「…フェルは見捨てたほうがよかったのか?」

「…………」


無言になるフェル、フェルからした変なやつだけど、見捨てるという選択肢は取れないみたいだ。


「まあ、足のない少女から鍵を強盗するなんて悪行はヤダだし、足を届けて鍵をもらおう」

「そうですね…」


こうして謎の鍵を手に入れるために人形の足を手に入れるクエスト…と言ってもシステム的なクエストは発行されていないが…ともかく目的がもう一つできるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ