外界研究所
外界研究所の関係者以外立ち入り禁止エリアは外の遺跡みたいな外見に反して結構近代的な内装をしている…。
その影響か室内は明るく、頭上に浮かぶライトも必要なさそうだ、あっても困らないので時間経過で消えるまで放置している。
「これは…エレベーターか?」
細長い通路の探索を進めていくとエレベーターと思われる設備を発見する、それだけじゃない、地下に行く為の階段もあった。
「エレベーター?そのドア空きますか?」
「見た感じはエレベーターは生きてなさそうだけど…」
ポチリと一つだけあった、エレベーターの逆三角形…降りる事を示すボタンを押してみるとポンと音と共に押したボタンとエレベーターの隣の灯りが点灯した、つまりエレベーターが生きていることを示している。
「な、何が起こるんです!?」
「安心してくれ、エレベーターが来るだけだ」
30秒もしないうちにエレベーターが到達して、ドアが開く、本来なら長年整備もされていないエレベーターに乗るなんて自殺行為かもしれないが、この世界なら大丈夫だろうという根拠のない気持ちとエレベーターのボタンを押して、エレベーターが来たら乗る物という認識に背中を押され、エレベーターの中に入る。
エレベーターの中は現代的なエレベーターとほぼ変わりなく、開閉ボタンの2つと各階層に行く為のボタンが並んでいた…見た感じはボタンは4つ、今いると思われる1階、そして地下1階から地下3階に行く為のボタンだ。
エレベーターの辺りを見渡してもデパートとかでよくある各階層の簡易的な案内はなかった、スタッフ用だからか?
何処に行くか悩んでいると、エレベーターのドアが閉まる。
「れ、レンナさん?閉じ込められましたよ?」
「え、ああ…大丈夫だ、一旦地下3階まで行ってみるか」
ポチリとB3と書かれたボタンを押す、それに伴って、ガタン!とエレベーターが動き出す。
「だ、大丈夫なんですか?」
「大丈夫だと思う、根拠はないけど」
「駄目じゃないですか!?」
フェルが声をあげる中、エレベーターは下へ下へと動き始める。
うん、この調子なら閉じ込められる事はなさそうだ。
数十秒エレベーターに揺られた自分達は地下3階に到着した、電気で照らされているが薄暗く、頭上に輝くフェルのライトが心強い。
周囲を観て回ると複数の部屋があった。
『駆動実験室C』
『電気室』
『制御室』
『戦闘実験室』
『休憩室』
『倉庫(薬品)』
ご丁寧にドアに部屋名が刻まれていたので簡単に分かったドアに直接掘ってるせいで時間経過で殆ど劣化せずありがたい。
「何処から見に行きますか?」
「駆動実験室Cに行ってみよう」
電気室、制御室は施設の機械関係の部屋だから行った所で何かを得られるとは思わない。
それなら実験室なんだが、戦闘は目に見えて戦いが発生しそうなのでまずは駆動実験室Cに行ってみる。
恐る恐るドアを開けてみると、そこには病院の手術室のような部屋だった。
部屋の真ん中にはベッドがあり、そこには両足がない、解体状態といえばいいのかな?ともかく人の子ども位の大きさの人形が横たわっている…。
「な、なんだきみが悪いですね…」
「…動いたりしないよな?」
恐る恐る近づいてみる、人形は動くことなくただ鎮座している。
人形の顔を見てみる、目を閉じているが、ほぼ人間と大差がなく美少女フェイスだ、腕が間接球体と言うやつだっけ、人形特有の部分がなければ人だと錯覚してしまいそうだ。
ご丁寧に人形の体は女性物の服が着せられていて、大事にされている感じがする。
銀のロングヘアーが部屋の光を反射してキラキラしている。
「レンナさん、人形の胸元に鍵が…」
「あー取ったほうがいいよな……えっと、失礼します」
人形とはいえ目に見えて女の子の人形だ、ちょっと気まずさを感じつつも後々使えそうな謎の鍵に手を伸ばすと……。
ガシ!と手が掴まれた!
「うわああああ!?」
驚きと恐怖で全身が硬直する。
人形の目は開き、明らかにこちらを見ていた。