試練の妖精羅針盤《夢幻》再始動
「あ!1人でやる試練が再度挑めるようになってる!」
ユリのマイホームに戻って、試練の妖精羅針盤《夢幻》を取り出したフェルが驚きの声を上げる、そう言えば羅針盤の本来の機能、妖精の限界を超える試練だったけ?
前回は自分が試練の内容に感づいたから失敗しちゃったんだよな…でも対等云々はちょっと納得してないけどね、個人的には対等だと思っていたし。
「前回みたいな試練内容が出てこないよな?」
「同じような試練は基本出てこないとお母さん言ってましたが…早速試練を受けてみますね」
フェルが羅針盤に祈り…もしくは魔力を込めると羅針盤が動き出したと思ったら、光を発してレーザーサイトのような細い光を照射した。
細い光はまるでそっちに行けという感じに行く先を示しているが…。
「光が壁に突き当たるんだが…どうしろと?」
ユリのマイホームは窓がなく外が見えない…どの方角を指しているかもわからない。
「えーと、フェアリードールとの戦いに勝利…?」
困惑しているとフェルが試練の内容と思われる言葉を口にする、討伐系の試練ということか。
問題はそのフェアリードールが何処にいるか分からないという所だな。
「うーん、街にワープして羅針盤をみれば方角位はわかるかな?」
「あ!それならちょっとまっててください!」
フェルはそう言うと、ユリの倉庫へ入っていく、数分すると両手に丸まった紙を両手で持って倉庫から出て来た。
「シックスの街からワンの街までの周辺情報が乗った地図です!各街にワープして羅針盤を見れば何処に向かえばいいか分かると思います!」
フェルから紙を受け取って開いてみると世界地図と思わしき物だった、よくよく見てみると各街の正式名称と皆が使っている数字の名前も載っていた、しかも端っこにリオアとユリのアイドルとしての名前のサインが書かれている、ユリが作ったのだろう。
「おお!ナイス、フェル!名案だ!」
「早速やってみましょう!」
流石にユリの地図に勝手に書き足す訳にもいかないのでメモ帳を手にして、各街の入口にワープしては羅針盤と地図を見比べて、方角を把握してからメモ帳にメモする。
ワンの街からファイブの街で羅針盤が示す方角を確認した後、ユリのマイホームでリオアの地図を広げて、各街を起点に羅針盤の光が飛んでいた方向に小さな棒を倒していけば、大雑把とはいえ何処に向かえばいいかわかるという…。
「あれ?棒の方向がバラバラ…?」
「レンナさん…メモ帳に書いてあるEとW、一部の西と東が逆になってますよ」
フェルの手によって棒が修正される…間違った恥ずかしさで顔が赤くなるのを感じつつも、今度こそ行くべき場所が示された…。
「これは…ファイブの街周辺か?」
「早速行ってみましょう、レンナさん!」
「ああ、何があるのやら…」
地図を片付けて、ユリのマイホームからファイブの街へ移動用魔法陣で、さっきも来たが、港街特有の匂いがする。
「安いよ安いよ!タコが安いよ!」
「今日は豪遊だー!」
入口にいるのに騒がしい声がよく聞こえる、それを聞きつつフェルを見ると、フェルはこちらを見てから羅針盤を取り出す、それを受け取ると羅針盤から細い光が発されて、道を示す。
周りを見てみると他のプレイヤーも居るが、羅針盤の光はまったく見えてないのか、何事もないようにこちらを通り過ぎる、フェルは羅針盤を渡したら、すぐに胸ポケットに入ったので見られたはない。
羅針盤で行くべき方向を定めて自分は歩き始めた。
それにしてもフェアリードール…妖精人形か…どんな存在だろう、かなり気になるな…。
人形と言う名前の通り人形なんだろうが妖精ぽい人形なのかそれとも妖精が作ったから妖精人形なのか…?
新たな冒険と不思議にワクワクするね。