水銀の歯車の力を知る前になるアラーム
『水銀の歯車
ほぼ全てが水銀で出来た歯車、村の中心地で使うと歯車の状態に応じて村が発展する。
年末年始のイベントが終了時消滅する、期限がなくなる前に使用しよう』
出来たてほやほやの歯車の詳細を確認するとイベント期間が終われば無くなると書いてった。
「あーあー!やっと喋れるようになりました!」
「お、良かった…こっちも毒になってたけど治ったな…」
フェルの声で気付く、鍛冶している時にかかっていた状態異常が解除されている、毒になると気持ち悪さが出てくるけど、鍛冶をしていたら悪い気分は飛んでいっていたな…集中しまくってたということかもしれない。
「えっと確か歯車を村の噴水に納めるんですよね、行きましょうレンナさん!」
フェルの言葉に頷き、ひとまず水銀の歯車をアイテム一覧にしまい、ウェルダンさんがやっていたように歯車を納品と言えばいいのかな、ともかく村に向かおうと思ったら予め仕掛けていたアラームがなった…お昼ご飯の時間だ。
このアラームはフェルにも聞こえるようになっているの、このアラームの意味も知っているフェルは少し悔しげに呟く。
「むー今日は午後から両親の手伝いでしたっけ…今日の冒険はここまでですね」
「あれ?フェルに教えたっけ、今日の午後の予定?」
「ユリから教えてもらいました」
いつの間に…まあ、良いんだがいつ教えたのやら…?
「すまんな、午後は軽く両親の手伝いをしてから家族で出かけるんだ、また明日な」
「……明日になったら何年もたって、あの村が無くなるとかないですよね…?」
心配そうにフェルが口にする…。
うーん、あの時間が流れる条件がわからない以上なんともいえないな…。
「まあ、なるようになれ…だな」
わからない以上自分達がどうにか出来る話ではない。
ひとまずログアウトする為にユリのマイホームに戻る。
「それじゃあまた明日、レンナさん」
「ああ、また明日」
フェルに別れを告げてログアウトする。
「…ふと思ったが、イベント期間が終わればあの村はどうなるんだ?」
VR装置を脱ぎつつ、ふと思った事を口にする、リーダーさんからのメッセージではリーダーさんは新フィールドの先行体験と予想していたけど…。
仮に先行体験だとすると、何処で会えるのだろうか?もしかして今がシックスの街が開放されている…ということはさらにその先…正式名称はわからないけど、今までの数字の街的にセブンの街と呼ばれそうだな…そこら辺の街の近くに設置されるのかな?
色々と気になるが、シックスの街にすら行ったことのない自分はまずはシックスの街を目指すべきか?今の所優先度が低いから後回しになっているんだよな。
「と、そろそろ手伝いに行かないとな」
思考を切り替えて自分はお昼ご飯を食べに向かうのだった。
お昼ご飯の食後は両親の手伝いを終えて、家族でお出かけをする、その途中で安い一口チョコを買い、友奈にあげる。
「うん?お兄ちゃん、もしかして倉庫から何か持っていったの?」
「ああ、水銀使わせて貰った」
「水銀なんて沢山のあったでしょ、それくらいなら好きに持っていっても良かったのに」
「一応そういう約束だろ?」
「流石お兄ちゃん、約束は守る男だね」
チョコをほうばり、笑顔になる友奈、そんな中ふと気になった事を話す。
「そう言えばユリは新要素を先行体験出来るイベントとか参加したことある?」
「どうしたの?ヤブからレンフェルソードに」
「それは怪我するわ!で、そういう先行体験イベントで味方NPCとか出てきた場合、再度会えたりするのか?どうなんだ?」
「うーん、私はそういったイベントでNPCと仲良くなったことないからわかんないや…ただ倒しそこねた敵とは再戦したことはあるよ、敵も私の事を覚えていたし、その時はズバン!と叩き切ったよ!」
敵対キャラとは会えるか…まあ、夏イベントの氷将軍と会ったし、そう考えると味方NPCは例外とは考えにくいし…探そうと思えばまた会えるのかな?
「ありがとう参考になったよ」
「じゃあ情報料としてあのジュース奢ってよ」
「糖分過多になるぞ?」
「その分の歩くからヘーキヘーキ!」
こうして友奈にジュースを奢りつつ午後は家族で楽しく過ごすのだった。