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鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
冬休みの年末年始は試練がいっぱい?
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ペタンの錬金

「お待たせペタン!待ったか?」


道具屋に戻り、ペタンがいた部屋を開けるとソワソワしているペタンがいた。


「は、早いな…まあ、待った!早く薬を作りたいからな!」

「ああ、これを使ってくれ、今使っている錬金道具よりも性能は良いことは保証しよう」


そう言って、深淵のフラスコを渡すとペタンは危険物を見るような、怪しげな物をみるような目でフラスコを見る、鑑定眼で性能を把握したのかな?


「本当に悪魔じゃないんだよな?受け取ったら契約が成立して、魂取られる、この道具屋を乗っ取られるという事はないよな?」

「安心してくれ、ペタンの魂を奪ったり、この道具屋を乗っ取る利点が自分には皆無だし、そんな契約の力は持っていない」


凄く警戒しているペタンに深淵のフラスコを渡す。


「…本当に何も起きない」

「まあな、自分は悪魔じゃなくてただの………生き物だし」

「なあ!?なんで言い淀んだ!?」


人間と言いたかったが、正確にいうと人間ではなく妖精になるので生き物と言ったが、かえって警戒されてしまった。


「だあ!もう!とにかくもう1回錬金するから変な事はしないでくれよ…?」

「邪魔はしないよ…代わりにそこの本棚みていい?」

「あ、ああ…」


やれる事はもう無いのでずっと見ているのもペタンの邪魔になるかなと思い、本棚を許可をもらって見始める。


「レンナさん補助魔法をペタンにかけたほうがいいですか?」

「…そうだな、補助魔法をかけて少しでも成功率をあげようか」


フェルが小声で補助魔法を使い始める、するとペタンの周りがキラキラ光って、ペタンの動きが早くなった、実感ないけど、フェルに補助魔法をかけてもらったらあんなふうにキラキラするんだな…頑張って錬金を開始したペタンを横目に本棚に手を伸ばす。


『スキル:錬金術を覚えてないのでレシピを獲得出来ませんでした。』


本棚にあった錬金術の本を読むとレシピが獲得できないシステムメッセージが流れてくる、別に錬金術を覚える予定は無いので気にせずに読み進める。


錬金術のスキルを覚えてないから読めないという訳ではなく、材料の項目以外は普通に読める、材料の所だけは錬金術のスキルが必須らしい。


「結構高位ぽい錬金術の本なのかな?」

「そう言えばレンナさんて鍛冶屋の本とかは読まないんですか?」


ぼんやりと独り言を言うと、フェルが小声で聞いてくる。


「うーん、読まないな、基本親に教わったり、ここだとリーダーさんにレシピ教わったりだな…本で鍛冶を勉強するというのは殆どないかも…」


錬金術の本があるなら鍛冶屋の本もありそうだ、探すのもありかもしれない。

そう思いながらも錬金術の本をめくっていると、変人病の治療薬というページを見つけた。

相変わらずレシピを獲得できませんと出てくるが、気にせずに見る。


「1部位治すために1つ必要…」


つまりペタンの母親を変人病から治すためには最低でも2つが必要みたいだ…内部が変化しているとかあった場合は3つ、4つと飲んだほうが良さそうだ。


「なんでキメラの血で変人病が治るんでしょうか?病が促進しそうな気もしますが…」

「まあ、毒を持って毒を制すると言うやつだと思う」


フェルの疑問にそう答えるとペタンが叫び声をあげる。


「で、出来た!!」


どうやら完成したみたいだ、ペタンは銀色の液体が入った薬が入っている、鑑定眼を使ってみると、変人病治療薬と出てきたので本当に完成したみたいだ。


『クエスト

愚かな父親と薬師モドキの少年をクリアしました、水銀の歯車のレシピを手に入れました。』


お、クエストクリアした。


「お母さーん!薬が出来たよー!」


ペタンがドタドタと母親のいる所に走り出す。


「おーい、1つだけだと完治できないぞー?」


そう声をかけるがペタンの耳に届くことはなかった。


「まあいいや、後でまた作るだろうしな…」


少しでも治療が進めばペタンのモチベーションになるだろうしな。

そう思いながらペタンの向かった先に向かうのだった。

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